舞面真面とお面の女 (メディアワークス文庫 の 1-2)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.36
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  • (4)
本棚登録 : 726
感想 : 103
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  • Amazon.co.jp ・本 (269ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048685818

作品紹介・あらすじ

工学部の大学院生・舞面真面は、ある年の暮れに叔父の影面からの呼び出しを受け、山中の邸宅に赴く。そこで頼まれたこととは、真面の曽祖父であり、財閥の長だった男、舞面被面が残した遺言の解明だった。従姉妹の水面とともに謎に挑んでいく真面だったが、不思議な面をつけた少女が現われたことによって調査は思わぬ方向に進み…。

感想・レビュー・書評

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  • 旧家に残された謎の遺言
    心の箱 体の石 面 とは?
    そして 全てを解いた時 「よきもの」とは?

    お手伝いの熊さん いぃ味 出してたのに……活躍 少なかった。

    さて 野崎ワールドは?どのように繋がるのか?
    楽しみです。

  • ミステリーだと思っていたら……いや、もうジャンル分けの話は本当にいいわな、特にこの著者に関しては。マジックリアリズムさを醸しつつ、徐々に謎が解かれていくようでありつつ、実は解かれていたのは主人公の人格だったのね、という感。正直、人に勧められる面白さかというと首を傾げてしまうのだが、ワシは主人公の描き方が好き。著者はこのキャラを書きたかったのだろうな(推測)。この主人公のような(ある種で厨二感溢れる)思考は、身に覚えのある人にとっては面白いだろうし、自らを省みるキッカケにもなると思う。

  • 野﨑まど

    .『舞面真面とお面の女』野﨑まど…メディアワークス文庫【○】2023年11月12日
    ★ここからが本当の問題なんですね……(p.186)
    この著者は初めてでしたがさらに読んでみたくなりました / 舞面真面(まいつら・まとも)は工学部院生 / 民俗学を研究している従妹の舞面水面(みなも) / 冴えない探偵・三隅秋三(みすみ・しゅうぞう) / 叔父・舞面影面(かげと) / 使命感に燃えたハイエナのようなお手伝いさん・熊佳苗(くま・かなえ) / 叔母・舞面鏡(かがみ) / 数十年前に死んだ曾祖父・舞面彼面(かのも)の遺言状の謎解き / 金属製の「心の箱」は六、七センチくらいの正六面体 / 広場にある「体の石」は一辺百八十センチくらいの石の立方体 / 獣面を被った小柄な女子中生と思われるセーラー服少女・みさき / 曾祖父が若い頃の写真にも獣面少女 / 全体の構造はわりと早いうちに(箱の分析結果が出たあたりで)理解したのですがそれでも楽しめたのはやはりキャラたちとその会話がよかったからでしょう / ぼくならあえて解かへんかったやろうなあと思いました / この形ならミステリとして齟齬がない / くまさんにもっと活躍してほしかったかも。

    ■簡単なメモ
    【院】水面《自分も院に進学する事が、お兄様との距離を広げないための適切な処置なのだと》p.145
    【印象】三隅《印象は大切な情報だよ? みんな印象で生きてる。》p.57
    【飢え】《 だけど。/ 時々ならば、出してやってもいい。/ それは真面の中に生まれた、新しい価値観だった。》p.193
    【嘘】みさき《お前は、お前自身が本当だと思っていない事を言う。お前自身が本当だと思っていない事をする。》p.152
    【驚き】《「だが、お前を驚かせるような出来事は何一つなかった」/ みさきの言葉に、真面の心臓が一回打った。/「お前の高校の三年間に起こった出来事は、全てお前が予想していた範疇に収まる出来事だった。お前は予想していた幅の中で、楽しみ、悲しみ、怒り、笑っただけだった。世界はお前が定義した風船の中にあった。風船を割るような出来事は何一つなかった。そうではなかったか?》p.155。《「お前は、飽きている」/ みさきはごみでも指すように真面を指差して言った。「お前はこれまでの人生に、そしてまだ起こっていないこれからの人生に飽きているんだよ》p.156。《お前はあれだな。お伽噺に出てくるような、人間になりたい妖怪だよ》p.158
    【価値】三隅《自分で価値があるなんて強調するものは大抵碌なものじゃない》p.62
    【自問】みさき《できるだろう。自問しろ》p.150
    【書】真面の考えでは何が書かれているのか読めない文字に意味はない。《ビジュアルとしては、文字以上の情報を含んでいるのであろう事は予想できる。だが、そのばあいは解読用のマニュアルを添付しておく必要がある。》p.12
    【ジョイフルタマムラ】県道に出たところにある大型スーパー。黒松剣菱とい日本酒が八八〇円で売られている。
    【探偵】三隅は《まぁ、謎解きは真面君と水面さんに任すよ。》と言った。探偵(調査員)は謎を解くのではなく調査だけするようだ。
    【っぽい】マンガの題名らしい。
    【蒔田/まきた】真面の友人。《院の一年目というのは将来の展望を思案しながらのんびりするためにある》p.17
    【面】《「そういう奴に出会ったら、面を割ってやる事にしている」/ そう言ってみさきは視線を落として笑った。/「面のキャラなんて、私一人で充分だからな」》p.158
    【やわらぎの仏】「連根山健康ランド やわらぎの仏」。県道に隣接する大型入浴施設。宿泊も可能。年末には賑わい、予約が必要。
    【遺言状】舞面彼面の遺した遺言状(のようなもの)には「箱を解き 石を解き 面を解け/よきものが待っている」と思わせぶりに書かれていた。
    【洋風キッチン ミートボール】駅前の洋食屋。
    【和久井/わくい】真面の属する研究の助教授。

