ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)

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著者 : 三上延
制作 : 越島 はぐ 
  • アスキーメディアワークス (2011年3月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (307ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048704694

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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)の感想・レビュー・書評

  • ずいぶん以前から話題になっていたようだけれど、ようやく読了。正直なところ、マンガの原作かな?と思わせる表紙のせいだったのか、今まで手に取ることもなかった。
    なんとなく見始めたドラマの方が先行する結果となり、それが思いの外おもしろくて、図書館で借りてきたというわけ。
    私の周りの読書仲間さんは、キャストがかなり納得いかない様子で、「とにかく読んでみて!」とのことだった。

    北鎌倉で古本屋「ビブリア古書堂」を営む栞子さん。
    人見知りが激しく、人と親しくなるにはだい分時間がかかりそうだが、本のこととなると人が変わったように生き生きと語りだす。
    事件現場に駆けつける訳でなく、状況や経緯を聴くことで解決への糸口を見つけ、絡まっていた糸をほぐすように、事の次第を明らかにしていく。
    最初に事件を持ち込んだ大輔くんも栞子さんの店で働くようになり、大輔くんが仕入れた情報をもとに栞子さんが本にまつわる事件を解決する。


    おもしろかった。
    もっと早く読めばよかったなと少しばかり、損した気分。
    坂木司さんや近藤史恵さんのライトミステリーを彷彿させる。
    栞子さんの本に対する愛情が読書好きにはたまらない。
    その上、舞台は北鎌倉。
    かなり私のツボをついてきますね。


    4つの短編からなるが、2つ目の中年のホームレス・志田さんと高校生の奈緒のくだりはとてもいい。志田さんが『落穂ひろい』から引用する、

    「なにかの役に立つといふことを抜きにして僕たちがお互ひに必要とし合ふ間柄になれたなら、どんなにいいことだらう」(P154)

    は、素直になれず、とがった奈緒が本当は繊細な心を持て余し、自分でもどうふるまったらよいか分からず虚勢を張っているのを緩め、溶かしていくきっかけとなっている。
    この先もこの2人が登場してくれたら、いいな。


    また、4つ目の話の中で、栞子さんと理解しあえると感じ始めていた大輔くんがふとしたことから、信じることに疑問を感じ離れそうになるけれど、私には栞子さんが大輔くんを信じているからこそのふるまいなんじゃない?、と感じてた。
    そう、大輔くんに伝えたかったけれど、ムリなわけで・・。
    やきもきしているうちに、結局また2人はもとの状態に戻ってきていて、何やかやと心配したのに・・とまた、おせっかいな気持ちになっていました。
    あちこちに見守りたい関係があって、この先も大変気になります!

  • いやぁ〜やっぱ
    先入観で避けてたら
    ダメっスよね〜(笑)

    表紙の萌え〜なイラストに
    なんだかな〜っと思い、
    今まであえて読まなかったけど
    ホンマごめんなさいを
    言っときます(^_^;)


    文庫本にして
    本屋大賞ノミネートも伊達じゃない
    しっかりとした実力を備えた
    面白さですね♪



    いかつい体で本が好き、
    けれども幼少時に受けたトラウマから
    活字が苦手な
    五浦大輔(ごうらだいすけ)。

    艶やかな長い黒髪の美人だけども、
    内向的でアガりやすい
    ビブリア古書堂店長の
    篠川栞子(しのかわ・しおりこ)。

    たまに店番をする栞子の妹の高校生、
    篠川文香(しのかわ・あやか)。

    イカつい坊主頭で小男のホームレスで
    せどり屋の志田。

    絵に描いたような美青年で
    「男爵」と呼ばれる
    せどり屋の笠井。


    第一話では
    五浦の祖母の形見の古書
    「漱石全集・新書版」
    から見つかった
    夏目漱石のサインらしき
    書き込みの謎。

    第二話では
    小山清の「落穂拾ひ・聖アンデルセン」を盗んだ女子高生の秘密とは?

