いでおろーぐ! (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
3.70
  • (3)
  • (10)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 117
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048692700

作品紹介・あらすじ

「恋愛を放棄せよ! すべての恋愛感情は幻想である!」雪の降るクリスマスイブ、カップルだらけの渋谷に、彼女の演説が轟いた――。第21回電撃小説大賞“銀賞”受賞作の、リア充爆発アンチラブコメ登場!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 【Bookwalker読み放題】先月読んだMF文庫Jのとある作品の感想で、この作品と対比されている方がいらっしゃったので興味を持って読んでみたら、アンチリア充のヒロインという点が共通項であるもののきっちり差別化されており、結論としてどちらも個性的で楽しい作品であると感じます。本作品においては、恋愛撲滅を主張しながら実は『恋することができる』という、相反する内面を抱えるヒロイン・領家さんが実に可愛らしいし、彼女に対する想いに蓋をして共に『革命』を成し遂げんとする主人公の高砂が実に熱くて頼もしいですね。続きを読むのが楽しみです。

  • 恋愛反対運動しているんだけどラブコメしちゃうラノベ(正しくは恋愛反対ではないのだけど)

    なので、ヒロインが運動に投じる動機が飛び過ぎてて、普通は引きます
    主人公はこじらせ系、最近のラノベだと没個性レベルのこじらせだけど、個性だそうと個性的すぎるキャラ付けされてないのは良かった

    協力者となる女性陣の動機もまぁまぁ納得できるけど、こんな過激運動に加わるほどかと言われると疑問

    広く世間や世界に対して活動しようとしているのに、やっていることは文化祭レベルなのが何とも…

    世界を相手どるのでなくクラス内、せめて、学内運動までだともう少し楽しく読めたかな(まずはそこまで、だったけど)


    黒幕?のおかげで、物語のスケールが大きくなりそうだけど、期待半分

  • 深夜のテンションで一気読み。熱い展開と面白いキャラ設定で引き込まれましたが、主人公の行動原理が今一つ見えてこなかった感じがします。

  • 極端な行動をとるヒロインと
    それを自分だけが解ってあげるという視点主人公の
    明確な定型に沿ったお話だが
    ヒロインが作品のヒロインであるがゆえの絶対権力を
    あえて別キャラクタに持たせたところが新しみか
    全体の仕上がり無難さは『ひとつ海のパラスアテナ』より上だけど
    あちらをより高く評価するのは(ヒロインの良さを自分だけがと同じく)解る

  • 新左翼的なネタが道具立てとして使われているので、どうしてもヒロインの声が上坂すみれボイスで脳内再生されてしまう(笑)。
    それはさておいても、己がリア充になれないことに悩む男子としては色々アタマを抱えるというか何というか。そんな自分と引き比べたりせずもっと気楽に読めば良いとは思うのだが(^_^;)
    構成とかにいかにも「ハルヒ」フォロワーという感じを漂わせつつも、終盤はまた一味違う感じにまとまり、どうオチをつけるのかな、というところが楽しみになった。

  •  「リア充」に対する妬みと憎しみが高じて「反恋愛」のゲバルト闘争(!)に立ち上がるというトンデモ話。往年の極左学生運動のパロディ満載だが(「ルンペンプロレタリアート」は革命の主体にはなれないとか平然と出てくる)、作品の構造や人物相関はあくまで現代ラノベのラブコメの枠に忠実なので、学生運動や社会主義の知識が特になくとも読める。メインヒロインの描写が少し書き込み不足なのが残念(サブキャラが強烈で若干かすむ)。

  • 恋愛を幻想としリア充爆発しろとアジ活動をするヒロインと、そんな彼女に惹かれて活動をすることになった主人公と、諸々の事情によりアジ活動に賛同し参加することになった人達の話。ヒロインが反恋愛主義を主張しているのに、主人公との恋愛に飲み込まれていく様が面白かった。アジ活動の大仰な言葉もごっこ遊びというか、演技しているみたいで口調などに面白味がある。ヒロインと恋愛をするため、主人公が恥ずかしいリア充的なこともさくっと言えちゃうので、ヒロインの照れと相まってニヤニヤした。恋愛主義がヒロインの妄言ではなく、事実だという世界観も面白かった。ただの妄言であれば頭のおかしいヒロインとの恋愛という感情移入できない、どう読めばいいのか分からないものになっていただろう。

    タイトルで避けていたのだが、読んで良かった。タイトルは反恋愛主義青年同盟とかそれっぽい方が分かりやすくて良かったな。

  •  とても面白かったです。
     反恋愛至上主義と恋愛至上主義の衝突というテーマは、極端な世界を演出しつつも同時に物語をシンプルにしていて、勢いのよい展開で癖になりました。しかし魅せる部分は流さずしっかり魅せていて、おかげで続きが気になりぐんぐん読めました。もしかしたら、読んだ人の中には色々な落差に逆に冷めてしまう人もいるかもしれませんが、私は、それも含めて雰囲気を盛り上げる要素で良いと思います。
     作中では帯の宣伝通り恋愛という主題が扱われるのですが、扱われる思想は自分が普段考えないようなもので「なるほど、そんな考え方もあるのか」と勉強にもなりました。
     そして、キャラクターも魅力的でした。キャラが抱える鬱憤、葛藤、恋愛をテンポよく感じさせてくれて、キャラ同士のやりとりも面白かったです。私は特に領家さんが可愛いと感じました。続刊ではもっとキャラの深い精神部分に触れていくことになるのかなと思うと、今後の展開と共に、とても楽しみです。
     軽い気分で読みながらも、深いなぁと思える小説でおすすめだと思います。

    【以下ネタバレあり感想】

     正直、二人がとてももどかしいです。
     領家さん言ってるのに!
     確かに、この作品のテーマからしたら二人が結ばれることは許されないけれど、自分としてはもっと領家さんのデレが、そして二人のイチャラブが見たいです。
     この先、二人の仲がどうなるのか気になります。安易に恋愛の道に外れてしまえば、ああまでして高砂が断った、反恋愛至上主義というキャラの信念、そして作品のテーマをひっくり返すことになります。正直、それはよっぽどじゃない限り納得できない気がします。しかし、外れなければ二人の想いは結ばれないし、二人のラブも見れなくてジレンマです。世界から恋愛がなくなってから愛し合うなんて、待ちきれない……。あぁ……。
     これからの反恋愛主義青年同盟部の活動と共に、二人の関係の先がとても気になります。
     出会えてよい本でした。続刊が読みたいです。

全13件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

第21回電撃小説大賞《銀賞》を「いでおろーぐ!」にて受賞。2015年、同作にてデビュー。

「2018年 『いでおろーぐ!7』 で使われていた紹介文から引用しています。」

椎田十三の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×