  • 野崎まどさんの2作目。面白いです。順番に引き続き読みたいと思います。

  • 野崎まどのアムリタシリーズ2作目
    サクッと読めて起承転結もしっかり組まれていた作品
    アムリタがあまりに面白かった分、どうしても比べてしまったのが難点
    得られる教訓や金言は無いが、純粋なミステリとして楽しめたのでよし
    シリーズ3作目に期待

  • 祖父が残した遺言が見つかった。
    これは、どういう意味??

    頼まれて調べていれば、変な女の子は出てくるし
    そうかも知れないものは出てくるし。
    案外簡単に終わりそう? と思っていたら
    謎がさらに深まるし。
    主人公が淡々としているので、さらに謎な感じですし。

    落ちとしては、ちょっと笑ってしまいました。
    が、それでいいのではないでしょうか。
    もう、時代も違うわけですし。
    どうやって事をなすのか、には若干興味ありますがw

  • 一応今作もアンチラブコメディではあるものの、ヒロインっぽい位置の女性と特に何にもならず違うところに話がズレて終わるのは既に前作でやっておりしかも前作ではプラスアルファの大きな仕掛けがあったことを思うと今作はだいぶ薄味だ。 また、今作の主人公は西尾維新や佐藤友哉などのメフィスト系に連なる"天才気質"主人公で、個人的には好きになりやすい設定であるもののそれも先行作品に比べて尖ったところがなく没個性的だ。

  • 舞面家の実家を相続した叔父の舞面影面に5年ぶりに呼ばれ、
    舞面真面は、総家の舞面家へと向かう。
    連根山の上にある総家に向かうため山を徒歩で登り、
    ようやくたどり着く。
    叔父に曾祖父の遺言書が出てきたが、謎があり、
    従兄弟で叔父の娘、水面と一緒に謎を解いてほしいと依頼される。
    依頼を遂行し、謎の解明に挑む中で、お面をつけた謎の少女と出合う。
    遺言書の謎は解けるのか、お面をつけた少女の正体は・・・。

    ミステリーですが、いろいろと謎を解いていくと言う感じではなく、
    何ミステリーと言えばいいのかわかりません。
    何度も読み返したい作品とは言えませんが楽しめました。
    著者の2という作品を読むためには、この作品は
    通過点ということで、って、そんなないがしろにするような
    駄作ではないので、楽しめました(笑)。

  • 典型的なライトノベル…とは言い難いがそれに準ずるものとして扱って差し支えない。

    要は、あんまり深くないということ。

  • どこに進むのか分からないがゆえにグイグイ引っ張られる感覚は野崎まどさんの持ち味なのかも。そう言えな『バビロン』でもそう思ったのだった。熊佳苗のキャラはいい味出してる。未読の野崎まど作品をまた読みたい。

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著者プロフィール

【野崎まど(のざき・まど)】
2009年『[映] アムリタ』で、「メディアワークス文庫賞」の最初の受賞者となりデビュー。 2013年に刊行された『know』(早川書房)は第34回日本SF大賞や、大学読書人大賞にノミネートされた。2017年テレビアニメーション『正解するカド』でシリーズ構成と脚本を、また2019年公開の劇場アニメーション『HELLO WORLD』でも脚本を務める。講談社タイガより刊行されている「バビロン」シリーズ(2020年現在、シリーズ3巻まで刊行中)は、2019年よりアニメが放送された。文芸界要注目の作家。

「2023年 『タイタン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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