    第三話では
    ヴィノグラードフ・クジミンの
    「論理学入門」に隠された夫婦の絆。


    と連作短編の形をとりながら
    ビブリア古書堂をめぐる物語が進んでいきます。



    いやぁ〜
    それにしても上手い。

    他人と本の話がしたくても
    できない女と、
    本が読みたくても
    読めない男の
    恋の行方も絡めながら、

    日常の中に潜む
    小さな謎を紐解いていく
    ミステリー的要素と、

    嫌みにならない程度で抑えられた
    豊富な古書の知識、

    必ずその小説を読んでみたいと思わせる
    物語の構成力、


    そしてなんと言っても
    登場するキャラたちが生きていて
    漫画的な魅力に溢れているので、

    本来ならとっつきにくい
    古本というコアな世界をも
    興味深く読ませてくれる。



    それにしても
    自分と向き合う時間をくれる
    本の存在って
    不思議ですよね。


    群れから抜け出し
    孤独を楽しむには
    本を読むという行為が一番適していて、

    そんな孤独こそが
    他人を気遣う心と、
    自分の中の
    揺らがない「核」を作ってくれる。



    古書に隠された
    それぞれの物語を知ることは、
    自分にとって
    まだ見ぬ「言霊」に出会う旅です。


    この小説が教えてくれる
    未知なる「言霊」に思いを馳せながら、
    この不器用な二人の
    恋の行方がまた
    気になるところです(笑)

  • 梶山季之のアノ本を読んだ時、ブクログ仲間さん達の話題に上っていたので気にはなっていた。でもライトノベルっぽい装幀と、ちょっとブームに乗り遅れた感もあって手を出しそびれていた。
    今回のテレビドラマ化と書店の大量平積みのダメ押しに乗じて、ようやく購入。
    正直なところ少し甘く見ていた。
    三上延さん、すみません。とっても面白かったです。

    東西2軒のブックオフを直線で結んだ中間地点に我が家はある。
    自転車でぷらりと行けるその範囲内には、それとは別に古本屋が3軒ある。
    品のいい老夫婦が営む、時代小説と文芸書が中心の昔ながらの店。
    松本零士か水木しげるの漫画に出てきそうなオヤジがいる、SFやらミステリやら特撮関係の謎の本が大量にある魔窟のような店。
    新進の若い店主が開いた、外国の絵本や昔の婦人雑誌などが綺麗にレイアウトされている洒落た店。
    ジャンルは被らずうまく棲み分けはできているようだが、もしかしたら業界にも暗黙の了解とか仁義があるのかもしれない。
    三ヶ月に一度は近所の神社で蚤の市が開かれ、古書の露店も出る。
    そして毎年秋口には表通りで素人参加の古本市も催される。

    百円、二百円で掘り出し物を探し当てては部屋の隅の椅子にぽんと置いていた。それはいつしか背もたれを越え、脚の内側に置いていた本も溢れ出し、椅子を骨組みとした蟻塚のようになってしまった。部屋を掃除しても、なぜだかその蟻塚だけは崩すことができない。
    僕は読書以上に「本」そのものが好きなのかもしれない。
    北鎌倉の、栞子さんの営む『ビブリア古書堂』は本好きにとっては夢のような場所だ。そんな店があれば是非行ってみたい。

    本には人の様々な思いが詰まっている。
    しかし思いも強すぎれば狂気となる。
    そして本と人の縁はどこかで必ず巡ってくる。そんな話。

    古書の蘊蓄とそれにリンクした謎解きと人間ドラマが楽しい。
    栞子さんの「ベッド・ディテクティブ」ぶりに唸る。
    意外なところに張られた伏線と話の運び方や各短篇のラストの「引き」の演出の巧さ。小道具の使い方やミスリードも憎い。
    もっと早く読んでおけば良かった。
    さっそく2巻を買ってきてしまった。

