静寂に愛は降りつもる (B-PRINCE文庫 ま 2-1)

著者 :
  • アスキー・メディアワークス
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本棚登録 : 49
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048703970

感想・レビュー・書評

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  • 読みながら感じたのは、この作者さんは頭良い人だろうなと。賢いと思う。アホが書く文章じゃない。
    単語選びのセンスは繊細で流麗。
    この文章は『ライトノベルじゃない』
    普通の小説のよう。この方なら純文学も書けるのではないだろうか。

    だから、ふだんラノベを好んで読んでいる層には読みづらい文章に映りそう。漫画みたいにセリフばかり連なっているわけでもないし、ビシャーンとかプニッとかキュンとかの効果音があるわけでもないし。笑

    また『文章は文学っぽいのに挿し絵はラノベ絵』という不一致さは違和感を感じさせる。仕方ないのだけど。

    物語に関しての感想は、受のキャラクターがけなげかわいそう切ない病んでれ、といった感じなのだけどちょっと悲惨な目に遭いすぎかも…不幸振りかかりすぎ(´・ω・`);
    可哀相萌え!悲惨萌え!っていう読者にはいいと思います。

  •  海聖は、三年前、自身の母親が父親を殺してしまうという凄惨な事件をきっかけに、心に深い傷を負った。
     唯一残った肉親である年の離れた姉は、そのまま海外で仕事を続けることを選び、姉の親友である青年実業家の藍原のところに預けられることになった。
     海聖はそれすらも、姉に裏切られたように感じられ、一切の人を信じられなくなってしまう。
     ところが、藍原はそんな海聖を時間をかけて見守り、保護し、どんな暴言を海聖が吐いても許してくれ、慈しんでくれていた。
     海聖とは、そんな藍原に少しずつ惹かれていったが、愛する男を独り占めするために殺してしまった母親のように、いつか自分もなってしまうのではないか、という恐怖心から、決して自分のこの想いを口にするまいと考えていた。
     一方の藍原は、無心でなついてくる海聖のことを、いつしか愛おしく思っていた。
     そんなある日、海聖が発作を起こし、藍原が人工呼吸を施したのに、海聖の身体が反応してしまう。
     必死に隠そうとした海聖であったが、その反応が藍原の隠していた想いに火をつけてしまい、海聖は藍原に抱かれてしまう。

     という話でした。
     本来であれば、ここでハッピーエンドでおしまいになるところだと思うんですが、行為が終わって、うとうとしている海聖が藍原がつぶやいた「こんなはずじゃなかった」という一言で、話がややこしくなってしまいます。
     藍原としては「成人してからきちんと告白しようと思っていたのに、こんなはずじゃなかった」という意味での一言だったんですが、海聖にはそうは聞こえなくて、「手を出すつもりじゃなかった」という意味だと受け止めてしまっていて、海聖は悶々とし、ますます眠れなくなって体調を崩して……
     でも、まさか藍原は自分の想いが通じてないとは思っていないから、そこで更にすれ違いが起きて……という話でした。

     なんというか、海聖が負った心の傷は重くて、とても大変で、最初はそのことに胸がぎゅっとしたんですが。
     最後は登場人物全員のちょっとずつの不器用さにちょっと切なくなりました。

     話としては書いたみたいに、割とベタな流れだと思います。
     薄幸系の受けが好きな方にはオススメです!

  • 全体的な話は好きな感じで良かったんだけど
    藍原サイドを途中に挟む構成と、回想が多くて入り込めず
    残念だった。

  • 主人公の過去の設定が、最後までうまく生かしきれなかったような…お姉さんが読者にはあまりいい印象は与えずに終わってしまう、身勝手なだけ、という感じでちょっと残念だった。

  • 出だし面白そうだったから買ったのですが、後半ダレました。ちょうど真ん中辺りまでは楽しんでたのですが。いきなり真ん中であらなし崩し的に唐突にやっちゃうんだなぁと拍子抜けしたら、そこはそこで気持ちが通じ合ってなかった。て事でならまぁいいか、巻き返すかなと思ったらすれ違い勘違いが同じ事の繰り返しで長くてダルかったです。話合えば解決する話なんだもん。話聞かないから。話聞かない理由は描かれてるし仕方ないとは思うけど長すぎた。
    話自体は結構酷い設定です。ネタバレするけど、帰ってきたら仲睦まじかった両親が血塗れで死んでた、しかも真相が酷く、さらに追い討ちかける親戚の人達。とまぁ不幸受です。にしてもあんな親戚に弟頼もうとするのはやっぱり姉首傾げちゃった。
    母と同じ道辿りそうで自分に歯止めをかけるとか、よいよいと読んでたら何かあっさり解決しちゃったような。せっかく重くシリアスに使ってきたんだからクライマックスもうちょいうまく料理して欲しかったですよ。クライマックスもだし、物語的に盛り上がる部分がどこもあとちょい!て感じであっさりしてて物足りなかったです。
    あとシリアス雰囲気に合わせてなのか単語わざと日常用語から外れたとこ使ってる?違和感。周章、使いすぎ。前にこの作家さんで読んだのがあほあほだったからかなー。
    イラストも残念だった。ラノベ絵だけどシリアス話には全く向いてないしそして下手だった。表紙詐欺。話の助けより邪魔してるー。誰と見たら見た事もない人で帯よくみたらイラスト部門で賞もらってこれがデビューだそうな。この程度で賞もらえるのか…。中高生が描いたようなんだったよ。ページ毎に顔違うし完全デジタル丸わかりのぬるっとして目が滑る。

  • 結構暗い設定ですよね。受の海聖がPTSDがもっています。でも前向きでなんとか治そうと頑張りますが人に頼ることが苦手。
    最も信頼できる藍原(攻)にすら頼り切ることができずに頑張る海聖が健気ですね。

  • 牧山さんを昔の本から読んでいるけれど、これは誰が書いたの?と思ってしまった・・・。悪い意味ではなくいい意味です!普通?本も書けるんだ!!って思ってしまいました。内容もすごく良かったです。

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著者プロフィール

牧山とも Tomo Makiyama
シャレード文庫『きみと二人でウチごはん』をコミカライズしていただくにあたり、新たに巻末収録のショートストーリーを書かせていただきました。
久しぶりに朝日奈と史佳のお話を執筆できて、楽しかったです。

「2020年 『きみと二人でウチごはん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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