幼女戦記 7 Ut sementem feceris, ita metes
- KADOKAWA (2016年12月28日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047344075
作品紹介・あらすじ
東部戦線の不毛な泥濘の上とて砲火は途絶えぬ。
第二〇三魔導大隊を中核とするサラマンダー戦闘団もまた、
その狂騒に投げ込まれた歯車の一つ。
よかれ、悪しかれ、蒔いた種は刈り取らねばならない。
戦争当事者ならば、誰が祈らずにはおれようか。
せめて、豊かな勝利の恵みがあれかし、と。
故に誰もが努力し、工夫も惜しまない。
だから、誰もが、蒔いた種の刈り入れを願う。
どこに蒔いたのかも自覚せず、ただ『勝利』を、と。
感想・レビュー・書評
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戦争をやめるのって難しいんだなぁ
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2022/07/24-08/01
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異世界ミリタリー小説 第7巻
連邦の大攻勢を鉄槌作戦にて大逆転に成功した帝国軍
停戦・講和に持ち込めるはずがまさかの躓き
恐ろしいのは外圧よりも世論や懐具合の内圧でしたとさ -
純粋に戦術レベルを細かく描写していたこれまでの戦記物の枠を徐々に外れて、政治に介入しはじめそうな気配。劣勢にもかかわらず、世論に押されて戦争を止められない政府と、一刻も早く「損切り」という名の和睦をしたい軍部との衝突。歴史上ありがちなテーマだが、しっかりと描かれることが少ないので、とても楽しみである。
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帝国は連邦相手に勝利を収めた。東西南北で負けなしの帝国は、次も勝てると確実に思ってしまって、終わらせられる戦争を続ける選択をとってしまう。国を存続させる金を得るためなのだが、この決断はあまり良くない場所に向かっているだろう。戦争ばかりして好かれはしないし、帝国一強を周辺国は許さず、団結してくる。軍も、その下の兵士も最良の働きをして賭けに勝った。その勝利に酔い、欲張った政治家達に潰されて帝国は自壊していきそうだ。
ドレイクの下では相変わらずメアリーがわがままをしているが、ドレイクが育てて良くなるのかな。死を犠牲にレベルアップをしそうな予感。
次巻からは今までの話し合いを白紙に戻してやり直すのだから本部が大変そうだ。もっとグチャグチャになって、どうしようもない話を見たいですな。 -
ライヒの民衆に声に押される形で地獄絵の戦争に突き進まざるを得ない状況を描いた。戦争は目の前の敵にただ勝てばいいというものではないということをまざまざと見せつけられる。
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第一次二次大戦時のヨーロッパ的異世界へ「幼女」として転生させられちまった元エリートビジネスマンの物語、その第7弾。
ドアノッカー再び、ですね。久々にサラマンダー戦闘団の無双+ターニャのラッキー発動があってスカっとしました。ですが……。
近代戦争における「講和」という終わらせ方は非常にハードルが高いのだなと改めて理解しました。戦争に勝つことのできる盛況な軍隊があっても、戦争を終わらせる有能な政治家がいないのが、旧独国を彷彿とさせますねぇ。鉄血宰相ビスマルクがいればと夢想したくなります。