“文学少女”見習いの、卒業。 (ファミ通文庫)

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  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047267251

作品紹介・あらすじ

「わかったでしょう?邪魔よ」親友の瞳から、そう告げられた菜乃。しかも心葉は、そんな瞳とつきあうという!仰天する菜乃の前に、さらに、瞳の過去-人を死なせたと噂された三年前、彼女の側にいた人物が姿を現す。瞳に何か起こっているなら、引くわけにはいかない!心を決め、動きはじめた菜乃に、心葉は一冊の本を差し出し…。瞳が抱く秘密とは?そして、迫る心葉との別れと、菜乃の初恋の行方は-。もうひとつの"文学少女"の物語、堂々完結。

感想・レビュー・書評

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  • 文学少女「見習い」シリーズの完結作。最後にふさわしい最高の出来だった。作品単体での物語・構成もシリーズ屈指の完成度だし、それと併せて、主人公である菜乃の成長も十分に描ききっている。

    個人的に気に入っているのは、心葉の成長については敢えて心理描写を行わず、あくまで菜乃の視点から客観的に表現することに徹したところ。遠子さんから受け取った想いを糧に、自分の足で歩んでいけるようになった心葉の姿をうまく表現出来ていたと思う。
    あと見習いシリーズは、本編と比べてレギュラーで登場するキャラのメンヘラ表現が抑えられているのもよかった。

    巻末に次期シリーズの予告もあり、「文学少女」がまだ終わらないことがわかって本当に嬉しい。
    見習いシリーズが始まる時は、最終話の余韻を壊す蛇足にならないかと無用な心配もしたけれど、今回はただただ楽しみ。期待しています。

    • osamaさん
      私も、心葉の表現を行わないところに好感を持って読んでいました。次期シリーズが出る来年が楽しみですね。
      私も、心葉の表現を行わないところに好感を持って読んでいました。次期シリーズが出る来年が楽しみですね。
      2010/10/03
  • 純粋さ、まっすぐさ、そして人間らしさ。菜乃の明るさが眩しい。心葉も安心して文芸部を任せられた事でしょうし、新たな「はじまり」へ向けて動き出すフィナーレが見事。

  • 「わかったでしょう? 邪魔よ」親友の瞳から、そう告げられた菜乃。しかも心葉は、そんな瞳とつきあうという! 仰天する菜乃な前に、さらに、瞳の過去──人を死なせたと噂された三年前、彼女の側にいた人物が姿を表す。瞳に何か起こっているなら、引くわけにはいかない! 心を決め、動き始めた菜乃に、心葉は一冊の本を差し出し……。瞳が抱く秘密とは? そして、迫る心葉との別れと、菜乃の初恋の行方は──。もうひとつの"文学少女"の物語、堂々完結!

  • 見習い③でラスト。

    [寂寞]
    題作は漱石のこころ。
    前巻ラストで菜乃の親友の瞳ちゃんがコノハとキスしてる(ような)場面から。
    ショックを受けて、即座にコミカルにツッコミを入れるのはさすがです。

    別れは寂しいけれど、瞳ちゃんがこの決断をしたのは、好きな人に邪険にされても想い続けてそばに居た親友を見続けてきたからだと思う。
    まあ現実問題として、即決即断としても翌日に犬を連れて海外に行くなんて出来るのかね。

    [ある日のななせ]
    琴吹さんが自分の気持ちにケリを付けつつ、オカ(夕歌)とやり取りする話。

    [卒業。]
    題作はチェーホフの桜の園。
    恋の結末は予想通りではあったけども、スッキリと失恋ができた感じで良かった。
    彼女の文学少女への道は続くのでしょう。

  • 文学少女シリーズ続編第3幕最終章。心葉卒業編。厳しくもあり、温かくもある本シリーズの事実上の最終章。心葉、とても素敵な青年になったなぁ、と。厳しさも、甘さも、優しさも、本編とは全く違うイイ感じに。そして、彼を成長させた菜乃嬢も。彼女の瞳や忍成への叱咤は、彼女らしい真っ直ぐさに彩られた、とても素敵なメッセージであったよう。まぁ「こころ」を割合早い段階で心葉が菜乃に提示したのはご愛嬌だが…。ななせも、失恋(というより恋をし続けること)の浄化、昇華の見本のような。美羽と芥川が出なかったのは少々寂しかったけど。

  • 文学少女見習い。最終巻。報われないことが決まっている恋について、どう決着をつけるのか。そして前巻の「傷心」のラストは?と、面白くないわけがない内容で、その期待どおり、すっごく面白い話だった。「文学少女」で太宰治から始まり、「見習い」で夏目漱石で締めくくられる流れも素敵。読んで良かった。

  • 初戀では心葉と遠子の間に入ってこようとする菜乃の事がウザくて嫌いで仕方がなかったけど、卒業を読み終わった時には菜乃のことが凄く好きになってた。爽やかな気持ちになったのと同時に泣きそうになった。

  • ★★★☆ 3.5 「外伝その3。今回の話のモチーフは夏目漱石の「こころ」とチェーホフの「桜の園」。作品全体に菜乃の心の成長が見られる。報われることのなかった「初恋」だけど、今後菜乃はどのような恋をしていくのだろう。菜乃の「今後」がいい方に報われるといいなと読んでいて思った。”文学少女”シリーズもあと1冊。引き続き読んでいきたいと思う。

  • 最終巻

    こころ
    桜の園

  • 夏目漱石の「こころ」、チェーホフの「桜の園」をモチーフに書かれたお話。
    「こころ」をモチーフに書かれたお話は、人の思いの裏の裏、汚い部分までもがさらけ出されてました。
    自分の思いは素直に口に出さなきゃ、やっぱり伝わらないものなんですね。
    「桜の園」をモチーフに書かれたお話の方は、読んでいて苦しくなりました。
    爽やかで純粋とも感じたのですが、その中にある悩みがすごい共感できて…。
    伝えたいことを伝えきると、こんなに前を向いて歩けるのだなと感じました。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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