  • 僕にとってビブリアは初めてはまった日本の小説だ。アメリカに生まれ、アメリカで育った僕はあまり小説には興味なかった。日本の補習校には通っていたし、親には日本語でしゃべったけど漫画くらいしか日本の文学に興味を持っていた。今年の夏、ニューヨークシティにある紀伊国屋で僕は「おすすめセクション」でこの本を初めて見た。英語にはこういうことわざがある。「本は表紙を見て判決を下すな。」通常、僕はこれに同意するが、今回はそのことわざを無視して、物凄く綺麗な女性が描かれている「ビブリア古書堂の事件手帖1 〜栞子さんと奇妙な客人たち〜」を買い、帰りの電車で読み始めた。ほかの人には僕が初めて補習校の教科書以外の日本語の本を読む人には見えなかっただろう。所々辞書を引く必要はあったし、三巻まで主人公の名前である「篠川」を「ふじかわ」と呼んでいたけどとにかく内容が面白くてそれ以上に読みやすかった。僕の一番好きなところは「事件手帖」って書いてあるけど殺人事件や強盗事件ではなく、普通にどこでもある日常的な事件のことだ。アメリカにはこういう本はほとんど無い。テレビでもいま流行っている本にも必ず誰かが死ぬ。本当にワンパターンだ。でもビブリアはそれと違うし、主人公達が助ける人々はその章だけじゃなく後に出てくるのもまた面白い。一巻を買った日、僕はなんで続きを買わなかったのだろうとすこし悔しがった。年に二,三回しかシティに行かない僕は生まれて初めて二日連続でシティに行って、残りの四冊も買って、すべて一週間以内に読んでしまった(もっと時間をかけて、楽しんで読んだほうが良かったかもしれない)。ビブリアシリーズは僕に日本の本に興味を持ってくれた小説だ。6巻が紀伊国屋に着くのを僕はソワソワして待っている。

  • 幼少期に祖母の本棚に近づき、打たれた経験から、本を読めなくなった大輔。ひょんなことから、黒髪ロングの眼鏡美女 栞子が店長を務めるビブリア古書堂で働くことになり…

    夏目漱石「それから」や太宰治「晩年」、小山清「落穂拾ひ」…。栞子の並外れた推理力により解明される謎の数々。

    「自信モテ生キヨ 生キトシ生クルモノ
    スベテ コレ 罪ノ子ナレバ」
    太宰のこの言葉をどう解釈するか。

    国文学専攻のくせに純文学嫌いなのだが(エリートのぼっちゃんたちが周りをさんざん振り回した挙句自殺したり、当時の作家の生き方が気に入らない)、少しは読み返そうかな。

  • 夏目漱石の「それから」に署名して、不倫相手の人妻に贈る。しかも、単行本ではなく本棚にあると不自然に見える全集の1冊を…。これって「氷の微笑」的な嫌がらせですよね。栞子さん、そこはスルーなの? あとで、どろどろとしたサスペンスにつながるはず、と期待するものの、なんかいい話で終わっている??

    まあ、そんなゆるーい、いい感じの小説。アニメのナレーション的語り口、気恥ずかしくなるようなベタな展開、気になる点は多いが、意外にも楽しめた。

    それは、作家が本当に本好きだから。ビブリオマニアの世界をマニア向けではなくやさしく表現しているのはたいしたもの。
    で、伝説の生き物である「ロングヘアの黒髪、色白、読書好きで恥ずかしがり屋、でも自分にだけは好意を寄せてくれる女性(しかも巨乳)」を妄想全開で嬉々として書いてるから、他のキャラはともかく、そこだけ活き活きしている。

    ピーター・ディッキンソン、アンナ・カヴァンとなかなか手にはいらないサンリオ文庫の本、森山大道の写真集、と栞子が読んでいる本にジェラシー。

    …と、いろいろ書いていたが、ブクログのレビューをパラパラと見ていたら、まったく小説を読んだことがなかった方が、この本をきっかけに読書の面白さを知った、とあり、素直に本を読めなくなった自分を反省する夜。

  • 予約数3桁だったけど、蔵書が多くてわりとすぐ順番が来ました。
    うんうん。
    本がテーマだったり、日常の謎だったり、人情系ミステリーだったり、
    最近よく見かけるなーって感じですが
    栞子さんのキャラがかわゆくて、古書っていうのが渋くていい。
    そして、こういう本に共通する感想として、
    ミステリーとしてはまぁまぁだけど、本にまつわるエピソードや人間ドラマが
    くすっとしたりほろりとしたりでおもしろい。

    登場人物もひとくせふたくせあるし、鎌倉の町や古書堂も独特の雰囲気があり
    個人的には、やっぱり連ドラ見なくてよかったな、と思いました。(笑)
    わたしのイメージで読めてよかったです。

  • 昔から古本屋(今のような大型店ではなく)を巡るのは好きでしたが、最近は本当に少なくなりました。
    この作品ではそんな懐かしい古本屋を思い出しましたが、店長が可愛い人で、しかも店にいないとは。
    本が読めない体質というのは、本好きにはわからないのですが、とりあえずそういうものだと思い読んでいくと、店長不在のわけもわかります。
    一つ一つそれぞれ本にまつわる事件を現場を見ずして解決していきます。賛否両論あるでしょうが、それもなかなか面白かったです。
    ドラマは…もう最初からイメージが違っていたので見ませんでしたが、内容を全部読んでもなお何故剛力かと…。

