ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)

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著者 : 松村涼哉
制作 : 竹岡美穂 
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年2月10日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048657624

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ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)の感想・レビュー・書評

  • 人間力テストという、コミュニケーションを評価するシステム。
    それを採用した中学校で菅原拓が悪魔と呼ばれる事になった自殺事件。
    自殺事件に発展したイジメの実態と原因を探る物語。
    菅原拓の人物像を想像するのがとても面白い小説だった。イジメの隠されていた様々な歪みに立ち向かう菅原拓に最後の最後で応援したくなった。

    読み返すときは、今度は菅原拓を最初から応援したい。

  • 自分がやったことは自分に返ってくる。そんなことを暗に語っているような気がした。
    最終的に彼は救われたし幸せになれたのなら良かったと思う。

  • 前半は、菅原拓の自己陶酔気味に辟易しながら、最近のライトノベルに出てくる登場人物ってこういう書き方をされているんだなあと思った。まさに厨二病。
    竹岡美穂さんのイラスト目当てで手に取ったので、文学少女のイメージで読むとともかく菅原拓にイライラして仕方ない。
    表紙の男の子の絵が好きなのに、正体はこんな酷いキャラなんて。あと琴海も同じく自己弁護ばかりなのでイライラ。
    大人になった今読むと、感情移入もできずにただただ苛立つ。前半は読んでいるときにともかく苦痛しか感じない。
    「サツガイ」、そして黒いページが始まるところから面白くなってくる。
    読めばわかるが、明らかにそこからこの物語は前半と後半に分かれている。見事に騙された。
    読み終えて、久しぶりに読んで良かったと思えた。もちろん、粗はある。オチも若干強引だ。けれども、やはり読んで良かった。
    あまり多くは語らないが、イジメだけではなく家族病理に興味がある人にも読んで欲しい。
    正直、前半は作者の文章力を疑ったし、これで大賞なの?と思ってしまった。「天才」「欠落」という熟語を多用するばかりで、具体的なエピソードに欠ける。もはやその言葉を記号としてしか使ってない。
    ブランコに乗りながらや部屋で一人語りする姉の描写もリアリティがなさ過ぎる。病んでるだろ。
    しかし、すべてその書き方で良かったのだと後半でわかる。
    そして菅原拓も石川琴海、岸谷昌也こそリアルな中学生だった。グループLINEの中身も完璧。

    ラスト近くの大どんでん返しは『プシュケの涙』をふと思い出した。作者は影響されているのかな。
    自殺の原因を調べるあたりもそう。
    プシュケ好きな人も読んでいいかもしれない。

  • あぁ……幸せになってしまうのか……お前も……。   
    あんな綺麗でかっこいい美人さんに抱かれて……。   




    革命は面白かった。 よくやった。 褒めてやる。  
    せいぜい美人なお姉さんとイチャイチャしてろよ。    



    あー、ガキんちょってのはクソだし、大人はもちろんクソだし、いじめってクソだわ、社会なんてクソすぎるし、あー人類滅びないかな。 

  • 何となく存在する他者評価を実際に数値化したら、そりゃ歪が出てくるわな。
    拓へタレ。昌也プライド高すぎ。
    計画どうりには行かなかったということか。
    周囲の大人が頼れなさすぎる。
    フィクションにしてもあり得ないと思って感情移入ができなかった。
    絶対的な優等生と劣等生のケンカというオチはテンプレ過ぎる気がするのだが。
    後、多少腐ってるような気がしなくもない。
    余談だが自分の学校でも年に何回か人間力テストみたいな似たようなものはある。
    でもクラスメイトの顔と名前を覚えていなから辛い。
    適当に書いてごめんね。
    さすがに数値化して公表はないが……。

  • ここまで仕組まれ、考え込まれたミステリーを読んだのは初めてだ。
    全てが予想を裏切ってきた。
    狂おしいほどに完璧な物語。
    感動してしまった。

    あと、1つ付け加えるなら、菅原は、球磨川禊の一歩手前までいき、球磨川禊にならなかったような人物だった。

  • 個人的点数 78点

    第22回電撃小説大賞、大賞受賞作
    ある学校で1人の中学生が4人の同級生をいじめ、うち一人を自殺に追いやる事件が起きた。残された遺書には「菅原拓は悪魔です。誰も彼の言うことを信じてはいけない。」と書き記されていた。なぜいじめは起こったのか、事件の真相は何なのか、菅原拓が始めた革命とはなんだったのか…

