- Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048662178
作品紹介・あらすじ
東京・池袋。この街は今まさに混沌の坩堝と化していた。首無しライダーと繋がる全ての人が巻き込まれ、決着の時を迎えようとしている。かつて親友だった少年たちは心と身体に傷を負いつつ、お互いを想いながらも対峙する。かつて犬猿の仲だった二人は、怒りを超えた最後の殺し合いへと発展していく。かつて額縁の向こうから見ていた少女は過去の自分を乗り越えるべく必死になる。かつて幸せだったはずの歪な恋人たちは、引き離されたその先の試練へと挑んでいく。そしてかつての首無しライダーは、その姿を街に誇示するように-。全ての始まりを告げたあの場所に集う時、歪んだ恋の物語が、幕を閉じる-。
感想・レビュー・書評
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第一部完結らしいのでシリーズ通しての感想を記そうと思う。
13巻読んでみて、すごく惜しい作品であった(なんと上から目線)。
以下、素人我儘批評。
こういったストリートものでスピード感は大切だ。この物語のオープニングは素晴らしかった。第一巻でみせた種を燻らせて一気に爆発、収束というスピード。それを10巻以上の大風呂敷を広げた上でどう見せてくれるのかが楽しみであったが、どうやらガス欠であったようだ。
ライトノベルという範疇である以上、カワイイ(古臭い言葉でいえば萌えというやつ)キャラクター達のワイワイガヤガヤイチャイチャは必要であるとは思う。特に群像劇のスタイルをとるこの小説には。そして大半の読者はそれに期待し楽しむのだろう。
私にとって問題はその比率。コアなラノベ読者ではないので私は著者のターゲット外にいるのだろうが、実に甘ったるくなった。そのある種どろっとした甘味がスピードを鈍らせていたように思う。はっきりいえば、最終的にラノベによくあるラブコメになってしまった。
この物語の主人公は池袋という街ではなかったのか。
巻を重ねるごとに特徴的なキャラクタの個性が街を飲み込んでしまったように思う。実は『街』はそれほどまでに貧弱ではない。
この巻でセルティは”自分”が人を狂わせたと語るが、そもそも彼女自身、池袋という”街”に狂わされたものであるはず。
1巻のハイライトシーンでは、ネットで繋がれた他人達が魑魅魍魎のように集まってくる。それはダラーズというチームというより、”街”が表舞台に登場したシーンである。それは乾燥した不気味さで非日常を垣間見せた。非日常を装った人間(=日常。いくら裏で例外を行おうとも人間は人間)が本当の非日常に圧倒されるシーンはシリーズ通してのハイライトだ。
メインキャラでもないサブキャラでもない何者達がメインキャラを食い尽くすハイライト。その不気味さがこの物語の一番面白いと思ったところだ。
しかし、巻を追うにつれ徐々に力をもつキャラクター達の能力対決的様相を呈するようになり、かの何者たちはあれ以降再び息を潜めたっきりで(13巻の1巻を模すような展開も異能者集団のお祭りであった)、挙げ句の果てに、非日常の象徴であるはずのデュラハンが早い段階で人間にデレる(非日常が日常に食われるのは1巻のアンチテーゼとしてありかもしれないのだが)。
”街”の恐ろしさは帝人の変貌ぶりをみれば明らかかもしれない。狂気に囚われた彼でさえ、そしてイザヤでさえ、御することは出来なかった。作中でこれは充分に提示していることかもしれない。
そこは良い。
良いのだが、最終的にチャットルームの声となった姉妹は必要だったか?格闘術に長けた道着の美少女は必要だったのか?それらはカタルシスに至る要素と成り得たのか?
知っている。これはライトノベルだ。アニメ化された作品だ。
だけれども、群像劇好きとしては、部屋の隅まで散らばったBB弾すらカタルシスの要素としていくような執拗さが欲しかった。
著者のデビュー作ではライトノベルの範疇でその片鱗を感じれたと思っている。
無理は承知で、ライトノベルであることを置いておくとして、この作者の突っ走った本気の群像劇を見てみたい。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人が何かを恐れるのは、相手の中身を知らないから。
森羅の愛は行き過ぎだけど、分かり合うには相手を知るべきというのは大切だと思った。 -
シリーズ最終巻。
帝人と正臣、杏里の3人の思いが錯綜してお互いに身動きが取れなくなっていたのを、千景が男らしくすっぱりと切り込んでいき、ようやく帝人と正臣は直接向き合うことになります。しかし、このときすでに帝人は、ダラーズをなくすという決断を下していました。
一方、首を取り戻して記憶を失ったかに見えたセルティでしたが、そんな彼女への愛を貫いた新羅によって、ふたたび彼らの日常が戻ってくることになります。
ということで、ひとまずは一件落着といったところではあるのですが、あまりに各方面に伏線を広げすぎたために、十分に回収できていない印象も拭えません。罪歌を操って街を大混乱に陥れたのが那須島だったという展開はまったく予想外だったのですが、彼が小物すぎていま一つ盛り上がりに欠けるように感じました。
また、臨也が最後にどんな悪役ぶりを発揮するのか楽しみにしていたのですが、彼は静雄との戦いにベタ付きになってしまい、前巻の最後以降ほとんど身動きが取れない状態になってしまいます。また青葉にも狡猾な企みを働くチャンスがあったように思うのですが、千景の男らしさと帝人の静かな決断によって完全に芽をつぶされてしまい、つまらない小悪党で終わってしまったような印象を受けます。じっさい彼にはもう少し暗躍させた上できっちりお灸をすえるような結末にしないと割に合わないように感じます。 -
デュラララ、遂に三つ巴の抗争完結。
完結編なだけあって、
本格的に戦ったりするよりは
解決!って感じだったけど、
なんだかスッキリした感じ。
正臣かっこ良かったし、
(報われない感じだっけど)
静雄は強すぎるし
(もっと人間らしい静雄が見たかったけど)
面白かったかな。 -
さすがにシリーズ(一部)を締めくくる最終巻。読みごたえありました。
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終わったーーー…のか?
あくまでもダラーズ編の終結な感じが否めず所々不完全燃焼感有るのはだから続編も読んでねってことなのかしら…
あわわわなんて商売上手。
でもまぁ何はともあれこの一言で一旦締めましょう。
新セル尊い‼︎‼︎‼︎‼︎
デュラ×結楽しみ‼︎ -
「デュラララ!!」の最終話の最終巻。
ここまでのあとがきを読んでいると、割と後先考えずに適当に展開させていっている御仁の様だ。
個人的な偏見だと、ラノベって大体そういうものな気もするけど。
だらだらと4冊も続いた割に、風呂敷を広げまくった後くちゃくちゃに丸めた様な印象を受けた。
纏まりが無いし、決着付けて欲しいなってところがなあなあだったり、本来は使い切りのつもりだったんだろう部品が再利用されたりと何だか蟠る感じ。
そもそもはアニメの「バッカーノ!」が面白かったので原作を読もうと思ったところがスタートで、でもまだ完結してないとのことでまずは成田良悟の完結作品を何か読もうということで手に取った本作。
特殊な編集で見せ方を工夫したアニメの勝利だったんだろうと思う。まぁ後出しだしね。
多分「バッカーノ!」は読まないです。