ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)
- KADOKAWA/アスキー・メディアワークス (2016年2月10日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048657624
感想・レビュー・書評
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2016.05.03読了
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面白かったが、この設定ならばもう少し活かせばもっと面白くなるのでは、と思った。この学校の他の人物の話も読んでみたい。
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献本で頂いた本。
電撃文庫はファンタジーなイメージがあるので少し想像してたのと違った。
いじめがテーマな話。
全体的に重くて面白くはなかったけどスラスラ読めたかな。
読んでてイメージしたのは4年ほど前にあった「大津市中2いじめ自殺事件」だけどこれはあえてかな?
当時も全く関係のない外野が根拠の無い情報を元に大きく騒いでいた印象はあるけど、本作もそんな感じ。
ただ、疑問に思ったとしても被害者と加害者の意見が一致してしまえば周りにはどうしようもないと思うのは自分だけかな?
個人的に思ったのがキャラが軽いなという点。
Kの姉が意味ありげに別れた話が出るのに特に深掘りもされず、
協力者の「さやぽん」もソーさんこと校長もよく分からなかったなあ。
校長がウザいという印象は物凄く持ちましたが。
1冊はいらないけど、
もう少しこの後どうなるのか読んでみたかったです。 -
牽引力のある文章じゃないしずどんとくる何かはなかったけど、中高生特有の社会と心の機微いいなあーと思いました。学生時代を振り返ってみて、思春期は根暗こじらせてたからきっとその頃に読んだらもっと共感できただろうかなあという正しく中高生向け。まあ共感させる系の話じゃないからその辺はいいんだけど。
真相と構造と展開をある程度予想できてしまったので、特に先が知りたい欲が起きず顛末を淡々と追うような読み方をしてしまったので…その辺はこう…ラノベらしい読ませる何かがあると嬉しいかなーと個人的には思うのです… -
電撃文庫大賞受賞作と言うことで楽しみにして読み始めた。中学校におけるいじめや自殺という重たい内容を取り扱っていたため、こちらも多少重たい気持ちにもなりつつ読んだ。しかし、帯に書かれていた刺激的な宣伝惹句にたがわず、僕一人の革命の内容が明らかになるにつれ、この本のスタートからずっと語られていたことがこのラストに向けて作り込まれていたことに気づき、そのどんでん返しぶりは結構衝撃的で面白かった。
ただし、最後の結末に向けたシーンはありきたりで、天才少年の自殺の理由もしっくりこない。ここのラスト部分がこの小説の評価を落とした。それ以外は面白く読めた。 -
イジメと人間力テストなるものへの批判。
文章力はそこそこあるが、ストーリー構成とかキャラ立てとか、大賞レベルの作品ではない。。。と思う。 -
2時間ほどで読了。
CMで流れていたので何の気なしに手にとった。いじめで自殺した一人の少年を巡るお話。ラノベ特有の気になる表現は殆どなかったので気楽に読めた。読んでいるときにふと岐阜県可児市の事件を思い浮かべてしまって、色々考えながら読んでいた。作中では非常に気分の悪いシーンが幾つかあって胸の中で舌打ちしながら読んでいたけれど、物語の中盤で段々展開が分かってきたので、後半は答え合わせのような感じだった。
さて、自分が学生のときにもやはりいじめはあって、自分自身が被害者になったこともあるし、誰かがターゲットになっているときに傍観を決め込んでいたこともある。いじめは色々と難しい。人間関係、成績、後ろに控えている家族のことを考えると関わり合いたくなかったし、被害者になったときは誰に言えばいいのか、助けを求めたらいいのか分からなかったのが正直なところだ。この作品はそういったいじめの嫌なところを上手に(と書くのはなんだか腹が立つけど)書かれている。
いじめから抜け出すときのアドバイスのひとつに「逃げていいんだよ」という言葉があって、私もその言葉には強く共感しているけれど、この言葉があまり役に立たないとも思う。「だってそんなことできるわけないし、いろんな人、特に家族が許してくれないに決まってる」って思いこんでしまうから。当時の自分の境遇を思い出すと、そんな強さがあったらとっくにやってんだよ、と思ってた。だからこの作品はその点にかけてとても生々しい。がんじがらめになっていて逃げだせないのを読むのがキツい。
去年『ソロモンの偽証』を読んだけど、あの作品はいじめを解剖した話だった。生徒たちの行動に胸を打たれたし、読んでいて涙を流すこともあった。とてもいい作品だった。
この作品はいじめを理解する話だ。だから不快だし、共感してしまう自分に腹が立つ。ある程度フィクション化されてるとはいえ、正しい姿だ。
もやもやする部分が残るが、読んで損はしない作品だった。 -
あんまり語るとネタバレになりそうなのだけど。
「クズでどうしようもない」彼に与えられた救いには、ほぼ全く脈絡がなく唐突な印象だった。それだけが残念。