ふしぎの国のバード 2巻 (ビームコミックス)

著者 :
  • KADOKAWA/エンターブレイン
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感想 : 34
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784047341333

作品紹介・あらすじ

横浜から蝦夷へーー日本古来の生活を記録するために、北へ北へと旅するイザベラ・バード。
日光を抜けた先に待ち構えていたのは、日本人すら正しい地図を持たない悪路・会津道。
険しい道の途中で、彼女が出会ったのは、今まで誰も記録した事のなかった、食文化、生活習慣、土着信仰だった。
実在の英国人冒険家、イザベラ・バードと往く日本旅行譚。大好評、第2弾!!

感想・レビュー・書評

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  • 第2巻、予約してすぐに借りられた。
    明治初期の日本。当時の日本人さえ使わない会津道という日光から新潟に通じる道を旅するイザベラ・バード。
    あまりにも貧しい村々を通り、バードどころか通訳の伊藤も驚きを隠せない。

    江戸時代、日本人と江戸の町の清潔さに外国人も驚いた、という話を聞いたことがあるが、それはあくまで江戸の中心でのこと。重税に苦しむ貧しい田舎の農民は、女も上半身裸は当たり前、子どもは裸、衛星環境は最悪だったことがよく分かる。そういった記録をつぶさにとっていたのが日本人ではなく、イギリス人女性(マンガでは若く描かれているが、実際は今の私と変わらないアラフィフ)だから驚きはいや増す。
    当時の日本の貧しさを、絵で見ると本当に衝撃的だ。
    現代の厳しい環境に置かれているアフリカやアジアの貧しい国々と変わらない。
    バブル期前後だろうか、秘境探検本…グレートジャーニーなど…がわりと出ていた時期があったが、150年前は日本もまた秘境であったのだ。2019.9.6

  • イザベラ・バードは、江戸から新潟、そして青森、蝦夷地への旅を計画している
    日本人でさえあまり通らない会津道を行きたいと考えているが…。

    ・シティボーイの伊藤くんにとっても試練の旅となる

    〇ダーウィン先生からイザベラにお手紙!

  •  二巻では日光を経由して、当時の日ノ本においても知られていなかった会津道へと突き進むバードと伊藤の姿が描かれている。
     都会育ちの伊藤にとってもこの道中は未知の体験が連続しており、それだけに田舎の習俗に対する蔑視のようなものも垣間見えている。その蒙を啓くかのようなバード女史の文化への触れ方と良い対比になっているだろう。
     旅路の行程は今回詳らかにされているのだが、まだまだ序盤である。そんな中でも困難に遭い、立ち向かいながら進む二人の姿は大変快いものであった。

     質の高い作品である。惜しみなく星五つを贈りたい。

  • ついに日光までたどりつき
    いよいよ奥地へと進むバードさん。
    すでに外国人が何人も通っている
    ルートがいくつかできてるのに
    冒険家はそれでは満足しないのだ!
    苦労するねぇ、伊藤(笑)

    前巻にもましてバードさんの
    チャーミングな素顔がいいです。
    混浴にびっくりしつつ
    夜にまぎれてチャレンジしたり
    (結局バレたけど〜)
    でも、お守りの中は開けないでね(^_−)−☆

  • 外国人が知らない未知の国・日本
    冒険家イザベラ・バードが見た国とは…

    日光・二荒山温泉・会津道編

    湯治場の話と薬の話好きだ~!

    3巻へ続く!

  • この作品のすごいところは、
    日本の良い部分ばかりを取り上げた漫画ではないこと。
    手放しで日本礼賛という作品が多い中、これは逆に好印象でした。

    街から遠ざかるにつれて、
    劣悪な環境で生きる村人達の姿を目にすることになるバードたち。
    イトが、どこか自国民達のことを卑下しているように感じるのは、何か理由があるんだろうか…。

    それにしても現代の日本は何と恵まれた環境なんだろう!
    この時代の衛生環境を考えると、とても生きていける自信はない(汗)

  • 今回の巻からいよいよ本格的になりました。

    バードさんは道として整っている奥州街道や三国街道ではなく会津街道というまさに未知な悪路を歩くことになります。
    極東まで来るほどの好奇心旺盛なんですからそれくらいでないと!

