本当に残酷な中国史大著「資治通鑑」を読み解く (角川SSC新書)

著者 :
  • KADOKAWA/角川マガジンズ
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047316430

作品紹介・あらすじ

坂本龍馬、西郷隆盛、水戸光圀、毛沢東が愛読した幻の歴史書『資治通鑑』から、中国人の倫理観・歴史観を表す残酷な話と超贅沢な話を紹介。資治通鑑を読まずして中国は語れない!中国人を理解することはできない!

感想・レビュー・書評

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  • 中国に対するシンパシーと中国人に対する考え方とは区別しないといけないということがよくわかる。

  • ほんの一端ではあるが、資治通鑑の内容を知れる本。
    資治通鑑とは、中国の歴史書の中でもピカ一とされている書で、千年以上の歴史のケースが納められている。
    中国の歴史、価値観のルーツを知りたいのなら必読の書であると思います。
    人間関係のトラブルに強くなりたいのなら読むべきです。
    何故なら、彼らのしぶとさを知る事が出来るからです。
    日本で言えば徳川家康や源頼朝がそうですが、人生の最後の勝利者は得てしてしぶといです。
    今の日本人、特に虐げられている弱者は、そのしぶとさや老獪さを見習うべきです。

  • 主に資治通鑑を読み解くことで中国史を見る本。
    残酷さのスケールの大きさに圧倒される。
    だますことが悪なのではなく、だまされる方が愚かだという風潮は現代に通ずるところがあるのはわかる。
    けれど、どこまで歴史が現代の精神のあり方につながっているかは首をかしげる。
    例えば織田信長の例をだされて、現代日本の精神性について語られても、首をかしげる人は多いだろう。
    資治通鑑は約1,000年も前に編集されたもので、織田信長より前の時代の話だ。
    けれど、例えば戦争を回避する方法について歴史から学ぶのは大切であるし、やはり現代に通ずる部分も否定できず……本書にも書いてあることだが、同じようなことをやって、無罪放免になったり死罪になったりと結果が大きく異なる例は多い。歴史に学び、未来に活かすことの難しさ。
    一方で、やはり歴史を学ぶことをやめてはいけないとも思う。

  • 東2法経図・6F開架:222.01A/A93h//K

  • ・一説によると、中国人は「本当だと証明されない限り信じない」というが、日本人は「ウソだと証明されない限り信じる」と考えるそうだ
    ・中国人は、他人の命よりも自分の面子が大切

  • 「中国人は日本人と比べて、善悪のレンジが極めて広い」という表現が秀逸。それを証明する故事が満載。
    とても素人では通読できない資治通鑑をこのようにピックアップしながら解説してくれるのは大変有り難い。
    本書でも「China2049」でも警告された通り、中国共産党やある程度教養のある中国人は今でもこれら古典を基にしたものの考え方をする。好き嫌いに関わらず、このような基本的思考方法を把握しておかなければならない。

  • 紀元前500年から1500年間の中国の歴史を描いた『資治通鑑』(司馬光・編)は、1万ページ、全294巻にも及ぶ空前絶後の大作である。かつて坂本龍馬や西郷隆盛、そして毛沢東らが愛読した“幻の歴史書"を、現代語訳を交えて解説する。

    序章 資治通鑑とはどういう本か?
    第1章 残酷を極める中国人
    第2章 中国人のド派手な贅沢・桁はずれの蓄財
    第3章 陰険な中国人の策略

  • 著者曰く、「中国人は善悪のレンジが非常に広い」とのことですが、この本では、日本人としての感覚では「悪」の部分がたくさん取り上げられています。

    が、善悪はあくまでも相対的であったり、時代や土地によって左右されたりするもの。
    そういう目で見た方が、中国人の本質が見えてくるように思いました。

    確かに行為そのものだけを見れば「残酷」な事象がたくさん取り上げられていますが、そこに至る過程は、完全に同意ではないものの、納得できる部分が多々あるように思います。
    そういう意味では、人間は、多少の時代の違いや土地の違いでは、変わらないのかもしれません。

  • いや、これはめっちゃ面白い。序章は読まなくて良いという方もおられたが、僕は序章が何より役に立った。今後古典を読み進める上で、ITの専門家がどのような工夫をしたのかが大変参考になった。自分も同じ畑で、同じようなことを考えていたので、すでにそれをやってる人がいたとは、やはり世の中は広い。参考になります。

  • 中国の歴史書である資治通鑑から、彼の国における苛烈な歴史と人々の行動が日本の常識とは大きく異なることを説いている。
    資治通鑑が1万ページもあり、全てを現代日本語に訳されたものが存在しないことから知名度は低く中国通の人にも知られていない。
    本書の取り上げ方は女性週刊誌的であり人肉食など感情的になりやすいものも多い。しかし、それは歴史書に書かれている内容の転載でしかない。
    同じ人間だから分かり合えるとの思いは読了後に霧散しているだろう。
    苛酷な環境は生き残るための知恵を生み出し、現代にも継承されている。今の日本ではこの現実を直視することさえ難しい。

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著者プロフィール

1955年、大阪府生まれ。リベラルアーツ研究家、博士(工学)。京都大学工学部卒業、同大学大学院工学研究科修了、徳島大学工学研究科後期博士課程修了。1977年、京都大学大学院在学中、サンケイスカラシップ奨学生としてドイツ・ミュンヘン工科大学に留学。20歳の時の学友との会話とドイツ留学中のカルチャーショックの経験からライフワークとしてリベラルアーツに邁進することを決意。1980年、住友重機械工業入社。在職中、アメリカ・カーネギーメロン大学工学研究科に留学。帰国後、ソフトウェア開発に従事したあと、社内ベンチャーを起こし、データマイニング事業を成功させる。2005年から2008年までカーネギーメロン大学日本校においてプログラミングディレクター兼教授として教育に従事。2008年から2012年まで京都大学産官学連携本部の准教授を務める。在任中に「国際人のグローバル・リテラシー」や海外からの留学生に対して「日本の情報文化と社会」「日本の工芸技術と社会」など日英の両言語でリベラルアーツの授業を展開。2012年にリベラルアーツ研究家として独立し、リベラルアーツに関する講演や企業研修を行う。

「2022年 『中国四千年の策略大全』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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