“空蝉" ヒカルが地球にいたころ……(7) (ファミ通文庫)

著者 :
  • エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (328ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047288560

作品紹介・あらすじ

ヒカルの"最愛"。その人の想いを尋ねようと訪れた教会で、是光とヒカルは清楚な女性に出会う。空という名の彼女は"天使の子"を身ごもっているという…。「どうしよう。きっと僕の子だ」「って、何だとぉ-っ!?」空と子供を守ろうと奔走する是光だったが、学園に誤報が飛び交い、あらぬ疑いをかけられて…!?ヒカルの子供の存在に動揺する葵、蠢動する一朱。様様な想いが交錯する中で、隠された真実が明らかになる-。大人気学園ロマンス、第7巻。

感想・レビュー・書評

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  • 今回もとっても面白くて、一気に読んでしまいました。
    ヒカルシリーズも後半戦ということですが、一体是光はどの花を選ぶのか選ばないのか…!?気になります!
    個人的に今回は朝ちゃんのツンデレな態度がかわいくてしょうがなかったです(*^^*) 葵さんも帆夏もみーんなかわいいし、是光が羨ましい!(笑)
    次巻も楽しみです♪

  • 大好きだ、母さん、大好きだ。
    俺は、ちゃんと笑えているか?
    ちゃんと、伝えられているか?

    今回登場する女の子はヒカルの子を宿しているという空。
    女としてのヒカルへの想いと母としての子への想いが、原典の「空蝉」と「明石」をモチーフに丁寧に描かれています。

    しかし空の話ももちろんよかったんだけど、母と子の物語ということで、
    個人的により感動したのが是光とその母親の話ね。

    幼いころ自分を置いていなくなった母親。
    思い出といえば泣きながら謝る姿ばかり。
    しかもその涙も、我が子を愛することができない故で―。

    是光にとって女性不信の原点となるのがこの母親という存在。
    母親に愛されないというのは想像もつかないくらいの悲しみと苦しみなんだろうな。
    そんな中、不意に再会した母親からは知らない人扱いされて・・・
    そりゃ是光でなくても走って逃げだすよ。


    それでも、今の是光には支えてくれる友人たちがいる。
    一緒に笑顔の練習をしてくれたヒカル。
    愛されるより愛する方が幸せだと語ってくれたひいな。
    再び母親と出会ったとき、何も言わず手を握ってくれた葵。
    友人たちの思いを胸に、もう大丈夫だからと母親に対し泣きながらも必死に笑おうとする是光の姿には胸が熱くなった。
    感動した。


    さて、この「ヒカルが地球にいたころ・・・」も後半戦に突入中。
    次回は花散里。是光への思いを胸にすっかり綺麗になったみちるの話ですね。
    ヒカルというよりは是光が話の中心になってくるのかな?
    原典では源氏の妻の中では紫の上に次ぐ立場だったお方だそうで。
    どんな物語なのか。是光の恋愛模様を含め、楽しみです。

  • 望むことは一つもない。
    誰かに決められたわけでもなく自身で選んだ道だったからこそ、忘れたい過去に捕らわれてしまったのかもな。
    これからの人生を歩むためだとしても、残酷な一言であり辛い選択だろうな。

  • ヒカルの子を妊娠している空の登場で、ヒカルの中二からのプラトニックでなさが上澄みっぽいとはいえ明け透けに語られてちょっとびっくり。明らかになったヒカルの最愛の立ち位置にも驚く。爽やかとは言い難いけれど、大学生の空の強く見えて妹を貶めたり臆病な情けない所をヒカルが厳しく追及して解放するのが新鮮だった。

  •  「空蝉」こと空の物語を、結末から見るに、ヒカルの物語について伏線が張られる他は脇に置かれ、是光くんの巣立ちと哀しみの昇華物語にシフト・チェンジしていく。

     一方、その物語とは別に、是光くんの前には決断の山がそびえ立つ。式部も葵も、何れ劣らぬ素敵な少女たち。どちらを選ぼうとも苦さは残るだろうが、決断は不可欠なはず。
     殊に著者の描く作品であれば猶更そうなるはず。

     
     著者の描く物語は好きだなぁとますます再確認できた巻である。

  • シリーズ途中で積んであったので久しぶりに再開。

    そのせいかキャラクターの関係性をだいぶ忘れている+キャラクターへの愛着もちょこっと薄れていて…結構さらーっと読んでしまった気がする。空のこともあまり好きになれなかった。この巻がハマらなかったのか、それとも実はこのシリーズそのものにハマっていなかったのか…うーん。

    是光の母親の件も唐突だった印象。自分が忘れているだけの可能性も大いにあるけど。。母親側からの何かがないので、ちょっともやもやする部分もあったかな。

    残りも買ってあるので結末はしっかり見届けようと思います。

  • うぇぇ(´Д`;
    妊娠とか、妙に生々しいテーマな半面で、是光の行動はぶっ飛んでいて、オトナなおねーさんから見たら、覚めちゃうわっていう。
    いくら他人の目を気にしないと言っても、教室でまで育児書読まないよね。

    っていうか、そういう疑念を持たれるヒカルってどうなんでしょうね!?