    内容はライトノベル特有のファンタジー系や超能力系ではなく、ある学校で行われたいじめが、なぜ、どのようにして起こってしまったのかを解き明かしていく物語です。

    いじめをテーマにしているので全体的に重苦しい展開が多いですが、ライトノベルらしく読みやすくてすらすらと読むことができました。

    終盤で菅原拓がいじめの真相を話していくところは個人的にどんどん謎が解けていく感じがして面白く一気に読み切っていしまいました。

    一方で一番の最後のタイトル回収する場面で少し共感できないというか、少し疑問に思ってしまった部分があったのでそこをもっと共感できたら良かっただけに残念でした。(終わりよければすべてよしとも言いますし)

    総評としておもしろかったのですが、これが大賞受賞という肩書を持ってしまうと少し物足りないと感じてしまいました。

    菅原拓にとっての幸せとはなんだったのか。
    菅原拓は幸せになれたのか。
    そもそも幸せとはなんなのか。
    いろいろと考えさせられる作品でした。

    2016.11.17   読了

  • 個人的点数 78点

    第22回電撃小説大賞、大賞受賞作
    ある学校で1人の中学生が4人の同級生をいじめ、うち一人を自殺に追いやる事件が起きた。残された遺書には「菅原拓は悪魔です。誰も彼の言うことを信じてはいけない。」と書き記されていた。なぜいじめは起こったのか、事件の真相は何なのか、菅原拓が始めた革命とはなんだったのか…

    内容はライトノベル特有のファンタジー系や超能力系ではなく、ある学校で行われたいじめが、なぜ、どのようにして起こってしまったのかを解き明かしていく物語です。

    いじめをテーマにしているので全体的に重苦しい展開が多いですが、ライトノベルらしく読みやすくてすらすらと読むことができました。

    終盤で菅原拓がいじめの真相を話していくところは個人的にどんどん謎が解けていく感じがして面白く一気に読み切っていしまいました。

    一方で一番の最後のタイトル回収する場面で少し共感できないというか、少し疑問に思ってしまった部分があったのでそこをもっと共感できたら良かっただけに残念でした。(終わりよければすべてよしとも言いますし)

    総評としておもしろかったのですが、これが大賞受賞という肩書を持ってしまうと少し物足りないと感じてしまいました。

    菅原拓にとっての幸せとはなんだったのか。
    菅原拓は幸せになれたのか。
    そもそも幸せとはなんなのか。
    いろいろと考えさせられる作品でした。

    2016.11.17   読了

  • 面白かった。作者の言いたいこともなんとなくわかるし、理解もできる。しかし、Kの自殺の真相など、物語終盤のどんでん返しがなんか腑に落ちない。伏線というか、本当にぽっと出てきたような感がある。それが没入感を妨げて、プラマイゼロという感じ。ラノベだと中学生大活躍だけど、実際はこれくらいに愚かで愚かだったよね、という話だと考えている。

  • 今までの電撃文庫のライトノベルとはかなり異なった作風のモノ。いじめや教育論がテーマなので、後味はかなり重い。主人公を含めた全ての登場人物が「人間らしい」言動を取っていて、その黒さに鳥肌が立った。
    ただ、少しストーリーに粗があり、簡単に先が予想出来てしまったのが残念。

  • タイトル通りホントに微かな願いも叶わない現実感が良かったです!

  • 衝撃の、問題の、問題作。言葉が出ない。光の入らない部屋の中で時間も分からず世界から拒絶されているみたいな感覚。間違いなく面白い。

    菅原拓は悪魔なのか。何が正義なのか。人間力テストという名前からして異様なものが、中学校という同年代の者だけを集めた施設の中で行われ、締め付けは加速し無言の圧力は増し自縄自縛でがんじがらめで希望もなく世界には絶望しかなく。救いのない世の中に現れたそれは希望なのだろうか。

    ライトノベルレーベルで出ているが、現役中学生が読んだら現実に戻ってこれないのでは。ダイブ感がすごい。

  • 面白かったが、この設定ならばもう少し活かせばもっと面白くなるのでは、と思った。この学校の他の人物の話も読んでみたい。

  • 献本で頂いた本。

    電撃文庫はファンタジーなイメージがあるので少し想像してたのと違った。
    いじめがテーマな話。
    全体的に重くて面白くはなかったけどスラスラ読めたかな。

    読んでてイメージしたのは4年ほど前にあった「大津市中2いじめ自殺事件」だけどこれはあえてかな?
    当時も全く関係のない外野が根拠の無い情報を元に大きく騒いでいた印象はあるけど、本作もそんな感じ。
    ただ、疑問に思ったとしても被害者と加害者の意見が一致してしまえば周りにはどうしようもないと思うのは自分だけかな?

