東京発 異世界行き (ハルタコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 292
感想 : 16
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047294981

感想・レビュー・書評

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  • 「ヒナまつり」の大武先生初の短編集。
    「異世界発 東京行き」を買いに行ったら再入荷していたので、
    こちらも購入しました。
    粗削りな部分はありますが、
    大武先生特有の間の取り方は既に完成されていますね。
    「最後の晩餐」が特に良かったです。

  •  笑いに必要不可欠な”間”の取り方、それだけで高評価な一品です。
     静緩急、テンポの付け方がよくて、ちょっと不思議、と言うより日常からズレたヘンなお話でした。大笑いと言うホームランは狙えないけど、微妙にとぼけた展開でクスリと笑うヒットをいくつも飛ばします。
     
     八本の短編の間に一ページの幕間を用意して、繋げる――と言うかバトンタッチしていくのが作者の独特の間を象徴しているようで、また面白いです。
     そんな中ラスト一編は独立しており、静の一辺倒で切ない話を描きます。これ一本でも買ってもよかったなと。

     で、特に気に入ったのが以下の二本。

     「最後の晩餐」。
     特定の人物の所有している食べ物を食べた時発動するサイコメトリー能力を持つ刑事と、その相方で上役の女刑事の二人が、殺人事件に挑むが……。

     ツッコミ役はいますが、それを微妙に置き去りにして進むボケボケな流れと女刑事姉川さんのキャラが絶妙。
     あの目力とかの説得力は見逃せず、この作者目を書くのが上手いなあと思います。

     「三田村桜子(仮)の一生」。
     大学入学に浮かれてトラックに跳ねられそうになり、テンプレな異世界トリップを果たして天寿を全うし、そこで女性として転生、若くして天才と讃えられるも、その姿で現代日本に再び戻って来た三田村桜子さん(仮)は……。

     一息で言えますが、作者あとがきでも述べているように何気に詰め込みすぎな設定です。
     実はこの話の各種要素に魅かれて買ってみたのですが、それ自体置いといても話の完成度は高いです。
     表題作はありませんが、大半の話が現代日本を舞台にしていることからわかるように実質この本の看板と言っていいでしょう。
     大きな種明かしの後、ちょっと抜けた後日談をもってなんとなく〆ているのもなんかいいなあと思うポイント。

     つまりは嵌れば、長く長く持てるいいお品と思います。

  • 前、読んだ漫画を
    もう一度、読み直してみる巻 Vol.14

    「お気に入りストーリー」
    ”青信号までの時間”

  •  ネット上でおすすめコメディコミックとして名前が上がっていたので購入。
     うーむ、私の笑いの感性が鈍っているのだろうか?

  • 読んでて疲れる

    ---
    (2018/11/18) Kindleで久々に読んだ。今持ってる感想と全く逆が既に書かれてて驚いた。普通に面白い。絵が下手な部分はあるけど。ギャグセンスもあるし石黒正数的なSF要素のある話。

  • くっそ,最後にええ話もってきなや! 売却済み.

  • “「そしてこの能力は その人間が最後に食べたものが分かるという……」
    「こいつが最後に食べたのは レトルトカレーだ」
    それが分かった所でなんだよ……
    「吉田よ……前回の松屋の牛丼といい……
    そんなもん分かった所で犯人に繋がるわけないだろ」
    わぁ やっぱり!!”

    読むまで気付かなかったけど「ヒナまつり」の人か。
    短編集なのだけど、人がちょくちょく繋がってて、そういうの好き。

    Thanks to K.H.

