- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047282988
作品紹介・あらすじ
お兄ちゃんを愛してる-。噂の"深夜の移動図書館"に足を踏み入れてしまった兄妹の悲劇…日日日の贈る『鶴見さんの恩返し(を見てはいけない)』、佐々原史緒『彼女はそこにいる』、石川博品『平家さんって幽霊じゃね?』、森橋ビンゴ『彼女はツかれているので』のWEB掲載作に、ホラーの鬼才・綾里けいし『クローズドアンツ』、櫂末高彰『こんな夜には』、新鋭・関根パン『眠れずの部屋』の書き下ろしを加えた全7篇で贈る夏の夜のラノベホラー第2弾。
感想・レビュー・書評
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訳あって再読。アンソロジーゆえに作品全体を評価することはできないが、眠れずの部屋はとても面白いかと。 普段は触れない作者の特徴が表れていて良い企画。今後も続けて欲しい。
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「鶴見さんの恩返し(を見てはいけない)」すべては鶴見さんの手の中だったという話。
お兄ちゃんが妹を探していたのも、妹が復讐を心に誓ったのも、全部鶴見さんの手の中で踊らされていたというのが、後味が悪い。
でも、一番可哀そうなのは両目を潰された挙句にひたすら監禁された女の子だと思う。
「こんな夜には」不登校の女の子と男の子の話。
男の子の正体が切なすぎる。
それにしても、男の子の正体に気付いても今まで道理に対応していた女の子もすごい。
何か、思春期特有のみずみずしい甘酸っぱい恋みたいで、読んでるこっちがドギマギする。
「彼女はそこにいる」不器用な恋心の末路の話。
互いの想いがすれ違ったせいでまさかあんなことになるなんて。
自分が照れ隠しで言った言葉が、知らないうちに女の子の人生を壊してしまうなんて普通は考えない。
男の子に彼女ができても殺してしまうなんて、愛重すぎるわ。
「眠れずの部屋」勘違いって怖いよねって話。
パッと見、普通の現象研究愛好会の三人の女の子たちに見えるのに、心の中は三者三様というか。
個人的には、後輩ちゃんの能力が「例が見える人がわかる」のではなく、「幻覚が見える人がわかる」だったのがびっくりした。
でも、一番怖いのが、三人の正体や思考を読み切っている地縛霊だと思う。
三人は朝になればこの部屋を出ることができるのに、彼女は永遠にこの部屋を出ることができないのだから。
「クローズドアンドナイツ」人生をあきらめた男の子の話。
彼を蝕む蟻がトラウマによるものとは切ない。
それにしても、ニートになった理由がすごすぎる。
ホラーというよりも、後味の悪い心にグサッとくる話が多かった。でも、ほのぼのとする話もあってメンタル的にバランスが取れて面白かった。 -
相変わらず綾里けいしの活躍が目立ちすぎるホラーアンソロ2冊目。
赤の時以上に個性豊かな内容に。でもホラー?みたいなのもこっちが多めw
最初にも述べたがやはり綾里けいしが素晴らしすぎる。赤の時とは全く違った毛色。
B.A.D.の毎回のオチと比べると大変綺麗な終わり方。ホラー書かせたらこの人の右に出る者はいないな。うん。