    でもまさに道無き道で悪路。
    宿のない村にも泊まらなくちゃいけないし虫もいっぱいいるし前途多難。
    その中でも近代化していく日本においていかれたような汚れていることが当然のような人達もいて私もショックでした。
    また伊藤とも絆が深まり安心しました。

    平気と言ったら変だけれど普通に真っ裸で男女混浴していたらそりゃ外国人にとってはカルチャーショックだろうなぁ〜(笑)

    この時代を生きていない私にとってバードさんの側になって読めて面白かったです。
    次も気になる。

  • 思っていた以上に早く、(2)が世に出てくれて嬉しい。きっと、私より熱いエールをハルタ編集部に送ったファンがいたんだろう。やっぱ、ホントに面白い作品は、ちゃんと認められるように出来てるんだな
    佐々先生が連載の中で、着実に地力を伸ばしてきているからか、確実に(1)より質が上がっている
    先生の漫画家としての成長が分かるな、と個人的に感じた点は、バードと伊藤の衝突だ。通訳かつガイドとして同行している伊藤が、雇い主の身を案じて、なるべく安全かつ堅実な行路を選択すべき、と進言するのは当たり前。だが、バードも我が強い。彼が自分の身を案じてくれるのを承知した上で、より多く、日本の文化に触れられる道を進んで、目的地である蝦夷に行きたいって意見を押し通そうとする、と言うか、押し通してしまう
    別段、小池百合子都知事や、ヒラリー・クリントンさんの活躍に絡める気はないのだけど、やっぱ、いつの時代でも、夢に活きる女性ってのはパワフルだ
    そんなバードさんに振り回されつつ、さりげなく的確なフォローを入れている伊藤だが、案外、彼にも子供っぽいトコがあるんだな、と思ったシーンも多い、この(2)は
    まだまだ、完全な信頼関係が築かれていないからこそ、相性がイイな、と感じさせる二人だ。まだまだ、凸と凹がぴったり合わない二人だが、過酷な旅路の中で、それぞれ、自分に足りない箇所を思い知り、相手の良さを知っていく事で、更に絆が強まっていく事に期待している
    そんな二人の個性の強さが生む軋轢と歩み寄りも、この『ふしぎの国のバード』の魅力を構築する一つだが、当時の民衆の暮らしぶりが、ボカされずに描かれている点にも、読み手は胸を掴まれるだろう
    この日本にも、こんな時代があったのか、と吃驚を通り越して、絶句させられる。取材や資料調査に手を抜いていたら、ここまでのリアリティを絵、いや、線に籠められないだろう
    比較対象がないから、自分の置かれている環境が、外から来た人間が見ると劣悪なモノと判らないってのもあるにしろ、当時の人らが多くを望まず、自分の生きる場所で懸命に毎日を蔑ろにしていないトコには、実に揺さぶられた
    どの回も日本人としてお勧めだが、最も、『ふしぎの国のバード』らしい回だな、と感じたのは、第9話「会津道②」だった。良さを長々と語りたいのをグッと堪え、要点だけ纏めると、人種や年齢が異なろうが、信念ある善意からの行動は相手に確と伝わり、偽りなき友情が成立する、ってコトだ
    この台詞を引用に選んだのは、バードさんの強さがハッキリと出ているからだ。先に、女性は強い、と書いたが、彼女の場合、異国人としての強いし、何より、人間としての器が深く、大きいのだろう。好奇心ってのは、時に自らを害すが、なまじ抑制するよりかは、思い切って、それに背中を押されるままに突っ走った方が吉と出る事もある? また、この時、バードさんは湯上りで、いつもより艶っぽかったのだが、伊藤が照れてしまったのは、多分、それだけじゃないだろう。でも、何と言うのか、この二人は恋人にはならず、相棒でいて欲しいな、ずっと

  • 旅を続ける中で、お互いのいいところを見つけ認め合い…いいバディになっているなあと。こういう展開、正直好きです。続きが楽しみ。

  • 内陸に入ってきて、またなかなかの状況に。
    昔はそれが当たり前で本当だったのだろうけど、
    個人的な問題で、見るのがやや辛かった。
    それも含めて直視するのがバードさんなんだろうけども。
    進むのが怖いような楽しみなような。

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