- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784047354968
作品紹介・あらすじ
戦争を続ける愚かさは、誰の目にも明らかである。
講和派としてレルゲンがイルドアに飛び懸命の外交折衝を行うも
失敗した場合の予備計画を巡りルーデルドルフ大将が暗躍。
これ異を唱えた盟友・ゼートゥーア大将は必要の女神に奉仕する。
『障害物は排除されねばならない』と。
義務。
必要。
友情。
何が正しかったのかすら、見えなくなる総力戦。
昨日迄の正義は、今日の不正義。
それでもすべては祖国の未来のために。
感想・レビュー・書評
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面白い!
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ルーデルドルフ大将戦死!
イルドア王国への侵攻で帝国は世界すべてを敵にした。
さぁどのような幕引きを帝国は望むのか?
カルロ・ゼン節堪能の一冊でした。 -
ここにきて大ブレイクのゼートゥーア閣下。四面楚歌の劣勢において生まれた戦時の怪物。レルゲンやターニャも戦時のバケモノだが、閣下には及ばない。本作品は異世界転生ファンタジーではあるが、戦記物として極めて秀逸だと思う。
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行き詰まりまくりの帝国が追い詰められてからの、
イルドア戦線の始まり、ゼートゥーア閣下の本領発揮。
幼女以外の視点が多めで、それぞれの心情がいっぱい出てきて、さらに面白くなってきた。
WEBではこの辺がなかったから本と言う媒体になって本当に良かった。 -
1927年9月10日
ルーデルドルフによる予備計画=軍部クーデターによる政治権力の一元化&イルドア侵攻。
ゼートゥーアとの意見対立により、ルーデルドルフ暗殺をターニャに命じる。
1927年10月2日
暗殺計画は、連合王国の介入によりルーデルドルフの事故死に終わる。
ゼートゥーア大将は、作戦と戦務を兼ねて参謀本部へと返り咲くと、より良き敗北のための「予備計画」を発動、限界点を超えてしまったイルドア侵攻計画をすすめる。
レルゲン大佐は、極秘のイルドア外交が不首尾に終わった後、攻撃直前にカランドロ大佐に意味深な電話を入れることで、戦後交渉のパイプを残す。
1927年11月10日
サラマンダー戦闘団および203大隊、レルゲン率いる機甲師団は東部仕込みの戦場感覚で突破力重視の進軍を行う。
1927年11月16日
V-1による戦艦隊撃破。
11巻 Alea iacta est 賽は投げられた
10巻 Viribus Unitis 力を合わせて
09巻 Omnes una manet nox すべての人々をたった一つの夜が待ち受ける=死 -
偉大な将軍の逃れえない死、致命的なすれ違いの外交、そして同盟国への攻勢。
いよいよ物語は終盤へ向かって行くが、読者の私は盛り上がるかと言うとそんなことはなかった。
第一に、主人公が自分の置かれた状況から逃れることばかり考えており、もはや物語の中心ではなくなっている。
第二に、この巻で起こる事件は明らかに第二次大戦中の事件をモチーフにしているのだが、あまりにそのままで捻りがない。例えるなら、スープを注文したはずが、野菜とレシピが乗った皿だけを客に出されたような。作者が手を抜いているとしか思えない。
第三に、主人公が悲壮な決意を固めたある人物に対して、その朋友を最も効果的な殺害を献策しておきながら、自分は「平和主義者」「常識人」と弁明を続け部下のキャリアを尊重する素振りを見せる白々しさ。サラリーマンのセンスを通り越した詭弁を見ているようだ。
前巻までの「予備計画」をめぐる軍高官の暗闘の方が、よほど読みごたえがあったと思うのは自分だけだろうか。