初恋ロスタイム (メディアワークス文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年1月23日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048656894
作品紹介・あらすじ
僕の青春は人より少しだけ長い。
「時間」が止まる世界で彼女に出会ったから。
僕の「青春」は、人よりも少しだけ長いらしい。ある日、僕以外の時間が止まったのだ。
それは平凡な高校生活を送る相葉孝司に唐突に訪れた特別すぎる青春だった――。
午後1時35分、毎日決まった時刻に訪れる1日1時間だけの奇妙なロスタイム。そんな中で、僕は僕と同じ景色を見る彼女に恋をした。
琥珀色の瞳で、まるで停止世界が当たり前だと言わんばかりの不思議な魅力を持つ少女・篠宮時音。彼女には“僕だけ”が気付けない、とても大きな秘密があるようで……。
不思議なロスタイムが少年と少女を結ぶ、ほんのり甘く切ない恋愛ストーリー。
感想・レビュー・書評
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駄作。
停止した時間の中で男女が出会うというのはロマンチックだが、そのアイデアをまったく活かせておらず、もったいない。
基本的に読みやすい文ではあるが、時折普通使わないような表現が出てきてつっかかってしまう。
SFの設定も中途半端。
もっと深く考証するか、そうでなければ「よくわからないけど不思議」という程度で抑えておけば逆に受け入れやすいのに。
知識にしろ設定にしろ、中途半端にひけらかすほどかっこ悪いものはない。
その上主人公の男が気持ち悪い。
男子校で出会いがないからといって、停止した時間の中で共学校に忍び込むとか、着替えがどうとか、体操着がどうとか、女の子に「ちょっかいをかける」という表現とか。
ただの変態痴漢野郎。
引くぐらい気持ち悪い。
そして、不自然なことばかり。
・停止した時間の中で唐突に始まる自分語り
・1時間で動物園をぐるっと周り、食事まで済ませてしまう。
さらに動物園をもう一周しようとする。
・トラックが幼稚園児の列に突っ込むまで9秒
突っ込むまで9秒ということは、9秒より前にハンドルを切らせる必要があるわけだ。
その間に携帯を取り出して電話・・・・・・?
不可能すぎる。
・終盤の熱い説得シーンで名言の引用
「わかりませんか!ハイデガーも言ってますよ!」
笑うしかない。
しかも主人公ほぼ無関係だし。
・制服の描写
濃紺色のブレザーと、明るいブルーのストライプのスカートと記述があるが、表紙・扉絵を見ると茶色いブレザーに黒いスカートになっている。
メディアワークス文庫だし、イラスト大事じゃないのか。
著者だけが悪いのではないかもしれないが、作品としてはやはりひどいと思う。
・主人公が選ばれた理由
もう少しロマンチックにできなかったか・・・・・・。
ラストも既存作品の劣化版。
いいアイデアからスタートして、どうしてこのラストになってしまうのか。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公で男子校の高校に通う相葉孝司は、ある日突然に、毎日午後1時35分になると時間停止現象(ロスタイム)という不思議な現象に巻き込まれるようになります。1時間、自分以外の時間が停止してしまいます。そんな中、同じようにロスタイムに時間が止まらない琥珀色の瞳を持つ女子高生の篠宮時音に出会います。二人はロスタイムを一緒に過ごすようになります。自分を語らない時音には、悲しい秘密がありました。ロスタイムだけに訪れる二人の青春物語です。ロスタイムの難しい説明は、さっぱりわかりません。このお話の主人公たちは頭がとても良いようです。
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『初恋ロスタイム』映画化決定!
主演に板垣瑞生さん板垣瑞生さん(M!LK)映画初主演!
吉柳咲良さん、竹内涼真さんが共演!9月公開予定! -
「静止した街の中で」
毎日訪れるロスタイム。
偶然見かけた事に素早く対応出来るのは凄いな。
自分だったら彼女と同じく動揺して終わってしまいそうだ。
それにしても、何故あの二人だけが動けるのだろう。
「時間泥棒に気をつけて」
止まった時間にデートを。
時間の止まった動物園というのは面白そうだな。
ただ命の保証があるからこそ、出来る事なんだろうな。
彼女の隠し事も気になるが、この現象の終わりも気になるな…。
「僕と彼女の特異点」
彼女の隠していた真実は。
なんとなく予感はしていたが、やはりそうだったのか…。
時間が止まっているからこそ自分のやりたい事を自由にやっていたのだな…。
時間が止まる原因は彼女だけでは無さそうだが、彼は一体何に気づいたのだろう…。
「時の鼓動が聞こえる」
ロスタイムに伝えたかった事。
24時間じゃ足りないからこそ与えられたロスタイムなんだもんな。
周りの世界から切り離されてるからこそ、考えれる事もあるしな…。
「ロスタイム」
止まった時に住む彼女を迎えに。
彼はあの場所に迎えに行くためにかなり努力したんだろうな…。
長い時がかかってしまったかもしれないが二人は再び出会えてよかった。 -
突如時間停止現象に巻き込まれた主人公が校外に出たところ、同じ現象の中で動いている女子高生に出会って……から始まるストーリー。面白かった。
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読み終えた直後につけたテレビの午後ローが「地球が静止する日」ってオイ。
「時間が止まる」という誰もが一度は夢見るであろう現象を題材に、女の子と二人だけの世界を描くっていう内容はとてもワクワクする。ただ、設定上仕方がないとはいえ、主人公の基本後ろ向きな思考回路が肌に合わなかった……そいつが時間停止現象の仕組みや原因を理系チックに語るもんだから文系のワシは苦手意識が膨らんでしまってな……膝に矢をうけてしまってな……。
ガッツリしたSFものならともかく、高校生の男女が甘酸っぱく交流を深めていく雰囲気がメインの作品だから、ここまで詳細な説明をしなくてもいいんじゃないかなって思ったけど、それは好みの問題なのかな。気持ちは分かります。その辺をしっかり定義しておかないと気持ち悪さが残るのはあるし、「なんかよく分かんないけど時間が止まってるぞ!」ってことをご都合主義になりすぎず、それでいてくどくならないように表現するのは相当難しいことだしね!
星は3つになっちゃってるけど個人的には3.5くらいの印象です。塩麹使った唐揚げを僕にも食べさせてください。 -
最初から最後まで楽しんで読めました。
純情で一生懸命な主人公がとにかく可愛い!
そしてヒロインとのやりとりが初々しくて、まさに青春って感じで。
中盤には驚きの展開があり、そのまま飽きずに一気読み。
読後感もとても良かったです。
基本的にストレートなお話なので、人によってはありきたりと言われるかもしれませんが……。
むしろそれがいい! 私は好きです。こういう本。