梁山伯と祝英台

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 84
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (166ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048523745

感想・レビュー・書評

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  • この本に収録されている「修善寺物語」が最高。岡本綺堂原作。芥川龍之介の『地獄変』と同じく、芸を極める者の業の深さを描いていますが、こちらはまったく救いがなく、読後も虚しさと悲しみが残ります。

    伊豆に住まう面作師・夜叉王と彼が打った源頼家の面にまつわる物語。皇版「修善寺物語」がすごいのは、綺堂の脚本に夜叉王の娘・桂と頼家の悲恋をアレンジした点。頼家本人ではなく将軍家の名声に焦がれる桂と、桂に亡き女「若狭」の面影を求める頼家の交わることのない思い。ラストでは史実通りに頼家は討たれることになりますが、追っ手を欺くため頼家に扮し、満身創痍で逃れてきた桂には、名声でも富でもなく確かに頼家への思いが育っていたことを感じさせます。そしてその桂に向かって父・夜叉王が言い放つ言葉。個人的には『地獄変』よりもはるかに衝撃を受けました。

  • 中国、杭州などを舞台とした作品です。

  • せつない。

  • とっても良かったです。
    やっぱり表題作は他2作に比べてピカイチでした。
    嗚呼でも途中までとっても良かったのにハッピーエンドにはならないのね・・・(;_;)
    そういう話なんだからしょうが無いんだけど。
    修善寺物語も皮肉めいてて面白かったです。
    何よりも高貴な相手との結婚を夢見ていた娘が、夢を叶えたかと思うと、実際は自分の思い描いていたような生活はなく、また源頼道なんて相手を選んでしまったがために、悲運な最期を遂げることに。
    しかしながら、彼の傍にいることで、逆に彼女は本来の人間らしい感情を得たようで、身代わりとなった彼女は生き生きとしていて、可哀想だとは思いませんでした。
    この話が何を訴えたいか、言葉にはなりませんが、読めば分かります。

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著者プロフィール

1990年デビューの漫画家。京都在住。近刊『山に住む神』(あすかコミックスDX)

「2021年 『お江戸ふしぎ噺 あやし』 で使われていた紹介文から引用しています。」

皇なつきの作品

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