田中角栄に今の日本を任せたい 角川SSC新書 (角川SSC新書 139)

著者 :
  • 角川マガジンズ(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (255ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047315624

作品紹介・あらすじ

震災復興、原発事故処理、円高・景気対策など、民主党政権はトップをすげ替えても右往左往している。「もし、田中角栄が今いたら…」という思いを多くの人が持つ中、田中角栄著『日本列島改造論』の制作に関わった元官僚をはじめ、角栄の"脳みそ"をよく知る政治家や評論家らに取材。生の証言をもとに「いま、角栄がいたら、強いリーダーシップで日本の難題をどう解決したのか」をまとめた。この「新・日本列島改造論」にこそ、日本を再生する大きなヒントが隠されている。

感想・レビュー・書評

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  • 田中角栄の政策論「日本列島改造論」が100万部のベストセラーになったのが約45年前。その政策論は色褪せするどころか日本の再生のヒントがあると著者は睨み、現政治家や当時の政策立案に深く関わったブレーンに切り込む。

    田中角栄論の多くはその人間性や辣腕振りに終始する。所謂「コンピュータ付きブルドーザー」の所以を豊富なエピソードを交えて、ぞの人物像を説く。本書はあくまでも改造論に書かれた政策に着目。その慧眼ぶりを認める一方で、実現に至らなかった考察も加える。実際、この本には開発の重点エリアとして具体的地名まで記載したため、各地で土地の買占めが起こり、地価の高騰を招きインフレへと発展したという陰の部分もある。

    惜しむらくは各章の締めくくりが、「田中角栄が生きてたなら今のような状況には陥らず、難局を乗り切っていたに違いない」という、一文が必ず付記され大いに鼻白む。昨今の政治家は総じて小粒となり、首相においても一年で政権を投げ出す脆弱な日本政治状況ではあるが、はたして田中角栄を救世主扱いするのはどうか。高度成長期の終盤とはいえ、サラリーマンは毎年昇給が約束されていた好景気時代のイケイケな状況での首相と混迷期の首相を、単純な比較論で語るのはあまりにも浅はかである。スーパースター待望論を謳うのは居酒屋談議でしかない。

  • 実際に田中角栄が総理大臣だった時代を経験したわけではないのですが、最後まで面白く読めた。

    ただ、結構無理矢理つなげているような感じは否めないかなと。

    田中角栄のついて詳しいことは知らなかったので、
    かつて田中角栄に近かった方々が証言しているということもあり、
    イメージはつかめた。

  • 本当に田中角栄のような政治家がまた出てきてもらいたいものだ。
    官僚操縦が上手な田中さんは最高だろうな。官僚なんて目的がしっかりしたら、徹底的に進むからね。政治主導ってのはそういうことだと思う。
    管直人なんかと比べたら失礼すぎるくらい器が違いすぎる。
    まわりにいた政治家もプロ中のプロで、今の民主党とは大違い。

  • 最初はよかったが、途中から無理やり結びつけてる感満載。結構厚い本なので、後ろの1/3は辛かった。

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著者プロフィール

1944 年6月7日、広島県に生まれる。1968 年3月、広島大学文学部仏文科卒業。1970 年、『週刊文春』の記者となる。記者時代『小説電通』(徳間文庫)を発表し、作家としてデビュー。さらに月刊『文藝春秋』に発表した『三越の女帝・竹久みちの野望と金脈』が反響を呼び、岡田社長退陣のきっかけとなった。1983 年、週刊文春を離れ、作家として政財官界から経済、芸能、犯罪まで幅広いジャンルで創作活動をつづけている。
著書は、「十三人のユダ 三越・男たちの野望と崩壊」「美空ひばり・時代を歌う」(以上、新潮社)、「闘争! 角栄学校」(講談社)、「トップ屋魂 首輪のない猟犬」(イースト・プレス)など400 冊以上にのぼる。
近著に、「田中角栄秘録」「官房長官秘録」「小泉純一郎・進次郎秘録」「清和会秘録」(イースト・プレス)、「映画女優 吉永小百合」(朝日新聞出版)など。

「2016年 『田中角栄の酒 「喜びの酒」「悲しみの酒」「怒りの酒」』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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