あれよ星屑 4 (ビームコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA/エンターブレイン
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本棚登録 : 184
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (178ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047308367

作品紹介・あらすじ

凄惨な空襲を生き延びていた家族と、偶然再会した川島。出征前、川島はどのように生きていたのか。また、銃後の人々が体験した「戦争」とは、何だったのか……。

感想・レビュー・書評

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  • 人間関係が複雑になり、ますます面白くなってきた。

  • 常々この作品をツイッターで推していた瑛太が帯にコメントを寄せている。まったくだ!某巨人の映画みたいにされたらたまらないよ〜。川島の義姉と実父が登場。なんなのこのオヤジ〜!!!と血圧上がりました。お義姉さんはかわいそうだ…しかし真意が読み取れないふしぎな人でもある。昔の女性の忍耐強さってなんなんだろう。戦後の混乱期とはいえ現代の我々が3回死んでも解放されないくらいのストレスフルな環境だよ!門松ちゃんは本当癒されキャラ。あんなに熊みたいな粗暴な奴なのに憎めないとは。本当悔しいほど惹かれてしまう漫画だ。

  • 兄の嫁。兄の出征。暴虐な父。

  • 相変わらず面白くて唸る。昔の映画を観ているみたいで贅沢な読後感。「あれよ星屑」を読んでいて感じるのはいつも、優しさと愛しさと、やり場のない怒り。そして門松や逞しく朗らかな女性達になぐさめられる。早く続きが読みたい!

  • 焼け野原の戦後を生きる人々を描くコミックの4巻目。戦地で生死を共にした、元班長・川島と巨漢の門松を軸に、人々の「戦時」と「戦後」が交差する。

    川島が家族を探さなかった大きな理由は、父との確執だった。義姉との偶然の再会は、出征までの長きに渡る父との相克の記憶も呼び覚ます。

    武門の家を守ろうとする頑迷な父は、古い体制の象徴であるかのよう。
    映画を愛する文学青年だった川島。せめて弟の夢を守ろうと、兄は自らが軍人となる引き替えに川島を大学に行かせるよう、父を説き伏せていた。だがその兄は、新婚の姉とゆっくり過ごす時間も持たぬまま、儚く戦死する。
    父と川島の「家」に縛り付けられる義姉を気にしつつも、川島も出征することになる。

    義姉との再会は、当然、父との再会ももたらした。川島は不快な事実を知る。
    気晴らしにと門松に連れられてショーを見に出かける。あっけらかんと明るいカンナのパフォーマンスに度肝を抜かれる2人。警察の手入れでしょっ引かれた脚本家の代わりに、どうやら川島がホンを書くことになりそうな気配である。
    劇団関係者や芸人のしたたかさが、「何があっても、とにかく生きていくのだ」という雑草的生命力を感じさせる。

    既刊はここまで。前3巻に比べ、明るさを感じさせる幕切れである。何やら完結までにはだいぶ掛かりそうな雰囲気になってきたが、もう少し、追う予定。
    彼らが出会った真の「闇」も本当の「光」も、描き出されるのはまだ少し先のことになりそうだ。


    *帯に「東京焼け跡ブロマンス」とありまして、「はて、『ブロマンス』とは何だろうか・・・?」と思ったら、「2人もしくはそれ以上の人数の男性同士の近しい関係」(Wikipedia)を指すんだそうで。brotherとromanceの合成語ですが、原則はプラトニックなもののようですね。酒を飲むとか釣りなど共通の趣味を楽しむとか、そういうことです。「指輪物語」のフロドとサムもこの範疇に入るようなので、「バディもの」なんかはだいたいそうだと言っていいんでしょうかね。
    著者の山田参助という人は元々はゲイ雑誌などに描いていた人だそうですが、風俗嬢に取材した作品などもあるようです。何というか、身体的にも精神的にも、人の「裸」に迫っていく勢いを感じます。
    作品によってコミカルなタッチやかわいらしい絵柄もあるようですが、真骨頂はアクの強い男性の絵とのこと。本作の中でも、場面によって画風が変わる箇所があります。引き出しが多い+技術が高い人なんだろうなと思います。

  • 借り本:2016/01/22

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著者プロフィール

漫画家。『あれよ星屑』(KADOKAWA/エンターブレイ ン)が2019年に手塚治虫文化賞新生賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。その他『ニッポン夜枕ばなし』(リイド社)など。

「2021年 『戦前尖端語辞典』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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