ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
3.46
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本棚登録 : 587
感想 : 47
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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048657624

作品紹介・あらすじ

第22回電撃小説大賞<大賞>受賞作!
壊れてしまったこの教室で、一人ぼっちの革命がはじまる――
頂点に輝いた空前の衝撃作!!

ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。『菅原拓は悪魔です。誰も彼の言葉を信じてはいけない』という遺書を残して――。
自殺の背景には“悪魔のような中学生”菅原拓による、Kを含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったという。だが、Kは人気者の天才少年で、菅原拓はスクールカースト最下層の地味な生徒。そして、イジメの目撃者が誰一人としていなかったこと。彼らの接触の証拠も一切なかったことなど、多くの謎が残された。なぜ、天才少年Kは自殺しなければならなかったのか。
「革命は進む。どうか嘲笑して見てほしい。情けなくてちっぽけな僕の革命の物語を――」
悪魔と呼ばれた少年・菅原拓がその物語を語り始めるとき、そこには誰も予想できなかった、驚愕の真実が浮かび上がる――。
圧倒的な衝撃、逃れられない感動。読む人全てを震わせ4,580作品の頂点に輝いた衝撃作。

感想・レビュー・書評

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  • 様々な思惑が過去と合わさって明らかになっていく様子、それに付随する語り部の気持ちが作る展開は虚しさが襲いかかってくるような話だった。

  • 前半は、菅原拓の自己陶酔気味に辟易しながら、最近のライトノベルに出てくる登場人物ってこういう書き方をされているんだなあと思った。まさに厨二病。
    竹岡美穂さんのイラスト目当てで手に取ったので、文学少女のイメージで読むとともかく菅原拓にイライラして仕方ない。
    表紙の男の子の絵が好きなのに、正体はこんな酷いキャラなんて。あと琴海も同じく自己弁護ばかりなのでイライラ。
    大人になった今読むと、感情移入もできずにただただ苛立つ。前半は読んでいるときにともかく苦痛しか感じない。
    「サツガイ」、そして黒いページが始まるところから面白くなってくる。
    読めばわかるが、明らかにそこからこの物語は前半と後半に分かれている。見事に騙された。
    読み終えて、久しぶりに読んで良かったと思えた。もちろん、粗はある。オチも若干強引だ。けれども、やはり読んで良かった。
    あまり多くは語らないが、イジメだけではなく家族病理に興味がある人にも読んで欲しい。
    正直、前半は作者の文章力を疑ったし、これで大賞なの?と思ってしまった。「天才」「欠落」という熟語を多用するばかりで、具体的なエピソードに欠ける。もはやその言葉を記号としてしか使ってない。
    ブランコに乗りながらや部屋で一人語りする姉の描写もリアリティがなさ過ぎる。病んでるだろ。
    しかし、すべてその書き方で良かったのだと後半でわかる。
    そして菅原拓も石川琴海、岸谷昌也こそリアルな中学生だった。グループLINEの中身も完璧。

    ラスト近くの大どんでん返しは『プシュケの涙』をふと思い出した。作者は影響されているのかな。
    自殺の原因を調べるあたりもそう。
    プシュケ好きな人も読んでいいかもしれない。

  • 人間力テストという、コミュニケーションを評価するシステム。
    それを採用した中学校で菅原拓が悪魔と呼ばれる事になった自殺事件。
    自殺事件に発展したイジメの実態と原因を探る物語。
    菅原拓の人物像を想像するのがとても面白い小説だった。イジメの隠されていた様々な歪みに立ち向かう菅原拓に最後の最後で応援したくなった。

    読み返すときは、今度は菅原拓を最初から応援したい。

  • 友達ってなんだろう?


    終わり方は腑に落ちないというか、周りを取り巻く大人たちがどうしようもない人ばかり

    ただ、リアルな中学生の描写は凄く懐かしさを感じたし、普通の生活っていうのがありがたいことを感じさせられた。

    昌也の姉と母が特に下衆。これはすごい不快だった。

    ソーさんのソーは何だろう?

  • ある中学校で一人の男子生徒Kが自殺した。
    自殺の背景には"悪魔のような中学生"Sによる、Kを含めた4人の生徒への壮絶なイジメがあったという。だが、Kは人気者の天才少年で、Sはスクールカースト最下層の地味な生徒。
    Kの姉が真相を追うが、その中学校では人間力テストなるものが行われていた。

    う〜ん、なんかしっくりこなかった。

  • 全1巻完結。
    これは効いた…つらい、辛すぎる

  • 終盤「このあと、もう一捻りあるんじゃ?」と期待してただけに
    バッドともハッピーともつかないエンディングで肩透かし感が残った。

    『人間力テスト』は、企業で一時期流行った「褒め褒め制度』に似てる気がする

  • 令和2年9月の特集「文学賞受賞作」

  • 何となく文章が頭に入ってきにくく読みにくかったがイジメの話は心が痛かった。それにしても人間力テストとは怖い。

  •  読みながら期待していた方向から逸れ始めて、まじかまじかと思いながら楽しんだ作品。私の予想よりはるかに深いところまで落ちた主人公、菅原拓に大きな衝撃がありました。  菅原拓は悪魔ですという遺書を残して自殺したクラスメート。しかし菅原拓はクラスの最底辺で、むしろいじめられていた人物です。さらに自殺した人物は天才で、菅原に追い詰められるような人物ではありません。不可思議な事件の中で菅原は事件を語り始めます。  丁寧に重なるエピソードから別の物語と主人公の心情が浮かび上がる作品です。続編も読みたいと思います。

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著者プロフィール

第22回電撃小説大賞で《大賞》を受賞した『ただ、それだけでよかったんです』(電撃文庫)でデビュー。『15歳のテロリスト』(メディアワークス文庫)が発売から反響が続き20万部を超える代表作に。以降、『僕が僕をやめる日』『監獄に生きる君たちへ』『犯人は僕だけが知っている』も発売即重版のヒット作となっている。

「2022年 『暗闇の非行少年たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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