図解ですっきりラクラクわかる はやぶさのしくみ

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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感想 : 3
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048702997

感想・レビュー・書評

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  • 昨年にあったニュースの中で「はやぶさ」関連ものがありましたが、日本が宇宙に送り込んでいた「はやぶさ」が世界では初めて、「小惑星に着陸した後に、サンプルを無事に持って帰還した」というものでした。

    特に高校生の娘はそのニュースに興味を示して、娘の知らなかった一面に気付いたのが記憶にあります。このニュースで、娘が将来勉強する方向性を見つけてくれたのであれば親としてうれしい限りです。

    どうも日本は戦争をしていたころから、限られた少ない予算の中で、工夫しながら技術を極めていくのが得意のようです。国家的なプロジェクトとして進めているアメリカや中国と比較して、予算の大小で競争するのではなく、技術の内容で勝負してほしいと思います。

    以下は気になったポイントです。

    ・月以外の天文からサンプルを持ち帰った探査機は、人類史上初めて、火星や金星にも探査機は着陸しているが帰還していない(p12)

    ・はやぶさのミッションは、1)宇宙でいおんを放出して推進するイオンエンジンの実用化、2)小惑星サンプルリターン、3)着陸、サンプル採取、離陸を自律制御で行う、である(p18)

    ・宇宙開発の父である糸川博士は、中島飛行機において、ゼロ戦とならぶ「一式戦闘機 隼」の開発に携わっていた(p28)

    ・日本で固体燃料ロケットを開発していたのは、1999年まで日産自動車、現在は、IHIエアロスペースである(p28)

    ・2009年11月の民主党の事業仕訳で、予算は3000万円に圧縮されたが、「はやぶさ」の帰還を受けて、文部科学省は2010年8月に、「はやぶさ2」を2014年度に打ち上げる計画を正式決定、12月には2011年度予算(30億円)が認可された(p62)

    ・宇宙ステーションの飛行速度(第一宇宙速度)は、地上400キロを「秒速7.7キロ」、静止衛星(公転周期は1日)の速度は、「秒速3.1キロ」である(p68)

    ・第二宇宙速度(脱出速度)は、「秒速11.2キロ」で、マッハ33に相当する(p71)

    ・ビックバン(高温度・高密度の初期状態からの爆発的な膨張)により素粒子が生まれて、続いて軽い元素の原子核合成(核融合)が始まる(p96)

    ・質量が太陽質量の8%以上あり、中心の温度が1000万Kを超えると、水素がヘリウムに変換される水素核融合反応が始まり恒星となる、これ以下の天体は恒星になれない(p98)

    ・核融合でできた恒星内部の元素は玉ねぎ構造になっている、鉄が中心で、外側に順に、ケイ素・硫黄、酸素・ネオン・マグネシウム、炭素・酸素、ヘリウム、最表面は水素である(p99)

    ・2006年8月から、太陽系は、8つの惑星(冥王星除く)、2008年7月から、5つの準惑星(冥王星、ケレス(火星と木星の間にある)、エリス、マケマケ、ハウメア)が定義された(p110)

    ・時速4万キロで飛んでくる小惑星の地球への衝突を避ける方法として、軌道を変えるのが有力、1)小惑星の近傍で核爆発を起こす、2)宇宙機を着陸させて岩石を宇宙に打ち出す等がある(p142)

    2011/6/19作成

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