日本はアニメで再興する クルマと家電が外貨を稼ぐ時代は終わった (アスキー新書 146)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.17
  • (2)
  • (9)
  • (11)
  • (6)
  • (1)
本棚登録 : 98
感想 : 10
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048684811

作品紹介・あらすじ

世界各地で催される日本紹介イベントには数万人が集まり、マンガ本が飛ぶように売れていく。現地の若者たちは日本語でアニソンを歌い、夢は原宿や秋葉原に行くこと。だが当の日本人がその現実に気づかず、いまだ富士山と伝統芸能ばかりを海外に発信している。そのミスマッチを豊富な現地取材から詳らかにし、新たな商機を提案する。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 日本の漫画やアニメは、なぜこれほどまでに世界で支持されているのか?~が知りたくて読んだのだけれど、そういう内容じゃなかった。←完全なる自分のミスw

    でも、世界の人々が、日本のポップカルチャーを入り口として、日本という国自体に興味を持ってくれていることが分かった。
    そういう人たちと交流を深めていくためにも、日本の文化などについてきちんとした知識を身につけておかなければいけないなと思った。

  • 著者自身が世界各国を訪問する中で体験した、日本のアニメ・マンガを愛する人びとの姿を紹介しつつ、アニメ・マンガが日本の文化外交に大きく寄与する可能性があると論じている本です。

    アニメが入り口の役割を果たすことで、日本のさまざまな伝統文化に関心を抱く人びとが海外では増えていると言います。それにもかかわらず日本人自身は、サブカルチャーと正統な日本文化とをまったく別のものと考えていると著者は指摘しています。そして、アニメ・マンガが日本の文化を発信する上で大きな役割を果たすことを認識し、文化外交の重要なカードとすることを、真剣に考えるべきだという提言がなされています。

    ただ、外交や産業にたずさわる人びとは、サブカルチャーに対する認識を改めるべきだ、ということが繰り返して述べられているだけで、アニメ・マンガを文化外交に生かしてゆく具体的な方法についての議論が乏しいように感じました。いちおう、基礎的な情報はインターネットによって世界中に知られているので、そこから人と人とのつながりのような、いっそう人間に寄り添った交流を活性化していくべきだと主張されていますが、もう少し具体的な提言をおこなってほしかったという気がします。

  • 前作に比べて、若干内容が薄く、西欧だけではなくロシアもブラジルも、という例の列挙に留まっているのが残念。

  • アニメとかコスプレとかカワイイものは日本文化として、文化外交としてもものすごく世界の若者を惹きつけているから有効な外交カードになりえるんだよ。
    だから皆もう少しでいいから興味を持って欲しいよ!
    という主旨の本。
    前に「カワイイ大使」を選んだ時とか「あちゃー・・・」みたいな感じだったけれど結構人気なのか。ということを知った。

  • 仕事がらみで読みました。
    パリのジャパンエキスポには16万人もの人が集まるんですって。その他世界の色んな都市で日本のアニメ・マンガのイベントが開かれていてすごい動員数だって。そのことを日本人が知らないのがもったいないって。ぜひ旅行したときには行ってみろって。
    これを外交や経済、輸出業に活かさない手はない、外務省は何をしてるんだって論調。
    まあ確かに、と思う。ただ海外旅行してもマンガイベントには行かないけどねわたしは。

  • 日本のポップカルチャーを広めることに関係してみたいと思ったきっかけとなった本

  • 海外で評価の高い日本のアニメ作品を外貨獲得の手段にできるのに、政府も民間も文化として蔑んでるからチャンス逃してもったいないという主旨との認識。

    冒頭から誤字があったり、著者の前作の宣伝が多くて進んで読みたいとは思えなかった。

  • クルマが売れなくなる理由は明らかになるロジックは無い。標題がキャッチーにされているだけという。

    週刊誌を荒く読むイメージでよい。

  • (1)この著者の本は、『アニメ文化外交 (ちくま新書)』、『世界カワイイ革命 (PHP新書)』と、出版されるたびにこのブログでも取り上げている。外務省アニメ文化外交に関する有識者会議委員や、カワイイ大使アドバイザーなどの役目を持ち、世界を飛び回って、いま世界で日本のポップカルチャーがどのように熱狂的に迎えられているかを、生々しくレポートしてくれる。世界中の現場の熱を肌でじかに感じ、日本人がいちばんその熱狂を分かっていない、これでいいのか、と読者に訴えかける。三冊の中ではこの本がいちばん著者の熱っぽさを感じた。

