ママゴト 1 (ビームコミックス)

著者 :
  • エンターブレイン
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感想 : 35
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (198ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047274730

感想・レビュー・書評

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  • けして好きな系統の話でも絵でもないのに読まずにはおれないという。続きが気になるよ…

  • 悲しくも面白い。もうなんかスゴい。

  •  『赤い文化住宅の初子』と『薫の秘話』を読んで、松田洋子がすっかり気に入ってしまった。貧乏な暮らしや底辺の人間群像を描かせたら、当代随一のマンガ家だと思う。

     タナダユキ監督の手で映画化された代表作『赤い文化住宅の初子』は、親のいない貧しい薄幸少女の青春をリリカルに描いた傑作だった。
     この『ママゴト』も、『赤い文化住宅の初子』の延長線上にある作品。ヒロインの映子は現在アラフォーで、地方都市の場末のスナックでママをしている。

     映子には悲しい過去があった。親に捨てられ苛酷な少女時代をすごしたあと、風俗嬢になったものの、客の子を産んだことが原因で店を追われ、ホームレス生活をつづけるうち、赤ん坊を熱中症死させてしまったのだ。
     そのことがトラウマとなり、心を閉ざして普通の幸せに背を向け、男を手玉に取るだけのすさんだ暮らしをしてきた。だが、そんな映子のもとに、風俗嬢時代の唯一の親友が、5歳になる息子・タイジを置き去りにしていってしまう。

     当初は迷惑がるだけだった映子だが、タイジと暮らすうち、そのかわいさ・けなげさに心癒され、心の底に封印した「母としての喜び」を少しずつ思い出していく。しかし、タイジが自分の子ではない以上、2人の暮らしはママゴトのようなものでしかなく、母としての喜びもかりそめのものだ。ゆえにタイトルが「ママゴト」なのである。
     赤の他人同士の“親子ごっこ”のような暮らしは、これからどうなってしまうのか?

     ……と、いうような話。
     どこかジョン・カサヴェテスの映画『グロリア』(1980)を彷彿とさせる。もちろん、『グロリア』のようなドンパチは一切ないのだが。

     コミックス1巻の帯に書かれた、「『いってきます』も『だいすき』も、はじめてでした」というコピーが哀切だ。これは、肉親に愛を注がれた記憶がなく、だからこそ赤ん坊をまともに育てられなかった女性が、20年の時を経てもう一度母親になろうとする物語なのである。

     随所にコミカルな描写やセリフはあるものの、基本は王道メロドラマである。
     泣ける。それもあざとい泣かせではなく、「人間のおぞましさや汚らしさにもきちんと目を向けたうえで、なおかつ人間を愛おしむマンガ」という印象だ。

     松田洋子のこれまでのキャリアで、いちばん一般受けする作品かもしれない。これもタナダユキに映画化してほしい。

  • ジャケ買い。悲しい過去を持つスナックのママ映子と、預けられた5歳児との暮らし。一度幸せを垣間見てしまうと、元に戻るのは辛いよな…(/ _ ; )

  • 『ママゴト』
    NHK BSプレミアム/毎週火曜放送
    2016年8月30日から

  • 息子を亡くした過去を持つスナックのママと友人に置いて行かれた息子の交流を描いた作品。

  • 2014.6.8

  • 松田洋子の漫画は2作目ですが、不幸と貧乏は芸風みたいです。
    不幸だけど貧乏だったけど、しぶとく逞しく生き抜いてきた映子。
    友達の子供、ブサ可愛いタイジを預かることになります。
    2人の拙いやりとりは笑えるし、微笑ましくもあるのですが、子育て漫画という感じはありません。
    何かに縋らずにはいられない映子の孤独さが胸に痛い漫画です。

  • いい話だった。

  • 同僚のN嬢に借りて、3巻一気読みしました。夜中に嗚咽が止まらず・・こんなに泣いたの久しぶりかも?です。素晴らしい作品ですので、是非読んでみてくださいまし。

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著者プロフィール

大阪生まれ、広島県福山市育ち。初めて描いた作品『薫の秘話』が第27回ちばてつや賞大賞を受賞し、95年『モーニング』でデビューする。以降、『秘密の花園結社 リスペクター』『人生カチカチ山』『まほおつかいミミッチ』『相羽奈美の犬』などの作品を幅広い媒体で発表し、2003年刊行の『赤い文化住宅の初子』は、2007年にタナダユキ監督により実写映画化され大きな話題を呼んだ。なお『ママゴト』は、第15・16回文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品に選出されている。

「2019年 『父のなくしもの』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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