ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 585
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048657624

感想・レビュー・書評

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  • 2016.05.03読了

  • 面白かったが、この設定ならばもう少し活かせばもっと面白くなるのでは、と思った。この学校の他の人物の話も読んでみたい。

  • 献本で頂いた本。

    電撃文庫はファンタジーなイメージがあるので少し想像してたのと違った。
    いじめがテーマな話。
    全体的に重くて面白くはなかったけどスラスラ読めたかな。

    読んでてイメージしたのは4年ほど前にあった「大津市中2いじめ自殺事件」だけどこれはあえてかな?
    当時も全く関係のない外野が根拠の無い情報を元に大きく騒いでいた印象はあるけど、本作もそんな感じ。
    ただ、疑問に思ったとしても被害者と加害者の意見が一致してしまえば周りにはどうしようもないと思うのは自分だけかな?

    個人的に思ったのがキャラが軽いなという点。
    Kの姉が意味ありげに別れた話が出るのに特に深掘りもされず、
    協力者の「さやぽん」もソーさんこと校長もよく分からなかったなあ。
    校長がウザいという印象は物凄く持ちましたが。

    1冊はいらないけど、
    もう少しこの後どうなるのか読んでみたかったです。

  • 牽引力のある文章じゃないしずどんとくる何かはなかったけど、中高生特有の社会と心の機微いいなあーと思いました。学生時代を振り返ってみて、思春期は根暗こじらせてたからきっとその頃に読んだらもっと共感できただろうかなあという正しく中高生向け。まあ共感させる系の話じゃないからその辺はいいんだけど。
    真相と構造と展開をある程度予想できてしまったので、特に先が知りたい欲が起きず顛末を淡々と追うような読み方をしてしまったので…その辺はこう…ラノベらしい読ませる何かがあると嬉しいかなーと個人的には思うのです…

  • 電撃文庫大賞受賞作と言うことで楽しみにして読み始めた。中学校におけるいじめや自殺という重たい内容を取り扱っていたため、こちらも多少重たい気持ちにもなりつつ読んだ。しかし、帯に書かれていた刺激的な宣伝惹句にたがわず、僕一人の革命の内容が明らかになるにつれ、この本のスタートからずっと語られていたことがこのラストに向けて作り込まれていたことに気づき、そのどんでん返しぶりは結構衝撃的で面白かった。
    ただし、最後の結末に向けたシーンはありきたりで、天才少年の自殺の理由もしっくりこない。ここのラスト部分がこの小説の評価を落とした。それ以外は面白く読めた。

  • イジメと人間力テストなるものへの批判。
    文章力はそこそこあるが、ストーリー構成とかキャラ立てとか、大賞レベルの作品ではない。。。と思う。

  • クラスの人気者が、地味なクラスメイトにいじめられて自殺してしまった。

    人気者達4人が地味なクラスメイト一人に、誰にも気付かれずいじめられていた。

    自殺した岸谷昌也の姉がいじめの真相究明に動き出す。

    遺書に「菅原拓は悪魔です」と名指しされた少年は本当に悪魔なのか…

    いじめの残酷な真相と次々明らかになる周囲の全ての人物の裏の顔


    イヤミス?
    思春期ならではの残酷さと、人間関係の重さで歯止めが効かない中学生達が悲しい

  •  『2016年 2月 10日 初版 発行』版、読了。


     第22回電撃小説大賞の大賞受賞作です。

     読み応え十分な内容でした。
    現代テーマとして「自殺」「モンスターペアレント」「インターネット」そして未成年でもある中学生というコミュニティをからめた物語として、筆致もよく、文体も非常に読みやすくて没頭して読みふけりました。

     昨今でよく見かける「異世界モノ」でも「ワケあり美少女との恋愛模様」なども一切なく、ひたすら『謎』に迫りながら、人間の「表」と「裏」を描いた内容に感じました。

     本作が受賞作ということで、今後、作者がどのような物語を披露していくのか楽しみです。

     ただ、本作の続編、あるいはシリーズ化は不必要かなと。この一冊だけで十分に完成された物語だと感じました。

  • 2時間ほどで読了。
     CMで流れていたので何の気なしに手にとった。いじめで自殺した一人の少年を巡るお話。ラノベ特有の気になる表現は殆どなかったので気楽に読めた。読んでいるときにふと岐阜県可児市の事件を思い浮かべてしまって、色々考えながら読んでいた。作中では非常に気分の悪いシーンが幾つかあって胸の中で舌打ちしながら読んでいたけれど、物語の中盤で段々展開が分かってきたので、後半は答え合わせのような感じだった。
     さて、自分が学生のときにもやはりいじめはあって、自分自身が被害者になったこともあるし、誰かがターゲットになっているときに傍観を決め込んでいたこともある。いじめは色々と難しい。人間関係、成績、後ろに控えている家族のことを考えると関わり合いたくなかったし、被害者になったときは誰に言えばいいのか、助けを求めたらいいのか分からなかったのが正直なところだ。この作品はそういったいじめの嫌なところを上手に(と書くのはなんだか腹が立つけど)書かれている。
     いじめから抜け出すときのアドバイスのひとつに「逃げていいんだよ」という言葉があって、私もその言葉には強く共感しているけれど、この言葉があまり役に立たないとも思う。「だってそんなことできるわけないし、いろんな人、特に家族が許してくれないに決まってる」って思いこんでしまうから。当時の自分の境遇を思い出すと、そんな強さがあったらとっくにやってんだよ、と思ってた。だからこの作品はその点にかけてとても生々しい。がんじがらめになっていて逃げだせないのを読むのがキツい。

     去年『ソロモンの偽証』を読んだけど、あの作品はいじめを解剖した話だった。生徒たちの行動に胸を打たれたし、読んでいて涙を流すこともあった。とてもいい作品だった。
     この作品はいじめを理解する話だ。だから不快だし、共感してしまう自分に腹が立つ。ある程度フィクション化されてるとはいえ、正しい姿だ。
     
     もやもやする部分が残るが、読んで損はしない作品だった。

  • あんまり語るとネタバレになりそうなのだけど。

    「クズでどうしようもない」彼に与えられた救いには、ほぼ全く脈絡がなく唐突な印象だった。それだけが残念。

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著者プロフィール

第22回電撃小説大賞で《大賞》を受賞した『ただ、それだけでよかったんです』(電撃文庫)でデビュー。『15歳のテロリスト』(メディアワークス文庫)が発売から反響が続き20万部を超える代表作に。以降、『僕が僕をやめる日』『監獄に生きる君たちへ』『犯人は僕だけが知っている』も発売即重版のヒット作となっている。

「2022年 『暗闇の非行少年たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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