WORLD END ECONOMiCA (2) (電撃文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/アスキー・メディアワークス
4.14
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本棚登録 : 155
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (664ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048693240

作品紹介・あらすじ

人類の新たなフロンティア月面がなおも栄え、膨れ続けていた時代。少年だったハルは大切なものを失った後悔を抱え、金融の世界から遠ざかって生きてきた。 そんな彼の前に現れたのは没落貴族の少女エレノア。彼女は自らの信念のもと、ハルを再び金融の世界に誘う。彼女の信念は、“神と正義”。それは、ハルが四年前に見失ったもの。そして、有史以来、人が捜し求めてきたものだった。 ハガナとの別れから四年。金融世界に舞い戻ったハルの、失ったものを取り戻す戦いが始まる――! 支倉凍砂シナリオの同人ヴィジュアルノベル完全版、シリーズ第2弾!!

感想・レビュー・書評

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  • 1巻で失墜したハルが、レナ・クリス・エレノア等の助力により復活するまでのお話。エンロン事件がテーマ。
    やはり、市場については作者が大好きな分野であるらしく、色々な小ネタについてイキイキと書かれていた印象で、とても良かった。市場についての知識が無くてももちろん楽しめるが、知っているとより楽しめる作品かな。
    3巻で最終的にどのような結末になるか楽しみ。

  • バートンによって煮え湯を飲まされ、ハガナも教会を出ていったあと、ハルは株式市場から離れて、勤労奨学生として役所で仕事をしながら大学に通っていました。そんな彼に、エレノア・シュバイツェルという女性が投資家としての彼の才能に注目し、クリス・クーンを通して彼を雇いたいという話をもちかけてきます。こうしてハルは、余年のブランクを経て、ふたたび金融の世界に立ち返ることになります。

    クリスとともに「シュバイツェル・インベストメント」の一員として仕事をはじめたハルは、あるときエレノアのほんとうのねらいが巨大企業アバロンの闇をあばくことにあると聞かされます。彼は、エレノアを支えようとしますが、やがて彼自身にも因縁のある人物がかかわっていることを知ることになります。

    前巻で手痛い目にあったこともあり、すこしおとなになったハルのすがたがえがかれています。

  • 現実の事件をモチーフにした話らしい
    中々ドラマチックで良かった

  • 1巻に比べて格段に読みやすくなった印象。
    後書きに支倉凍砂さんが書かれてるように、ラストに至る単なるつなぎ目にならない2作目になっていたと思います。
    やっぱり細かい単語の知識があまりないのでよくわからないところもありましたがたのしめました。3巻目もたのしみです^^

  • 1巻に比べて格段に面白くなった。1巻では物語の内容もほぼ全てが株取引に終始していたのに比べ
    、2巻では大企業の虚構を経済的な視点から暴くという、普段あまり考えることのないテーマを取り上げていて、盛り上がるポイントがきちんと作られている印象だった。3巻への引きも絶妙。

  • いやいや、後書きで原油とドルの相場が気になるとか書いてましたが、まさか大企業の粉飾決算が旬な話題になるとは支倉凍砂も思っていなかったでしょう。ぬはは。まあ、そっちは置いておいて、モデルはあれか、エンロンか。直接の関わりじゃなかったけど、なんか、プレゼンとか聞かされた覚えがあるなぁ。うん。
    さて、電力取引なんですが、電力は貯めておけないから、までは良いとして、それが販売会社の在庫として意味をなさないってだけなら、話は半分です。需給がバランスしてなければ、それがたとえ供給過多であったとしても、大規模停電を招くであろう、それが「貯めておけない」の本当の厄介さ。故に、最終消費…というか、先物じゃなく、現物として電力を買う側としては、例えば、約束してた分を全て買わないこともある、みたいな条件をつけてもらう必要があるかも。で、それって、いくらの上乗せになるでしょうね。逆に、足りない時には供給されなくてもいいってな付帯条件もあってよくて、これは割引の材料ですね。で、こういうところがバッファにならないとして、システムが破綻しないためには、常に需要予測をして、これにあわせて供給側、つまり発電所を動かしたり止めたりする必要があります。その際、電力会社のコントロール下に置いておくことができない発電システムが繋がっている場合、これが厄介で、しかも買い取りが義務だったりとかね。作中のようなことをしながら、なおかつ、需給バランスを見事にとってたとするなら、24時間にわたりとんでもないストレスで、担当者がばたばたと戦線離脱するかもです。いずれきちんと制御するスキルをもった人材が不足し、気温が低いだの何だのというレベルではなく、予期せぬ停電であちこちが麻痺し、生命維持システムにも影響が……ってな事態のほうが、SF好きとしては好みです。何言ってんだおれ。
    ま、でも月面は天候不順とかなくて良いよね。リスクとしてはパネルに隕石が当たるくらい?

  • 一巻から四年後の話。夢に破れたハルがもう一度立ち上がり、株式投資に入り込んでいく、のだが今回は投資の話はほとんどない。株式よりも企業詐欺などにフォーカスし、それはそれで面白いのだが、謳い文句とは少し異なる。
    一巻に続いて、二巻もバッドエンド。ここから三巻でどう巻き返して結末を迎えるかは気になるところ。二巻は次の布石という要素も強く、盛り上がりに欠ける所が多い。これが中弛みになるか、伏線布石になるかは気になる。

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著者プロフィール

第12回電撃小説大賞《銀賞》を受賞し、電撃文庫『狼と香辛料』にて2006年にデビュー。

「2023年 『新説 狼と香辛料 狼と羊皮紙IX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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