“文学少女”見習いの、傷心。 (ファミ通文庫) (ファミ通文庫 の 2-8-2)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047260306

感想・レビュー・書評

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  • この見習いシリーズの主人公、菜乃ちゃんは巻を追うごとにますます魅力的になっていきますね!
    真っ直ぐで一生懸命で明るくて、もうすごく可愛い!


    今回は「フランケンシュタイン」の怪物がテーマ。

    皆誰しも心の中に怪物が潜んでおり、それまで善良だった人がある日いきなり怪物になってしまうこともある。
    それを逃げ続けていても、怪物はいつまでも追ってくる。
    自分が自分の意思で怪物と向き合わなければいけないのだと。
    そして愛する人の中に怪物のような異質なものがあったとき、こんなのはあの人じゃないと切り捨てるのはとても残酷なことだと、教えてくれました。
    どんなにそれが恐ろしいものでも、丸ごとその人を受けとめれる強さが私は欲しい。
    いつもこの作品は、テーマが深く色々考えさせられます。

  • 今回は菜乃が前回以上に頑張っていたので、応援しながら読んでいました。
    本編のキャラクターも多数再登場しているというのもあって楽しかったです。また反則オチかーという気分ですが。まぁ、伏線はあった気がするので反則とも言えないのかな。
    それにしても先輩は本当に便利なキャラだなぁ。本編の時からそうなのでいまさらですけども。お金持ちバンザイ。ご都合バンザイ。

    フランケンシュタインはちゃんと読んだことがないので、読んでみたくなりました。

  • なのちゃんが可哀想でもあり、健気。

  • 嫌いだ、と言われた次の日から、完全に仮面をかぶった先輩。
    それがとても嫌で、色々行動を起こしてみる後輩。

    最初の短編は、何だか懐かしいものがあります。
    場所と条件?
    そしてメイドさんをしてくれている、ちっちゃな彼女。
    手紙のやり取りは、主に身長の話でしょうか?w

    文化祭は、まさかの合同。
    しかもその背景にあった陰湿なものにびっくりです。
    まぁ腹の探り合いが通常装備の人達ですから
    当然と言ってはその通り、なのですが。

    最後に登場して、綺麗に去って行った彼。
    と思いきや…最初っから周囲にいたのか! という落ち。
    あちらもいいように使われている気がする…w

  •  心を抉るような愛憎。「見習い」である菜乃のキャラクターが物語をふんわり持ち上げてくれるけれど、やっぱり読んでいて、こんなに愛しくてこんなに切ない本は他にない。

     「傷心」はシュトルムの『みずうみ』に準えたストーリー。心葉に「大嫌いだ」と言われた菜乃が、それでも文学少女を目指しながら、心葉が好きでたまらない気持ちが溢れて。『みずうみ』のラインハルトとエリザベートは、結ばれない。ラインハルトはエリザベートに心を寄せたまま、結婚したエリザベートが幸せになることを遠くで祈る。エリザベートは彼を心の中では愛しながら、追わない。菜乃なら…本当に、追いかけていた?心葉の幸せを、誰よりも祈っているのに。
     菜乃が文学少女になりたくて、なきながら本を食べるところは本当に切なくて。遠子先輩は、心葉の心を持って行っていまったのかな。「見習い」を読んでいると、現金だけれど菜乃を応援したくなる。菜乃は、遠子先輩に、似てる。

     「怪物」は、メアリ・シェリーの『フランケンシュタイン』に準えたストーリー。元ネタは読んでいないのですが、ホラーだと思っていたら、こんなに秘めたる想いが詰まった本だったのですね。怪物を作ってしまった博士。家族を殺され、彼は自らも怪物になったのか。一人怪物を追うと決めた時、もし隣に誰かが居てくれたなら…。
     だからこの、心葉が付け加えた台詞が素敵。一人じゃ、ないよ。一緒の道を歩く友がいるから。

     心葉が、菜乃が一歩ずつ、歩き初めて。二人はどうなるのかな。最終巻も切ない予感。

  • 今回は、合唱部の劇「フランケンシュタイン」に参加することになったら、呪いのような出来事が連続して…というお話。
    "怪物"騒動によって真っ直ぐで純粋な菜乃の心にドロドロと沁み出してきた想いが辛かった。
    ただ、恐れながらも勇気を持って立ち向かう場面に心が震えました。

  • "文学少女"外伝の第二弾。夏の文芸部の合宿?を描く短編と、文化祭でまたもや劇に参加することになった文芸部を描く長編の二本立て。天使の歌声を持つ彼の再登場にはとても驚いた、複線の回収が素晴らしかった。
    ななせちゃんの恋心もまた前に進み始めたようで先が気になる。

  • まさか、あの人が出てくるとは…!
    全然気がつかなかった。

    菜乃は勇気があるんだか、無謀なんだか…。

    何はともあれ、ななせが前に進めて良かった。
    少し出てきた、美羽と千愛と3人のやりとりが好き。

  • 9784047260306 415p 2010・1・7 初版

  • 文学少女見習いシリーズの2作目。
    個人的には美羽とか千愛が再登場してくれたのが嬉しいです。

    文学少女見習いシリーズは本編に比べてミステリー要素が多い気がしますね。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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