弧の増殖 夜刀浦鬼譚

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (326ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047268326

感想・レビュー・書評

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  • いかにも朝松健のホラー!!という感じ。好きなら楽しめるはず……ですがけっこうえぐい描写とかもあるので、そういうのが苦手な人は厳しいのかも知れない(この作者好きなら全然平気だと思うけどね)。
    携帯とかケーブルとかメガサーバーとか、そういう現代の無機質な物を、書き方ひとつで気持ち悪いアイテムに変えてしまう手腕はさすがだなと思います。実際に会起きた事件をモデルにした殺人事件(ですよね?)を上手く使ったりと盛り上げ方もよくて楽しめました。
    そしてラストシーンも。こういうホラーいいよね……。

  • ■かなりエグイ。読み始めてすぐに鳥肌がたった。小説を読んでてそんな風になったのはすごく久しぶり。

    ■前半から中盤にかけて実態がわからないまま、取り込まれてしまう感じ。とにかく怖い。やけにリアルな展開と正体のわからない怖さ。

    ■終わりに近づくにつれて怖いものの正体がなんとなく分かってくるに従って怖さが退いていった。細かい描写がリアルさを遠ざけてしまったような。

    ■でもこの切り口はすごいよな。そしてラストの大どんでん返し....

  • 太古の因習の痕跡をとどめる巨石と最先端のメガ・サーバー施設を備えた電波塔。古の遺物と現代の叡智という対照的な2つの建造物が丘の上で奇妙に共存する“千葉県夜刀浦市”には、さまざまな都市伝説が存在した―。電磁波が引き起こす神経症、頭のない幽霊の出現、死んでいない猟奇殺人鬼etc。寺の鐘を思わせる音をたて、メガ・サーバーが運転を始めたとき、異次元の扉は開かれ、町に阿鼻叫喚の一夜が訪れた。

  • 湊かなえ氏っぽくイヤなカンジを残しつつの展開。
    結構グロい表現が出てくるので、グロがダメな人は控えて欲しい。

    たった5人程の登場人物でよくここまで描ききったってカンジ。
    主人公である矢口とヒロインとなる咲子。
    PCファイルをワンクリックしたために生き延びれなかった佐藤。
    電話に出たために妹咲子の目の前で死にゆく由梨絵。
    由梨絵の経営している居酒屋の客で大学教授の真嶋。
    陰で協力するのは 幽霊となったトモ君。

    都市伝説を辿っていくと、そこには現実の世界と異世界が繋がっていて。
    そこに出てくる都市伝説は妙にリアルで。
    簡単なロジック。絡む15年前の連続殺人事件。
    大団円かと思わせてのどんでん返し。
    伏線ではなく、ちゃぶ台返しくらいのひっくり返し方。

    lastは、背筋がゾッとした。
     9*38*2446*384*2(YUGGOTH:ユゴス)

    稲川淳二さんの『つぶやき会談』を途中で読んでたから余計に怖かった…

  • 私にとって怪奇小説はこの作者の作品がスタンダード。

    相変わらずの世界観は安心できたが、「世の果ての街」を読んだ時に感じた重さがなかったのは、私の好みがズレてきてしまったせいか。

  • わりとあっさりしていた

    てか、ケータイで暗号とかふるっ!って思ってしまったよ

  • 作者自身がつい今年の1月に出たクトゥルー神話全書
    の監訳をされているんですね。それもあって今作は
    クトゥルーに都市伝説をミックスさせたような、破滅的な
    パニックホラー作品になっています。
    基本的には新しいアイコンではないですが、日常と
    切り離せないという部分でやはり携帯電話というツールを
    介したホラーは怖いもんですね。

    今作のオビコメントにはなんと魔夜峰央氏のコメントが!
    ほぼその時点でそく買いしてしまいました。そこに
    書かれてるようにとにかく怖い...という程実は怖くは
    なかったのですが、こういったホラーを読む事は少ないので
    意外と楽しめました。ただどうしてもこういったテーマや
    作風だと携帯小説...を彷彿としてしまうので重厚感が
    足りずにやや消化不良気味でもあります。心理的にも
    生理的にもこのくらいのホラーならご飯食べながら
    読めてしまいますw。

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著者プロフィール

一九五六年、北海道生まれ。東洋大学文学部仏教学科卒業。
国書刊行会に入社し、ラヴクラフト作品などの企画出版を手掛ける。八六年、『魔教の幻影』で小説家デビュー。オカルト・伝奇小説を中心に幅広く執筆し、近年は室町時代を題に取った作品を精力的に発表している。二〇〇五年、短編「東山殿御庭」が日本推理作家協会賞候補。アンソロジストとしても高い評価を得ている。

「2023年 『一休どくろ譚・異聞』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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