乙嫁語り 1巻 (青騎士コミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 7740
感想 : 685
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047260764

作品紹介・あらすじ

中央ユーラシアに暮らす、遊牧民と定住民の昼と夜。

感想・レビュー・書評

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  • まず、『乙嫁語り』は『エマ』の森薫さんの新作マンガで、今回の舞台は中央ユーラシア付近と思われる土地での遊牧民の生活です。
    すんごい簡単に言ってしまうと、12歳のカルルクに嫁いできた20歳という年上のアミルを巡る話です。
    この物語の時代は現在よりも幼児死亡率が高く、平均寿命が短かったので、必然的に婚礼の年齢が低かったのですね。

    とにかく、書き込みがすごいですし、隅々に心配りが行き届いている丁寧な作品だと思います。
    絵からの心理描写が強く伝わってきますね。
    資料の収集にも力を入れる作家と聞いていましたが、今回も相当力を入れていると感じました。
    アンケートはがきまで楽しい。

    ついでにもういっこ言うと、乙嫁語りの1巻が発売した頃、某書店に行ったら森薫先生のサイン会やってたんですよね。
    別な店でもう買ってしまっていたので、参加できませんでしたが。

  • 〇アミルがカルルクに嫁いできた経緯などはこれからかな?
    〇民族衣装や食・住、生活のすべてに見とれてしまう
    〇木を掘るマスター、かっこいい
    〇アミルの弓の腕前!

    ・19世紀中央アジア、エイホン家の跡継ぎ息子のもとにハルガル家からお嫁さんがやってきた
    姉さん女房は8歳年上だけど、嫁入り先で大切にされている

  • ウズベキスタンに旅したと言ったら是非読んでみてと勧められた久々に読んだ漫画でしたが、途中でやめられなかった。10巻一気読み。
    刺繍のスザクの美しさが絵にしっかり描かれてあるし、女の子が生まれたらすぐ始める「布支度」が正確にストーリーに織り込まれていて、また行きたくなりました。
    続き組待ちきれない!

  • 不思議な魅力のある物語。細密画を思わせるような緻密な描き込みが圧倒的。台詞が少なく、絵だけが続くシーンが多いが、言葉以上に絵が物語っている所が凄いと思う。森薫さんの作品は初読みで、ただ淡々としたノリでユーラシアの日常が描かれていくのか、それとも実は伏線張りまくりで、今後、大きな展開があるのか、さっぱり予測がつきません。取り合えず、今の所、ほぼ全員いい人状態なので、実家はともかく、嫁ぎ先と酷い事になりませんように。しかしアミルはなぜ二十歳まで嫁に行けなかったのでしょうか?さあ、2巻読もう。

  • 舞台は19世紀の中央アジア。

    馬がたくさん出てきます。

    装飾が描き込まれていて、非常に読み応えがあります。

    画だけではなく、当時の文化や生活もよく描き込まれていて、読んでいて楽しいです。

    正直、「エマ」の雰囲気があまり好きでなかったので森氏の作品は読まず嫌いだったのですが、たまたま試し読みで本作を読んだところ、はまりました。

    舞台がアジアで、戦闘シーンあり、ほのぼのシーンありと、内容の幅が広いので、対象の層は広いかもしれません。

    個人的にはやはり、アミルとカルルクのペアが好きです。
    はらはらしながらも、ものすごくほんわかした気分になります。

    2巻以降では登場人物も増えて、さらに楽しみです。

  • とにかく絵の丁寧なこと!本当に好きじゃ無ければ、あそこまで緻密な模様や情景は描けないと思います。
    物語もまだまだ始まったばかりで、とても続きが気になって仕方が無いです。

  • 年若い夫と8つ年上の嫁、ふたりが心を通わせていく姿を通して中央ユーラシア・シルクロードの文化風俗を緻密に描き出した名作。
    ロマンいっぱいときめきめいっぱい!「エマ」でもそうでしたが、この作者の愛と情熱のすさまじさを画面から感じます。そういう暑苦しさ、好き!

    絵による精緻な描写がキモ。「漫画である」ことに必然性がある作品。(例えば小説化したとしたら、これほど支持はされないでしょう。)

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「絵による精緻な描写がキモ」
      ホント素晴しいですよね。衣装とか見ているだけで眩暈がします。。。
      「絵による精緻な描写がキモ」
      ホント素晴しいですよね。衣装とか見ているだけで眩暈がします。。。
      2012/10/22
  • 中央アジアが舞台です。
    「乙嫁」という言葉通り、「お嫁さん」にスポットが当てられています。

    全体的には日常風景シーンが多く、民族による文化の違いも描かれたり、他民族との衝突もあったり…と、文章にして書いてみると「堅苦しくて地味な漫画だなぁ」と思われそうですが、読んでみるとかなり面白い。
    そもそものきっかけは漫画喫茶でして、何らかの特集コーナーに置いてあったので読んでみただけなんですが、思った以上に面白くて結局購入したほどです。

