空の彼方 (メディアワークス文庫)

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著者 : 菱田愛日
  • アスキーメディアワークス (2010年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048682893

空の彼方 (メディアワークス文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  防具屋シャイニーテラスの女主人、ソラとシャイニーテラスに訪れる兵士たちの姿を描くファンタジー。

     世界観はRPGゲームに近いものの、基本的にソラとそのお客たちの会話が中心となるのでファンタジー色はそこまで濃くないです。

     とある理由により店の外に出ることのできないソラ。そのため彼女は防具を売った客にある約束を交わし、そして「いってらっしゃい」と声をかけます。

     この「いってらっしゃい」という言葉と防具が結び付くのがこの本です。「いってらっしゃい」はそれ単体だと宙ぶらりんの言葉だと作中であります。「いってらっしゃい」があり「おかえりなさい」という言葉があってこそ、この言葉は成立するのです。

     そしてもちろん、おかえりなさいためには帰ってくる必要があります。無事に帰ってきてほしいからこそ、ソラはそれぞれにあった命を守る防具を売るのです。

     世界観に文章、そして登場人物たちの思いの優しさが温かい小説でした。

    第16回電撃小説大賞選考委員奨励賞

  • ファンタジーなんだけど、戦う方じゃなくて、待つ方の視点。他の物語じゃ一瞬の描写かもしれない、書かれないかもしれないけど、だからこそ、本物のファンタジーなんだなぁ、って思います。
     防具屋の主ソラの視点と、そのお店で人々が思い出しながら語る冒険は、瞬間のスリルこそ少ないけど、より考えや気持ちがこもってて読み応えがあります。

  • 「いってらっしゃい」
    「いってきます」
    「ただいま」
    「おかえり」
    ただそれだけを言うために。
    ただそれだけを聞くために。

    待つことしかできないけど、待つことならできる。
    帰るべき場所を、守り続ける。

    と、なんだかただただ待ってるだけのようなことを書きましたけど、それだけじゃないですよね。
    彼女はただ待つだけじゃない、言うなれば「能動的に待つ」のです。
    防具を作り、手渡し、それにより一緒に戦う。
    防具を作ることで、一緒に旅をし、彼らの身を守り、そして彼女が待つ、その場所へ帰ることを手助けする。
    受動的になりがちな、待つことを能動的にする。
    積極的に待つ。

    同じ防具を使う仲間によるネットワーク作りも、能動的待ちのひとつの策。
    同じ防具を使う仲間同士が助け合えば、それぞれが生き残り、帰ることができる可能性が飛躍的にアップすることは確実。

    すべては待つために。
    帰りを待つために。



    最初、なんだか硬い文体だなと思っていたのですが、なんだか途中からこなれてきたのか、それも気にならなくなりました。

    剣と魔法の世界を舞台とするファンタジーなのだけど、戦闘シーンと呼べる戦闘シーンはほぼ出てこない。
    それもやはり、この作品のテーマを表してるのかなと思ったりします。
    すべては帰るために。

  • あたたかい気持ちで読める。
    戦闘シーンが直接出てこないので静かで安心できるファンタジー。

  • 日光に弱く外に出ることのできない防具屋の女主人と、旅の話をするお客たちの話。
    元貴族の用兵、弟が処刑されたハンター、女騎士の話を進めながら、それぞれの行動がひとつの事件に絡み合う。行方不明の幼馴染の死が明かされ、防具のみが帰還する話。
    やさしい雰囲気に乗れて、よい。

  • 綾崎隼さんの吐息雪色の中で読まれている、と綾崎さんが話されていたのが気になり購入。
    (綾崎さんもオススメされてました)

    RPGで遊んだ経験があるせいもあり、
    なんだか読みやすく、
    戦闘シーン等もなく、ただただ待つことしかできない視点は面白かったと思います!

  • 私としては、これ、すごい王道なファンタジーに感じました!
    なんか、ファンタジーといったらコレ!みたいな小説です!RPGっぽいです!!

    どこかブレイブストーリーを彷彿とさせます!!

  • 小さな路地にある、誰かに紹介でもされない限り分からない防具屋。
    そこの客となるには、主人との約束を了承せねばならない、という決まり。

    プロローグは、過去と、初めてのお客さんと店主と
    店のルールについて。
    そこからは連続短編集のように、3人の人物が
    店にやってきて話していく。

    少年と軍人の繋がりはうっすらと分かったのですが
    冤罪で捕まっていた彼については、どう繋がるのか。
    首を傾げていたら、きれいに繋がりました。
    だからなのか、と。
    ヒントはあったのに、まったく気が付かないのは
    どうなのでしょう?w

    当人にとっては緊迫感のある状態が続いた事でしょう。
    しかし体験した本人の口から語られているので
    確実に帰宅できた、という終点のおかげで
    ゆっくりと聴く事ができました。
    物語なのですが…なんだかこう、童話に近いものを読んだような?

    鳥かごにいる少女。
    ドアから外に出るか、中のままでいるか。
    選ぶのも自由、というのに頷けます。

  • イメージでいうと、闘神都市IIIだったのだけど、戦争時代のお話でした。

  • ネタはすごくいい。雰囲気も好き。
    ただちょっと、作者の癖なのか、それとも単に未熟なのか文章が下手というか何と言うか…今見たら二巻以降もあるようなので、縁があれば読みたいとは思う。

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空の彼方 (メディアワークス文庫)の作品紹介

小さな路地に隠れるようにある防具屋「シャイニーテラス」。店の女主人ソラは、訪れる客と必ずある約束をかわす。それは、生きて帰り、旅の出来事を彼女に語るというもの。ソラは旅人たちの帰りを待つことで世界を旅し、戻らぬ幼なじみを捜していた。ある日、自由を求め貴族の身分を捨てた青年アルが店を訪れる。この出会いがソラの時間を動かすことになり-。不思議な防具屋を舞台にした、心洗われるファンタジー。第16回電撃小説大賞"選考委員奨励賞"受賞作。

空の彼方 (メディアワークス文庫)のKindle版

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