なりゆき斎王の入内 ~その正体、さらにも言わず~ (ビーズログ文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/エンターブレイン
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047298378

作品紹介・あらすじ

間もなく東宮が帰京する。なりゆきで東宮妃候補となった塔子は、故郷に帰るためにも入内を阻止したい。けれど呪詛事件の折に出会った暁少尉がいるならば、都でも頑張れると思い始めていた。そんな中「東宮は帝の本当の御子ではない」という噂が!!暁に真偽を訊こうにも彼の様子もどこかおかしい。さらに塔子は、東宮の義母・縋子から呼び出されて…。ついに東宮と顔合せ!?話題騒然第二宴!

感想・レビュー・書評

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  • 40歳前後だという縋子内親王が、とんでもなく豪快で愉快愉快。主人公の塔子の叔母に当たり、法皇の娘になるわけだが、塔子と酒を飲んで意気投合するというところが、おしとやかな宮廷物語ぽく無くていい。これから塔子の力強い味方になるだろう。話は、平暁(実は東宮)が出生の悩みを抱えていて、それが帝の退位問題に絡んでくるというもの。権力志向の左近衛大将のいやらしさ、強心臓ぶりもなかなか面白いが、塔子も負けてはいないで言い返すのがいいねえ。

  • 一巻に比べて恋愛要素多め。
    東宮は塔子に惹かれているけれど、彼女が叔父を慕っているため入内させずに熊野へ返すべきではと揺れる。そして塔子は暁(実は東宮)が気になっている一方で東宮は男色だと思い込み……。
    斎院宮さまのキャラがよい! 二人のキューピッドになってくれそうな予感。
    そして東宮=暁がいつバレる? とハラハラワクワクしていたところ、蘭陵王! ドラマチック!
    古事記や続日本紀などの知識も散りばめられていて、おもしろく読みました。続きも楽しみ!

  • 最近のお気に入りのシリーズです。
    今回は宮中でのお話ですけど、暁の後見人の縋子様という、塔子がかすむくらいの豪快な方が登場。塔子が自分よりすごい彼女を見て、自分が奇矯な姫って言われるのはなんか理不尽って感じてるところ、ちょっと笑いました。

    暁は塔子に惹かれているけど、塔子には貴哉がいると思って塔子を熊野の帰そうと考えて、でもやっぱり離れたくないって葛藤しているところは、青春って感じでなんともいえません。(暁ってでも二十歳を超えてたんでしたっけ?)

    特に泥酔して寝ている塔子の髪に口づけるシーンは、凪かすみさんのイラストともあいまって、切なくなりました。

    あと、東宮=暁とばれるシーン、縋子が演目に陵王って言ったとき、仮面で分からないようにして正体ばれるって感じにするのかなぁって思っていたらそのとおりになりましたけど、こっちもイラストがぴったりで、暁がかっこいいです。

    塔子も貴哉への気持ちと暁への気持ちが違ってきているようですけど、次巻は貴哉のいる熊野が舞台らしいので、貴哉登場で暁がいじけるかも、なんて思いながら楽しみにしてます。

  • 一巻は無理やり登場人物の構成作ってる感じあったけど、なれてきた二巻では、暁の気持ちと、どうにもならない状況が読み手にわかり、いい感じできゅんきゅんさせられます。

  • 宮中での駆け引きや、服装、行事、なども細かく描かれていてしっかりとした印象。
    元気良すぎる塔子と結構弱気な暁の恋も、少しずつ進んていて楽しい。

  • 【ネタばれ感想注意】

    シリーズ2冊目。

    今巻は帝と東宮の、父子の確執がテーマでした。
    古事記オタクのヒロインらしく、今回も古事記の登場人物に置き換えての推測が興味深かったです。
    ラストでは、塔子もとうとう暁の正体を知ります。
    蘭陵王の舞を踊る東宮と、その後に仮面を外して正体を明かす一連のシーンがとてもドラマティックで、2巻で1番印象的なシーンとなりました。