    1~2巻は、アミルという20歳の女性が主役。
    彼女が12歳のカルルクの元へ嫁ぐところから始まります。
    こんなに年齢差があって上手くやれんのかな…と思ったら、カルルクは年の割に落ち着いた物腰の少年で、年上だけどちょっと天然入ってるアミルとは、なかなかお似合いの夫婦でした。
    物語の途中、アミルの実家が「アミルを返せ」と襲ってくるんですが、実家の思惑は「別の男に嫁がせるため」。しかもその別の男ってのが、とんでもない暴君。
    そもそもアミルはもうカルルクの元に嫁いだわけなので、上手くやっている嫁を別の男に渡すはずもなく、カルルクや一族、そして他の村人たちが一致団結して追い払います。
    この時カルルクもアミルを守るために奮闘するんですが、これをきっかけに、姉弟のようだった二人の仲が進展しました。
    読んでてニヤニヤします(´~`*)

    3巻は、カルルクの家に居候していた英国人スミスが主役。…というより、この漫画の主人公が実はスミスだったらしい(笑)
    2巻の終わりでカルルクの家を出たスミスは、旅の途中でタラスという女性と出会い、お互いに惹かれ合います。
    しかし結婚に関する文化や風習の違いにより、最終的に二人は引き裂かれてしまいます。
    二人の悲恋物語が中心ですが、アミルやカルルクも少し登場したのが嬉しかったですvv

    4~5巻は、ライラ・レイリという双子の姉妹が主役。3巻でタラスと別れたスミスは、この双子と出会い、しばらくその村に滞在します。
    双子の姉妹は、二人で同じところに嫁げるようにと、イケメンで金持ちな兄弟を探し回ります。
    結婚相手は父親が決める風習があるため、結局二人は幼馴染の兄弟であるサームとサーミのところに嫁ぐことに。
    最初は不満たらたらな双子だったけど、なんだかんだで兄弟とは仲が良く、円満に結婚式は終了。
    3巻とは打って変わって明るい物語だったし、双子と兄弟のやり取りも可愛くて、やっぱりニヤニヤしながら読みました(*´∀`*)

    6巻は、再びアミル編。主人公のはずのスミスはいません(笑)
    アミルの実家が再び襲ってきます。
    しかしアミルの兄・アゼルは、1~2巻の時点から葛藤しており、最終的にはアミルを助けることを選びました。
    アミル編だけど、アゼルが主役かもしれません。それくらいアゼルが大活躍。逞しい肉体美も拝めます(笑)

    現在は6巻まで発売中。
    この巻において、ようやくアミルの実家との諍いも終わりそうです。
    アゼルが今後どうなるのかが気になるんですが、あとがきによると、7巻はまたスミス視点に戻るみたい…? 気になるなあ(´Д`)

    この漫画自体が、どういう風に終わりを迎えてくるのか全く予想つかないので、ただただ目が離せません。
    次巻以降も楽しみです(*´▽`*)

  • 絵の書き込みがすごく、見ているだけで幸せになれる本。
    遊牧民族を書いた漫画は少ないのでは?
    1〜5巻、以下続刊。

  • 舞台は19世紀、カスピ海付近の中央アジア草原地域。遊牧を止め街に定住するエイホン家の少年カルルクの元に、アミルという名のお嫁さんが嫁いできます。しかしこの時カルルク12歳、アミル20歳。年齢差、体格差などから、読んでいる方としても「ちょっとこれは無理があるのでは…」と一瞬戸惑う。が、読み始めた所あっという間にその懸念は消え、その世界観に引き込まれてしまいました。

    馴染みの無い異文化のお話なのに、読み進めるのが全く苦痛ではないのはその画力と絵の美しさ故でしょうか。民族衣装や絹織物、装飾品の飾り物が細かく、素人目からしてもクラっときてしまうくらい緻密。徹底して書き込まれています。この時代この地域を舞台とした作品は大変珍しいのではないかと思います。マニアックとも言える程にこのシルクロード時代のこと、家族の面々、日々の生活が丁寧に描かれる。

    子供ながら聡明で落ち着いたカルルクと純粋で初々しいアミルのやり取りは見ていて微笑ましい。1巻ではまだまだ2人は夫婦というよりもパートナーといった感じだけれど、当事者のカルルクとアミルが決して急がずお互いを尊重し合っている。

    アミルは天然でありながら殆どの事をソツなくこなし、弓を使った狩りの腕が一流にも関わらず恥じらいがちな乙女という、不思議な魅力の女性。森先生はアミルに関して「明日死んでも悔いの無いキャラ作り」をしているそうで。エマにも通じる森先生作品独特の、純朴なのに時折ハっとするほど色っぽい女性は何なんでしょうか。

    またこの乙嫁語りで「末子相続」という制度を初めて知りました。相続品としての物質的財産が多い、遊牧民社会ならではの制度ですね。

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著者プロフィール

家族支援カウンセラー。1950年佐賀県に生まれる。中央大学卒業後、2007年まで東京都内の中学校において、心障学級・通級情緒障害児学級などを受け持ち、熱心な生徒指導で保護者からも信頼を集める。通信制高校副校長を経て、2012年、一般社団法人家族支援メンタルサポート協会を設立、理事長に就任。学びリンク総研所長・家族支援メンタルサポート協会理事長。専門分野は、家族カウンセリング・非行問題・子育て支援・発達障害・不登校問題等多岐にわたり、子どもの不登校から見えてくる家族支援に力を入れている。

「2023年 『家庭にしのびよる“うつ”に負けない! 悩めるママとカウンセラーの家族をみつめる旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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