[映]アムリタ (メディアワークス文庫 の 1-1)
- アスキー・メディアワークス (2009年12月16日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (242ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048682695
感想・レビュー・書評
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もう一年以上も前に読友さんにいただいた本書。
ようやく読めたよ!
いやあ、面白かった! こう来たか!
このゾクッとするラストの感じは、個人的には今まであんまり読んだことの無い種類の物語だなあ。
一筋縄ではいかない2度落ちの展開は中毒性が高そうだ。
それにしても、これがデビュー作というのは素直に感嘆する。
今まで「なにかのご縁」は読んだ事があったんだけど、作者の本領はこっちらしいので、他の作品もチェックしていきたい。
個人的には突っ込み属性の主人公と、とぼけるヒロインの会話が愉しくて好き。
ここは自分の好きな某作家さんに似ているなと思ってしまった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
芸大で役者を目指す二見遭一は天才監督・最原最早の撮る自主映画『月の海』に出演することになる。その脚本を書いたのは最原の亡くした恋人・定本由来。
二見は『月の海』の画コンテを手にして、意識を無くして50時間ぶっ続けで読むことになり天才と呼ばれる最原の異常な才能に気がつくことになる。そして映画は完成し、二見は『月の海』に隠された真実を知ることになる。
出版レーベルから察することもできるが、キャラクター造詣や各所の会話にはライトノベルの雰囲気があるので苦手な人はそれだけで受け付けないのかもしれない。
しかしその中には創作物への作者の実験的とも思える考察が含まれている。創作物が好きな人ほど同時にそれへの恐れも抱いたことがあるのではないだろうか。 -
文体がダメでした
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自主映画の出演をお願いされ、渡されたコンテは
天才と呼ばれている女の子が書いたものだった。
すべての指示が入っている絵コンテがあれば
ものすごくさくさく撮り終われそうです。
が、それをきちんと自分で理解していなければ
ものすごく時間がかかりそうです…。
引き込まれてしまうほどの素晴らしいコンテでしたが
書いた本人は突っ込みどころ満載の発言をする人物。
そんな彼女と主人公と、映画を作る2名と、の
青春ものかと思ったら、まったく別方向へ。
爽やかだったものはなくなり、どろどろとした
怖い方向へと。
結果だけを伝えられたら、それはあり得るのか、と
一笑してしまうような事が、じわじわと真実味を帯び
納得させられてしまう状態へ。
更なる落とし穴は、もう…という現実。
全ては『元に』還るそうです。 -
芸大で自主映画を撮ることになる面々。監督は天才といわれる女子学生である。
タイトルからはまったく予想できないよいミステリーででした。 -
野崎まど節、炸裂。
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『読み終わった時に残ったこのなんとも言い難い気持ちも仕掛けられたものなのかもしれない』
映画をモチーフにした小説で好きな物は双桑綴の「モノジェニック・ムービー」がある。その作品を彷彿とさせるような、後味の悪さがある。
表紙に騙されるというか、全てが仕組まれているんじゃないかって思わされる。
私が私自身でこの感情を抱いているのか、抱かされているのかそれを確かめるすべがない。
もしもこの作品を読もうとするのならば、わかろうとしないことだ。わからないまま読む、それが一番面白いと思う。わかる?
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2017年12月16日読了。
2017年121冊目。 -
途中までは 最早のどこが天才なのか
わくわくして読むのですが
最後は しーんとした
恐怖が襲ってきます
でも 二見君が
最後まで 映画を見れるのを
喜んでいた気持ちがわかるなぁ