    東宮呪詛事件も収束し、塔子が入内する迄あと半年となった頃、今上帝の実妹、東宮の叔母で猶母(後見人)でもあるという縋子(しげこ)から呼び出され初対面を果たしますが、何故か気に入られてしまいます。
    更に、塔子は宮中内で、東宮が今上帝の子供ではなく現法皇の子供ではないかと公然の秘密として囁かれている事を知ります。
    東宮の生母は大層な美女で、現法皇と今上帝が奪い合ったというのでした。

    …だから前巻で、暁が自分の出生は複雑だと苦悩していたのですね。
    そして、暁の美貌は母親譲りだという事が分かります。
    宮中は魑魅魍魎が跋扈する世界とは良く言うけど、こういう話が出てくると本当に複雑怪奇な世界だと思います。
    自分の責任ではない出生の疑惑に苦しむ暁が可哀想で、読んでるこちらが哀しくなりました。

    東宮妃候補は皇家の塔子と摂関家の姫君がいるという事で、いずれ摂関家の姫君が塔子の恋敵として現れるのかと思うと、今から気が重くなります…。
    平安時代の結婚、しかもヒーローがただの貴族ではなく帝や東宮だと、政略的な問題で他に妃を持たなければならないという問題が出てくるのでツライです…。

    ストーリーは、塔子が機転を利かし、ひとまず縋子が女帝として即位する事で東宮の妃問題は保留となります。
    次巻は再び熊野が舞台のようなので、貴哉の出番と暁の焼き餅が見られるかと思うと楽しみです。

  • 間もなく東宮が帰京する。なりゆきで東宮妃候補となった塔子は、故郷に帰るためにも入内を阻止したい。
    けれど呪詛事件の折りに出会った暁少尉がいるならば、都でも頑張れると思い始めていた。
    そんな中「東宮は帝の本当の御子ではない」という噂が!
    暁に真偽を訊こうにも彼の様子はどこかおかしい。さらに塔子は、東宮の義母・縋子から呼び出されて…。

    一巻では京を出ているという事で顔合わせを誤魔化した東宮が帰って来るという展開で、いったいどうするつもりなのかとちょっとハラハラさせられた。
    結果としては割とあっさりバラしましたね。なかなかバレるシーンはいい感じの演出だったと思う。
    今回は主に東宮である暁の出生問題がメインで、義理の母である縋子や、塔子にとっても祖父である上皇、そして帝とすごいメンツが揃った感じ。
    というかよく考えると暁は(体面上は)塔子の従兄弟ってことでいいんだよね? 
    ひとまず正体がばれたので、次巻からはちゃんと東宮として暁をみることになるんだろうか。

  • 間を置かずに第2巻も読破。子作りを迫られる暁の顔にwww 美青年の顔がwww って。いや、本当に暁の恋を応援し隊ですwww

  • 彼女に嘘をついているという罪悪感と、守りたいからこそ東宮妃になって欲しくない彼の苦悩を、読み取ってください。
    ラブ度は低いですが、ジレッジレでありまス!
    いつ言うのだ!いつ告白するのだ!いじけておる場合かぁ〜〜!と、スリッパ片手にばしばし突っ込みながら転げ回って楽しんでください。
    東宮の義母である元賀茂の斎院・縋子が、二人の間を取り持とうとちょっかいを出してきて楽しい展開。凪かすみさんのイラストで迫力のある美しさが素敵な女性。
    http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-4085.html

  • 面白かったです。
    ジャパネスクやチェンジのころに感じた平安熱再びです。
    暁と塔子の二人がすれ違いつつも良い感じです。

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著者プロフィール

埼玉県出身、佐賀県在住。「平安あや解き草紙」「なりゆき斎王の入内」シリーズをはじめ、数々の人気シリーズを執筆。その他の作品に『西陣あんてぃく着物取引帖』『お師匠さまは、天神様』『後宮の薬師』『掌侍・大江コウ子の宮中事件簿』などがある。

「2023年 『華は天命を診る 莉国後宮女医伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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