    “正直この事は誰にも言うつもりはない
    異世界に行って魔法使いになって死んで転生して女の子になって日本に戻って来ました!
    話せば話すだけ かわいそうな目で見られるだろう
    うん 分かったよ病院行こう?と言われるのがオチだ”[P.144]

  • ビームの新人賞受賞作品「青信号までの時間」について、あとがきでスタイリッシュ投稿作!と著者が語っているので、何それ……。「坂本ですが?」みたいにシュールな笑いかな?と思ったが、めちゃくちゃシリアスな作風で、今の作風と比べたら違和感しかなかった。けれども、投稿作としての荒削りな荒さが目立つというよりは、そこにあったものが今に繋がっているなと妙に腑に落ちる面持ちになった。ヒナまつりでの間の作り方やそこから生み出される空気とかちゃんと活きてんだなぁ〜と。

  • 大武政夫先生の作品、これが初買いの初読み
    何と言うのか、この手のコメディってのは、ホントに読み手と描き手のセンスが近くないと、今イチ合わないな、と感じた
    全体的に笑いのレベルが高く、面白いのは間違いないのだが・・・私の笑いのツボは強く押されなかったな
    今すぐに、『ヒナまつり』を一気に買いに行かなきゃって衝動には駆られなかったが、少なくとも、大武先生の独特のテンポは把握できたので、まずは漫画喫茶か、古本屋に行って、『ヒナまつり』の一巻を読んでみようと思う
    飛んでもガール→人生、失敗しかないとお粗末な頭で理解っていても、やってみなきゃならない事もあって、そこから得る教訓もあったりなかったり・・・つまり、大事なのはロック、ロック、ロックンロールな生き方
    こまきまき・・・世のイケメンさん、可愛い娘にシャベルを持たせちゃいけません、豹変かつ変貌しますから
    最後の晩餐・・・吉田の能力が、あんまりも使えなさ過ぎて、逆に笑ってしまった。ここまでいっそ、バカバカしいのならば、これで連載して欲しいほど。とりあえずは、肉じゃがは作りすぎるなってコトだな
    銀行強盗は同窓会の始まり・・・「合縁奇縁」、「人生、塞翁が馬」とは、この事か、と綺麗に纏めたくなる話。ともあれ、学生時代の繋がりは大事にしとくべき
    一生消防士宣言・・・つくづく、人間には向き不向きがあって、やる気があるからこそ、いちゃならない居場所がある、と感じた
    失策バッテリー・・・世に、偶然から産まれた笑いに勝るモノなし、ただそれだけしか言えねえ、マオちゃんと同じく眼鏡をかけている者としては
    三田村桜子(仮)の一生・・・この短編集の中で、最も読み応えがあって、一番に質が良い、と断言できる。この作品で、世界の真理を覗きかけました、危なかったです。堅実な生き方が一番にイイのではなく、ハシャぐタイミングと、地に足を戻す手段さえ、自分でちゃんと判っていればいいのではないか・・・ともあれ、三田村桜子(仮)の一生が、これからどうなっていっちゃうのか、スッゲー、気になるんすけど、大武先生
    異世界異文化交流記・・・「うっ、マジっすか」と唸った作品。大武先生のギャグセンスの高さ、真髄をこの短いページの中に見た。世界のギャップの滑稽さを、ものの見事に描いています。ある意味、大武先生がどんな漫画を描くか、知るのにピッタリな話。でも、血が苦手だったり、作中に登場する食べ物がどうしてもアウトだったり、想像力が豊かすぎる人は、ダメかもしれん
    青信号までの時間・・・ここまで読んできた他の作品が、シュールが渦巻いている笑いしかないモノばかりだから、逆に「大武先生は、こう言うのも描けるんだ、スゲー」と思える。だが、ぶっちゃけ、このジャンルでは、先生の独創性は芽吹かなかっただろうな、とも思えてくるクオリティ。つまらない訳じゃない。むしろ、よく話を作り込んでいるからこそ、この質の高さを維持し続け、なおかつ、マンネリ化を避けるのは難しい、そう言う事
    改めて言うが、どの作品も読み手を笑わせる、その一点を追及している。話と話を繋ぐ、オマケも、それに一役を買っており、ポイントが高い
    『ヒナまつり』を読んでいる人も、私のように未読の読み手も、是非、買って笑い転がされるべき

  • ショートコントみたいな話にクスッとできておもしろい。これが描きたいというこだわりをストレートに出しながら、話を作っているのがすごい。キャラの表情が好き。

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