探偵・日暮旅人の探し物 (メディアワークス文庫 や 2-1)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
3.62
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本棚登録 : 2261
感想 : 217
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  • Amazon.co.jp ・本 (287ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048689304

作品紹介・あらすじ

保育士の山川陽子はある日、保護者の迎えが遅い園児・百代灯衣を自宅まで送り届ける。灯衣の自宅は治安の悪い繁華街にあり、日暮旅人と名乗る灯衣の父親は探し物専門の奇妙な探偵事務所を営んでいた。澄んだ目をした旅人と、人形のように美しい灯衣。名字の違う不思議な親子に興味を惹かれた陽子はたびたび事務所を訪れ、旅人が持つ能力を知ることになる。音、匂い、味、感触、温度、重さ、痛み。旅人は、目に見えないモノを"視る"ことで探し物をしているというのだが-。

感想・レビュー・書評

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  • ここ数年来推しの松坂桃李君主演の随分と前のドラマ、リアルタイムでは気になりながらも今まで観れないままでした。
    視聴の前に読んでおこうかと手に取ったのですが、思いのほか沢山出ているのですね。
    さらさらと読めて、書き留めておきたいフレーズも幾つか有りましたが、続編まではどうかなと思っていました。
    が・・・、最後の物語で不穏な感じが。
    この感じ、嫌いではないです。
    桃李君、この役ハマりそうですね。
    続きをまとめ買いしてしまいました。
    続きを読んで観るか、読まずとも観るか。
    うーん、悩ましい。

  • ドラマを以前見たことがあり小説に手を出してみました!昔のドラマなので内容は所々しか覚えてないのでおもしろかった!
    今後のストーリーと気になるのでまた図書館で借ります!

  • 繁華街の雑居ビルにある「探し物探偵事務所」。
    日暮旅人は聴覚、嗅覚、味覚、感触、温度を感じられない。
    その代わりに全てを視ることができる。

    フリーマーケットの片隅にあった椅子が導く過去の二人
    保育士の陽子の子供のころからの宝物と苦い記憶
    視覚を失いつつある老夫人の思い出の景色
    閉園した保育園に埋められたタイムカプセルの行方

    旅人と血のつながらない娘の灯衣(テイ)ちゃんとの関係。
    旅人の事務所を取り仕切る雪路との関係。
    保育士の陽子と旅人の関係。
    そしてかつて旅人の身になにが起きたのか。
    お人よしと思われる旅人にも何やら思惑があるようで、まだまだ先が長そうなお話。
    登場人物が明るいので、テンポよく読めるけど、けっこう重くなっていくのでは、という不安。
    続きを読むか迷ってるとこ。

    以前、トーリくんがドラマでやっていて、ドラマは見損ねちゃったので読んでみたけど、読むとますますドラマが気になる…。

  • 「視覚以外の五感をすべて失っている」という設定にはすごく惹かれたけれど、全体としてこの作品をどういう色にしたいのかがよくわからなかった。物語が進むにつれてちぐはぐになっていく感じ。『椅子の声』だけが他から浮いているように思えた。個人的には一番好きな章だったので残念。

    旅人と灯衣と雪路、三人の主要人物には好感が持てるのに、陽子だけはどうしても受け付けなくて、ヒロインに共感できないとこうも読む気を削がれるのかと。陽子のことを「いい人」と称したのは最初は皮肉かと思っていたけれど、そうでもなさそうで。自分の感覚と合わないのも相まってか、読者に陽子をどう見せたいのかが上手く掴めなかった。これから先も旅人が探偵として関わっていくエピソードに毎回陽子までも関わってくると辛いなあ。

    と、不満たらたらだったけれど、旅人のダークな部分はすごく気になるし、先の長いシリーズものなので陽子をこうと決めつけるには早過ぎる気もするので、とりあえず次も読んでみようと思う。

  • 五感のうち視力以外は持っていない探偵・日暮旅人。
    目に見えないモノを視ることができる彼は、人の声も視えて理解することができるらしいのだが、その辺のイメージは掴みにくい。
    触感がないために、家事がほぼできないという欠点があるものの、他はとくに問題なく生活できているらしいのも、どうなんだろうと首を傾げる。これからもっと描かれていくのだろうか。

    なんとなく、ほわんとしたイメージのある旅人。
    お人よしで、自分よりも他人を優先してしまうタイプ。
    そんな彼を山川陽子が「馬鹿じゃないの」と叱る場面があるのだが・・・ちょっと言いすぎなようにも感じ、このときから彼女が少し苦手になった。

    物語終盤、旅人の謎が垣間見える。
    彼は何を探しているのか。なぜ素性を隠しているのか。
    気になる終わり方であった。

  • 4編の連作モノ。

    TVドラマ化されており、そちらとの出会いが先だった。

    探し物を見つける探偵。

    失くし物を探すのだが、結果的に思い出だったり、記憶だったり、通常、目には見えないモノが探し出される。

    というより、まずはこの主人公、視覚以外の感覚が機能しないという設定。

    なかなか興味を引くものじゃありませんか。

    旅人を支える周囲の人物たちがヤキモキするほどのお人好しぶり。

    ま、その裏には、別の顔が隠れているというオチです。

    これは1作目なので、その後の展開は、「日倉旅人の残り物」まですでに大分進んでいるんだろうなぁ。

    読み進めていきたいと思わされる1作目でした。

  • 小説とは、如何にもありそうなホラを吹く行為と思っているが、本作の主人公の設定も、それはそれは荒唐無稽だ。だが、まるで共感覚のようでもあるキャラ性そのものが、物語の本筋になっていく。そう、本作は、捜し物を通じて日暮旅人を知る物語だ。探偵ものと言って想起される推理やトリックはない。主人公は、チートとも言える能力で事件を解決する。その中で割かれる描写の多くは、主人公を始めとした登場人物たちの人生だ。この普遍的なモチーフが心に刺さる。主人公は優しいが、静かな苛烈さも孕んでおり、謎を含んだままの続刊に期待。

  • 五感が見える旅人、周りの人々との関係、読み終わっても???
    不思議な小説でついシリーズまとめ買い。

  • 視覚以外の感覚が全てない、という主人公の話。
    他の感覚が無い分視力が補うらしく、音が「見える」とか匂いは色で分かるそうです。

    なかなか無茶な設定ですが、それでも投げたさずに読み切れるくらい面白かったです。
    続編がたくさん出ているようなので、徐々に集めていきたいと思います!

  • 視覚以外の感覚をなくした男の連続短編集。

    イスに込められた想い。
    それは、相手にも受け取ってもらえたのか…が
    すごく気になります。
    ほどかれないままだったというのが
    怖かったのか大事にしたかったのか。
    想像を膨らませてくれます。

    二つ目…は、あきらかにあれです。
    お探しの方はそこですそこ!w という状態に。
    しかも4つ目で証拠隠滅してますし。
    知られると困る、のでしょうか??

    そして最後。
    それまでふんわりしていた印象ががらっと。
    人間、己の欲するものを手にするには
    どこまでも獰猛になりますから…。
    単なる『優しい人』じゃない事に、ちょっとほっとしました。

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著者プロフィール

福岡県出身。2008年に第15回電撃小説大賞《選考委員奨励賞》を受賞。翌年、受賞作『神のまにまに!』で電撃文庫よりデビュー。他の著作には、TVドラマ化された『探偵・日暮旅人』シリーズ、『天保院京花の葬送』シリーズ(共にメディアワークス文庫)などがある。

「2023年 『幽霊と探偵2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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