ミミズクと夜の王 (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 669
感想 : 37
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048667760

作品紹介・あらすじ

魔物のはびこる夜の森に、一人の少女が訪れる。額には「332」の焼き印、両手両足には外されることのない鎖、自らをミミズクと名乗る少女は、美しき魔物の王にその身を差し出す。願いはたった、一つだけ。「あたしのこと、食べてくれませんかぁ」死にたがりやのミミズクと、人間嫌いの夜の王。全ての始まりは、美しい月夜だった。-それは、絶望の果てからはじまる小さな少女の崩壊と再生の物語。第13回電撃小説大賞「大賞」受賞作、登場。

感想・レビュー・書評

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  • 月を仰いでいた死にたがりやの少女は、森の中でもう一つのお月さまを見つけた。

    ・過去話以外ではどうしようもなく悪い人間はいなかった。ずいぶん不器用さんだらけでしたが。
    ・ミミズクは、1度お城に来れて良かった。フクロウにも、城の人たちにも。

  • 本当に本当にほんっっっっとうに学生の時から大好きな本

  • なんて素敵な結末!

    自分より相手のことを思うのって、やっぱりだいじだよな〜。
    それと同時に。我を通すのは嫌いだけど、自分にとって何が大切かということと、「自分はこうしたい!」ということを忘れないようにしようと思った。

  • どういう展開になるのか最後の最後までわからなかったです。登場する人達がみんないい人でした。

  • 奴隷として虐げられ生に絶望した少女は、機を見て逃亡するも、逃げた先は魔物が棲まうという深い森。そこで少女は魔物の王に出会い、苦痛に満ちた生を終わらせるべく、魔王に自分を食べるよう懇願するも、それは果たされない。森の中で魔王と過ごすうちに2人の間には奇妙な心の交流が生じる。ふとしたことから魔王への討伐隊が編成されることになり、少女は魔王に囚われていた人間として「救出」されるが、森を出たとき、魔王の呪いによって少女の記憶は失われる。討伐隊によって捕らえられた魔王は、討伐隊を派遣した王の、不具の王子を癒すために利用される。魔王の呪いを解くことによって少女の記憶は回復され、少女は囚われの魔王を解放する。魔王によって王子は癒され、少女と魔王は森に去り、幸せに暮らす。

    端的に言えば『美女と野獣』型の異類婚姻譚であるが、平和に暮らす魔物と戦争に明け暮れる野蛮な人間という対比は『ガリバー旅行記』の『フウイヌム国』が想起される。魔物と人間との転倒した関係、過酷な生の記憶から少女を解放する魔王の「呪い」、聖剣、石女、不具、癒される王国など、著者は物語の文法に自覚的であり(『最後のユニコーン』が連想される)、その設計には目を見張るものがあるが、一方で、誠に残念ながら、著者はこれらの素材を融合し一つの物語へと昇華させるための筆力を欠いていた。

    この小説には魔王と少女(恋人)、国王と王子(親子)、騎士と聖女(夫婦)、さらに野蛮な人間と成熟した魔物という4つの対立関係があり、これらの対立を回復させるものとして少女の努力、すなわち冒険があるのだが、この少女の冒険が不十分なものであることが本作の最大の問題。『美女と野獣』型の童話では呪われた恋人(男性)救うための主人公(少女)の冒険が物語の山場となるが、本作における少女の冒険は自己の同一性の危機にまで到達しない。失われた記憶が回復してから、人間の世界と魔物の世界の二者択一に際して、少女の苦悩に関する深い描写があればまた違ったのであろうが、この点がいささか軽薄に過ぎる。

    加えて、国王と王子の親子関係、騎士と聖女の夫婦関係の対立に関する描写があまりにも浅い。尺の問題があったのだろうか?そのため、物語の頂点に向けて読者の精神は十分に抑圧されず、結果としてその頂点において読者が得る満足は限定的である。

    非常に非常に惜しい!とても惜しい作品。著者の構成力には傑出したものを感じるが、それを文章に落とす力がこの時点ではその素材に対して完全に不足していた。おそらくそのことを著者自身自覚しているのではないだろうか?著者の成熟を首を長くして待ちたい。

  • とても可愛くて優しい話だった。
    ほっこりして、愛しくなる。
    幸せを知らなければ辛いこともわからないけど、幸せを知ってしまうと、泣いたり、手を伸ばしたり、ワガママになったり、するのかも。
    優しくされたわけではないけど、許してくれる。そういう優しさが、染みる。

  • 児童書? 童話? チックなストーリーだったけど、設定は激重だった。世界観は新しかったが、ストーリーには目新しいものは特にない。想像通りに進んだ。

    描写が美しく、残酷だが綺麗だった。ラストに感動。それ以上でもそれ以下でもない。

  • 話がさくさく進むのでとても読みやすかった。ものすごく意外な展開もないけれど、ストレスもない王道のストーリーという感じ。そして登場人物のだれもがきちんと優しさを持っていてとてもいい。愛するということは、そのひとを自由にしてあげることなんだな、と思った。
    ミミズクちゃんが自分自身をかわいそうだと思っていないところがとてもよかった。だからこそ、たくさんの人から憐れまれ自分をかわいそうだと思って閉じこもっていたクローディアスを、自由にしてあげることができたのかな〜と思ったり。
    優しいお話でとてもよかった。電車でしくしく泣きながら帰りました。隣に座っていた人たちごめん。

  • 難しかった、登場人物をイメージしにくかった

    けど、優しいストーリーやった

  • いい作品は何も言うことがないですよネ…

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著者プロフィール

1984年、石川県金沢市出身。金沢大学文学部卒業。『ミミズクと夜の王』で第13回電撃小説大賞・大賞を受賞し、デビュー。その後も、逆境を跳ね返し、我がものとしていく少女たちを描き、強固な支持を得ている。

「2022年 『雪蟷螂 完全版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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