    個人的に思ったのがキャラが軽いなという点。
    Kの姉が意味ありげに別れた話が出るのに特に深掘りもされず、
    協力者の「さやぽん」もソーさんこと校長もよく分からなかったなあ。
    校長がウザいという印象は物凄く持ちましたが。

    1冊はいらないけど、
    もう少しこの後どうなるのか読んでみたかったです。

  • 牽引力のある文章じゃないしずどんとくる何かはなかったけど、中高生特有の社会と心の機微いいなあーと思いました。学生時代を振り返ってみて、思春期は根暗こじらせてたからきっとその頃に読んだらもっと共感できただろうかなあという正しく中高生向け。まあ共感させる系の話じゃないからその辺はいいんだけど。
    真相と構造と展開をある程度予想できてしまったので、特に先が知りたい欲が起きず顛末を淡々と追うような読み方をしてしまったので…その辺はこう…ラノベらしい読ませる何かがあると嬉しいかなーと個人的には思うのです…

  • 電撃文庫大賞受賞作と言うことで楽しみにして読み始めた。中学校におけるいじめや自殺という重たい内容を取り扱っていたため、こちらも多少重たい気持ちにもなりつつ読んだ。しかし、帯に書かれていた刺激的な宣伝惹句にたがわず、僕一人の革命の内容が明らかになるにつれ、この本のスタートからずっと語られていたことがこのラストに向けて作り込まれていたことに気づき、そのどんでん返しぶりは結構衝撃的で面白かった。
    ただし、最後の結末に向けたシーンはありきたりで、天才少年の自殺の理由もしっくりこない。ここのラスト部分がこの小説の評価を落とした。それ以外は面白く読めた。

  • イジメと人間力テストなるものへの批判。
    文章力はそこそこあるが、ストーリー構成とかキャラ立てとか、大賞レベルの作品ではない。。。と思う。

  • クラスの人気者が、地味なクラスメイトにいじめられて自殺してしまった。

    人気者達4人が地味なクラスメイト一人に、誰にも気付かれずいじめられていた。

    自殺した岸谷昌也の姉がいじめの真相究明に動き出す。

    遺書に「菅原拓は悪魔です」と名指しされた少年は本当に悪魔なのか…

    いじめの残酷な真相と次々明らかになる周囲の全ての人物の裏の顔


    イヤミス?
    思春期ならではの残酷さと、人間関係の重さで歯止めが効かない中学生達が悲しい

  •  『2016年 2月 10日 初版 発行』版、読了。


     第22回電撃小説大賞の大賞受賞作です。

     読み応え十分な内容でした。
    現代テーマとして「自殺」「モンスターペアレント」「インターネット」そして未成年でもある中学生というコミュニティをからめた物語として、筆致もよく、文体も非常に読みやすくて没頭して読みふけりました。

     昨今でよく見かける「異世界モノ」でも「ワケあり美少女との恋愛模様」なども一切なく、ひたすら『謎』に迫りながら、人間の「表」と「裏」を描いた内容に感じました。

     本作が受賞作ということで、今後、作者がどのような物語を披露していくのか楽しみです。

     ただ、本作の続編、あるいはシリーズ化は不必要かなと。この一冊だけで十分に完成された物語だと感じました。

  • イジメ事件の首謀者で「悪魔」と呼ばれた男子中学生の視点と、その事件で自殺した被害者の姉の視点の、二つのプロットで物語が構成されています。ストーリーを進める動機はミステリーですが、事件の加害者本人の視点が入っている通り、真相は入り組んでいて、一筋縄ではいきません。

    決して明るくない話なのにどんどん読ませてしまうのは、キャラクターの濃さや世界観の独特さ、そして現実の社会の問題を感じさせるところがあるからだと思います。教室という閉鎖環境の息苦しさというか、そもそも今の若者が感じている生きづらさというものを、痛いほどに感じさせます。