    本の冒頭では、2009年11月に氷点下のモスクワで開催された第一回目の『ジャパン・ポップ・カルチャー・フェスティバル』の様子が語られる。オープニングで特別上映される『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』を観るため氷点下の中を4時間近く並んで待つロシアの若者たち。会場をおおうマグマのような日本熱。日本への片思いにも似た熱い想いとジャパン情報への「飢餓感」等々が、著者の強い驚き・衝撃とともに報告される。

    同様の報告が、フランス、ブラジル、スペインと続く。著者は、世界のあちこちで何度もこの種のフェスティバルを開催したり、招かれて講演したりしているが、行くたびに新たな驚きがあるようだ。

    今度の本で強調されていることをいくつか紹介しよう。

    まず、海外に出るたびに現地のメディアからされる質問。
    「若者たちの考え方や生き方に、アニメやマンガがものすごい影響を与えていることを日本人は知っているのですか?」

    この質問は、以前の本にも紹介されていたが、同じような質問が色々な国で何度も出るとは知らなかった。ということは、アニメ・マンガが世界の若者の生き方に与える影響がかなり普遍的なものになっているということだろう。そしてその事実を知らないのは日本人だけということに、世界の人々がうすうす気づいているから、こういう質問が何度も出るのだろう。

    逆の言い方をすれば、若者の考え方や生き方に大きな影響を与えるだけの内容や魅力や力があるからこそ、これだけ世界の若者に受け入れられているということだ。

    では、アニメ・マンガに表現される日本人の考え方や生き方のどういう面が世界の若者に影響を与えているのか。こういうことについても日本人は無自覚だ。

    ちなみに、その辺を少しでも明らかにしていきたいというのが、私自身の重要なテーマになっている。

    (2)著者は、「世界の若者の人格形成の日本のアニメやマンガがいかに大きなな影響を与えているかを、日本人自身もっとしっかり知らなければいけない時期がきている」と何度も強調する。実際に世界中の多くの若者やメディアに接した上で語る言葉なので説得力がある。いくつか若者の言葉を拾ってみよう。

    「今の若いブラジル人の魂は日本のアニメで作られているんですよ」(ブラジル人、バーバラさん)
    「夢中になったものは、これまですべて日本のものでした」「みな同じ人間。考えれば考えるほど、同じ結論(日本のものが好きになるということ)に世界の人たちが至るのは当然だと思います」(ブラジル人、カロリーナさん)
    「友情、正義、人間関係に何が必要か、人生で大切なことの多くを、私はアニメやマンガから学びました」(イタリア人、シモーナさん)

    ほかに、日本のアニメ・マンガから平和のメッセージを受け取り、「日本のアニメは平和のプパガンダとしてもっと活用すべき」と主張する若者もいた。こうした主張を日本人がもっと真剣に受け止め論じるべきではないかというのが著者の考えのようだ。

    次に著者が強調していることに「コスプレとロリータの両立」ということがある。世界の「日本熱」にコスプレが与えた影響は、日本人が考えている以上に大きいと著者は考えている。アニメ・マンガのパワーに、コスプレ人気が重なって、その相乗効果で日本への関心がますます急上昇したらしい。

    私もYoutubeで調べ、コスプレ関係の動画へのアクセス数が数百万規模になっていることから、それを実感した。さらに日本では、コスプレとロリータ・ファッションは別系統だが、海外ではアニメ・マンガ人気の延長線上で日本発のポップカルチャーとして、一人のファンが共に楽しんでいる場合も多い。

    もう一つ著者が強調していることを挙げれば、アニメ・マンガが日本や日本文化のきわめて巨大な宣伝塔になっていて、そこから日本のファッションや食べ物だけでなく、日本語や様々な伝統文化への関心をすごい勢いで高める結果になっていること。にもかかわらず肝心の日本人がそれにあまり気づいておらず、日本人自身がもっと生の情報を知ってもらうと出かけていくような努力をほとんどしていない。さらにそこに隠されている膨大なビジネスチャンスも逃してしまっているのではないか、ということである。

    ともあれ、世界中の日本発ポップ・カルチャー人気の実態をじかに体験し、精力的に取材を続け、それを公にしてくれる数少ない人として著者の活動は、重要であり、もっと多くの人が注目すべきであろう。

全10件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

コンテンツメディアプロデューサー

「2013年 『日本が好きすぎる中国人女子』 で使われていた紹介文から引用しています。」

櫻井孝昌の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×