  •  鎌倉のひなびた(?)古書店・ビブリア古書堂を舞台にした、古書にまつわる短編ミステリ集。北村薫の「円紫師匠シリーズ」や米澤軽穂の「古典部シリーズ」のような、"人の死なないミステリ"で、読み口あっさりで楽しめました。

     章のタイトルが古書情報(著者名『書名』(出版社名)と文献紹介のルール通りで、大学のゼミのレジュメ制作を思い出しました(笑))で、それらの本のあらすじ・内容をうまく利用したお話に仕上がっています。少し前に田中啓文の「笑酔亭梅寿謎解噺シリーズ」を読んではいましたが、上方落語のネタを下敷きにしてトサカ頭の主人公と豪放磊落な師匠・梅寿のムチャクチャな登場人物たちのミステリだったので、受ける印象は180度違いました。(誤解の無いように申し添えておくと、どちらの作品もそれぞれ十分面白いです)

     幼い頃に祖母との間であった"ある出来事"をきっかけに、活字が読めなくなった主人公・大輔。そんな彼が、亡き祖母の蔵書を処分する際に、岩波新書版の夏目漱石全集に夏目漱石のサインがあることを発見。その真贋を確かめるためビブリア古書堂を訪れるところから話が展開しはじめます。献呈署名や古書店の値札に秘められた違和感から、祖母が残した謎に迫っていく第一話。オチが全然見えなかったので吸い込まれるように読みました。
     続く第二話は小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』と知らない本。50がらみのオッサンと女子校生の間に起きたメルヘンみたいなミステリです。せどりについては何となく知っていましたが、本書に出てくるのは古式ゆかしい(?)せどり屋さんで、私がブックオフで見かけたのは、105円コーナーを流しつつ気になった本があれば片っ端からスマホでAmazonの値をチェックする、そういう人でした。かくいう私も大学時代、恩師の教科書がブックオフで投げ売られているのを見つけ、専門書を高く買ってくれる古書店に持ち込んで利ざやを稼ぎ、帰りに友人とうどん食うて帰ったことがあるので偉そうなことは言えませんが…
     ヴィグノグラードフ クジミン『論理学入門』も青木文庫も私は存じませんでした。本の内容(論理学)の使い方はちょっと物足りないかも、ですが、古書の知識も「へぇ~」でしたし、何よりええ話だったのでオールオッケーです。
     そして最後が太宰治の『晩年』。袋とじの元祖みたいな本(こう言うと稀覯本の値打ちも台無しですが…)と、大輔自身にも関わる謎、そして身に迫る危険、とスリリングな展開でした。

     あとがきに、本書のモデルになった鎌倉の古書店はなく、想像を膨らませて書いたとありました。
     そう言えば、予備校の先生が「私は鎌倉出身ですが、鎌倉が嫌いです。あんな図書館も本屋もろくに無いところ…」と授業中にボヤいていたことを覚えています。私自身は鎌倉に行ったことが無いので、先生の言う「本が無い」というレベルがどの程度のものなのかはわかりませんが、何となく「こんなところで古書店やってても、まぁお客さんは来ないだろうなぁ~」とか勝手なことを思いながら読んでいました。まぁ、今はネット販売があるから、モノさえちゃんとしたものが仕入れられるのなら、そういう立地条件もある程度は緩和される方向にあるのかもしれませんが。

     栞子さんについては、美人だしスレンダーだし巨乳だしで外見的には言うこと無しですが、実際に会うと、あの『おおきく振りかぶって』の三橋君レベルのきょどりっぷり*にイラッとくるだろうなぁ…(じゃあドラマで栞子さんを演じてるあの人が良いかと言われると、それはまた別の話…)。
     それに、ここだけの話ですが、私の周囲を思い返したとき、本の話や蘊蓄になるとスイッチが入って堰を切ったように語り出す女性って、どちらかというとビジュアル的には栞子さんの対極にいるような方しか思い浮かびません。信長・秀吉・家康が名古屋から美人を連れ出したせいで…という俗説がありますが、もしかすると源頼朝が幕府を開いたときにヲタ系美女を鎌倉にかき集めたというような事実があるのでしょうか。…今度網野善彦先生の著作を読み返してみます。