    誰との恋愛にも真正面から向き合っている、と言えばなんだかカッコよく聞こえるかもしれないけれど、結局来るもの拒まずな無節操としか思えない。

    あー、是光と帆夏がくっつけばいいのになぁ。
    帆夏が報われるラストを夢見て、そのためだけにこのシリーズを読んでいます。

  • 読み始めると、途中でやめられずに一気読みでした。ヒカルの秘密が語られているようで、まだ語られてないようで。

  • ヒカルの子供をお腹に宿したという女子大生「空」は、
    一人でその子供を産み育てようとしていた…。

    というところからお話は始まります。
    結果だけを言えばそれは、想像妊娠であったのですが…。

    このお話で大事なのは、ヒカルの最愛の女性が義母で
    あったことが明かされるのと、是光くんが、息子を愛せず
    家を出て行ったお母さんとの間に、拒絶されながらも
    自力で心に折り合いをつけることです。

    母性あふれる空に接しながら、是光くんは自分が
    愛されたかった幼子であったことや、実母からその愛は
    受けられなかったものだったことを思い出します。

    オトナな見解を言えば、是光くんのお母さんが子供を
    愛せなかった背景には、恐らく不幸であった結婚生活が
    横たわっていたはずで、再婚相手との子を慈しめている
    ということは、家庭に恵まれたのだ、ということは
    書かれていません。

    愛情を注ぐ余裕もないほど、親でも壊れ3ることはあり。
    だからといって子供が置き去りにされていいわけでもなく。

    一行でいいから、お母さんの側からの気持も、
    書いてあげて欲しかった。

    育児放棄の言い訳とかじゃなく。
    本当にどうしようもないケースもあるので…。
    (この場合はどうしようもない、タイプだと思うのですよね。)

    代わりに、妊娠話にきゃあきゃあ言ってる女子の描写を
    少し削っていいから。

    子供が生まれるとか、家庭破壊ってチョロくないので…。
    これを読んでる主力読者の世代に、それはわかってほしい。

    野村さんも分かってらっしゃるから

    「避妊しなきゃいけなかった、責任は僕にある」

    ってヒカルくんが悩むとかはちゃんと書いてるし
    実は想像妊娠というオチで
    まるで夢にほんわりと纏めているのでしょうね。

    源氏物語の「空蝉」より
    この話の「空」と「荻」のほうが、好きかな。
    なんとなく先に希望があるから。

    そもそも、空蝉と「空』の苦悩じゃ、似てても質が違うから
    「空』のほうが明るいのは当然なのですけどね。

  • 評価:☆4.5
    今回のターゲットはなんと、ヒカルが妊娠させたという女の子、蝉ヶ谷空。


    おいおいヒカル、いくらハーレム皇子と言ってもそりゃねーよ・・・と思ってたら勘違いだったので一安心?

    母親(予定)と是光の母親への複雑な思いを上手くストーリーに絡めていた。
    涙を零しながらも笑顔で母と弟を見送る是光の姿には涙腺やられたよ・・・。

    是光の心に芽生えた、「俺が守ってやらなくちゃ」という葵への強い想い。これはまた荒れそうな・・・w
    朝ちゃんの朝ちゃん呼びの許可とかもうツンデレ全開だし、どうなることやらw
    是光が女の子として意識している描写(葵は誘えて帆夏は誘えない)はあったので、まだ期待したい!
    まぁ最後の葵の手握るシーン見てたら勝目なさそうなんですが(ノд`)

    ひいなが生まれた環境が予想以上に過酷だった・・・・公衆トイレで産み捨てって。
    そりゃ家族に思い入れできるわな。
    空の妹がビッチすぎてわろたw
    Cパートの逆に赤面させられる月夜子先輩可愛い。

    あとこれは本編ではないけど、あとがきで野村先生が「ななせと帆夏は正反対のキャラとして描いているつもり」と書いていたのが驚きだった。
    多少の違いはあれ、方向性は同じだと思ってたよ・・・うーんきっちり読めてないのかねぇ。

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著者プロフィール

合唱王国福島出身。春の夕暮れに生まれる。幼いころから読むこと、書くこと、眠ることが大好きで、作家を目指す。作品に「文学少女」シリーズ、「むすぶと本。」シリーズ、『ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件』(いずれもファミ通文庫)などがある。

「2021年 『世々と海くんの図書館デート(5) 春めくきつねは、つりばしにゆられて、あのこに会いにゆきます。』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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