    主人公の少年の、クズになりきることもできないという情けなさが、かえって物語に少し救いをもたらしているというのが何とも絶妙でした。

    次回作は、今回のと同系統のテーマで挑むか、これまでと全然違う分野を広げるか、どちらになっても読んでみたい気がします。

  • 2時間ほどで読了。
     CMで流れていたので何の気なしに手にとった。いじめで自殺した一人の少年を巡るお話。ラノベ特有の気になる表現は殆どなかったので気楽に読めた。読んでいるときにふと岐阜県可児市の事件を思い浮かべてしまって、色々考えながら読んでいた。作中では非常に気分の悪いシーンが幾つかあって胸の中で舌打ちしながら読んでいたけれど、物語の中盤で段々展開が分かってきたので、後半は答え合わせのような感じだった。
     さて、自分が学生のときにもやはりいじめはあって、自分自身が被害者になったこともあるし、誰かがターゲットになっているときに傍観を決め込んでいたこともある。いじめは色々と難しい。人間関係、成績、後ろに控えている家族のことを考えると関わり合いたくなかったし、被害者になったときは誰に言えばいいのか、助けを求めたらいいのか分からなかったのが正直なところだ。この作品はそういったいじめの嫌なところを上手に(と書くのはなんだか腹が立つけど)書かれている。
     いじめから抜け出すときのアドバイスのひとつに「逃げていいんだよ」という言葉があって、私もその言葉には強く共感しているけれど、この言葉があまり役に立たないとも思う。「だってそんなことできるわけないし、いろんな人、特に家族が許してくれないに決まってる」って思いこんでしまうから。当時の自分の境遇を思い出すと、そんな強さがあったらとっくにやってんだよ、と思ってた。だからこの作品はその点にかけてとても生々しい。がんじがらめになっていて逃げだせないのを読むのがキツい。

     去年『ソロモンの偽証』を読んだけど、あの作品はいじめを解剖した話だった。生徒たちの行動に胸を打たれたし、読んでいて涙を流すこともあった。とてもいい作品だった。
     この作品はいじめを理解する話だ。だから不快だし、共感してしまう自分に腹が立つ。ある程度フィクション化されてるとはいえ、正しい姿だ。
     
     もやもやする部分が残るが、読んで損はしない作品だった。

  • あんまり語るとネタバレになりそうなのだけど。

    「クズでどうしようもない」彼に与えられた救いには、ほぼ全く脈絡がなく唐突な印象だった。それだけが残念。

  • 天才が自殺した。
    悪魔は自嘲した。
    天才の姉は、天才の母は、天才の彼女は、天才の親友は、天才のクラスメイトは何をした?
    人間力システムに囚われた彼ら彼女らの中にある闇とは?
    悪魔の起こす革命とは?
    そして、真実は何だ?

    …まさに悪魔の発想だ。
    言われてみれば確かに実現は可能かもしれないが、今まで考えたこともなかった。
    人間心理を逆手に取った、完璧である天才と失うものがない悪魔の二人だからこそできたと言えるだろう。

    世界観がリアルに近いせいか、上記の凄さが読了直後にはわからなかったが、これが近未来的な舞台で映画「サマーウォーズ」のようにネットの世界も巻き込んだ展開となっていたらさぞ大きな物語になっていたのではと思う。


    レビューを書いた後でふと、タイトルを思い出した。
    それ、が何を指すのかはわかっていたつもりになっていけれど、悪魔の覚悟を想像するうちに胸が締め付けられた。

  • 娘から借りて読んだライトノベルズ。
    久々の青春ストリー。
    校内のイジメと家庭内不和を結び付けて、一人の生徒の自殺の背景を謎解く・・・
    現代の教育社会と家庭環境を如実に問題提起している。
    とても、考えさせられる1冊でした。

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ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)の作品紹介

第22回電撃小説大賞<大賞>受賞作!
壊れてしまったこの教室で、一人ぼっちの革命がはじまる――
頂点に輝いた空前の衝撃作!!

ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です。誰も彼の言葉を信じてはいけない』という遺書を残して――。
自殺の背景には“悪魔のような中学生”菅原拓による、Kを含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったという。だが、Kは人気者の天才少年で、菅原拓はスクールカースト最下層の地味な生徒。そして、イジメの目撃者が誰一人としていなかったこと。彼らの接触の証拠も一切なかったことなど、多くの謎が残された。なぜ、天才少年Kは自殺しなければならなかったのか。
「革命は進む。どうか嘲笑して見てほしい。情けなくてちっぽけな僕の革命の物語を――」
悪魔と呼ばれた少年・菅原拓がその物語を語り始めるとき、そこには誰も予想できなかった、驚愕の真実が浮かび上がる――。
圧倒的な衝撃、逃れられない感動。読む人全てを震わせ4,580作品の頂点に輝いた衝撃作。

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