    *きょどる…挙動不審っぷりを全開にすること。具体的には目を泳がせながら故・大平正芳首相のような「あー、うー、うー」と言うとそれらしくなる。一部の若者が用いる造語と思われる。

     えらい方向に話がずれていきましたが、軽く読めて楽しめるオススメミステリです。

  •  三上延 著「ビブリア古書堂の事件手帖」を読みました。

     鎌倉でひっそりと営業している古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主、栞子は極端な人見知りだが、こと本のことになると抜群の知識を発揮し、古書にまつわる謎を次々に解き明かしていく。そんな彼女をほっとけない大輔は今日も古書堂に通うのだった。

     どうも自分は連作短編の作品に弱いようです。

     一つ一つのお話は短いのに、ある謎で一つにつながっていて、読み進めるうちに少しずつ解明していくような。

     おまけにヒロインは人見知りなのに、かなりの美人でグラマーとくれば、大輔でなくともほっとけません。

     もちろん、それだけではなく本の魅力を改めて教えられたような、だから読書はやめられないのだと強く感じました。

     古本屋というかなり地味な場所を舞台としながらも、本の魅力を伝えつつ、これだけ読ませるこの作品に出会えてほんとに幸せだと思えました。

  • すらすら読めてあっという間の読了でした。
    表紙の美人さんに釣られて手に取りましたが、内容も面白かったです。

    「本」をめぐる謎、ではなくその本を所有していた人たちの謎を解いていく。
    その謎と「本」が良い具合にリンクしていて、紹介されているわけではないのになぜか読んでみたくなります。
    また、体質のせいで本が読めない五浦さんと、本好きで話したくてたまらない栞子さんの、持ちつ持たれつな関係が良いですね。きゅんとします。

  • けっこう長いこと積んであったんだけど
    取り敢えずドラマが始まる前に、と思って急いで読んでみた。

    先ずは栞子さんの洞察力の深さに感服。
    というか本に関してだけの桁外れの洞察力発動は天才といえるレベルだろう。
    『ガラスの仮面』でいう北島マヤ的な(笑)。
    そして本のために人を殺めかねない執着心を持った人間がいることに
    恐ろしさと薄ら寒さを感じた。

    話の中に絡んでくる本のチョイスを見る限り
    相当な本好きの作者なんだろうと思う。
    本好きは往々にして
    本を読まない(読めない)人の気持ちが理解しにくい場合が多いが
    この話の中では偏執的といえる本好きが登場する一方で
    本を読めない人の心情もきちんと汲み取られてるところに好感を持てた。

    この本がヒットしたことで、もっと本読みの人口が増えてくれたらいいな、と思う。
    そしたらブクログのレビューも更に書き甲斐があるってもので。

  • ブームが少し下火になってきたとはいえ、「面白い」との世間の噂で手に取りました。

    悪くはない、と思う…でも、大輔くんが全編にわたって持っている、「本が読めない」という思いこみはちょっと違うんではないかな?とも思う。正確には、「本を読んでみたいけど、そのきっかけを失ってしまって、再チャレンジの機会もないと思いこんでいる」という感じではないのかしら?そこまで本は非寛容ではないと思うけど…とはいえ、この本を手に取るのは、大輔くんと同じような感覚を持った、彼と同年代のかたが多いだろうし、そこへのシンパシーを誘う表現は的確で冴えていて、子供のころから周りの本を読み散らかし、そういう感覚を持ったことのない私には新鮮でした。

    でも、古書に残された奥付と署名と為書きを見れば、目の前のものが、どういうルートやエピソードでここにあるかって、だいたい憶測がつくでしょう?と感じるのは私だけなんだろうか。しかも、そういう情報をトレースする能力のある人間は多いでしょうから、栞子さんの卓抜した能力かというと疑問が残る。だからか、そこには残念ながら新鮮味を感じませんでした。これは、私のリアリズム好きと、緻密な諜報もの筆頭(だと思う)、ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』を直前に読んじゃったからかもしれないけど。本と本、本と人とのつながりの美しさ、濃さにスポットを当てるなら、森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』の、糺の森の古本市のシーンのような、過剰なまでの思い入れと事実とメルヘンさを組み合わせたシーンがほしかったように思います。

    どちらかというと、「こんな世界もありますよ」という、青少年向けの「初級古本ガイド小説」の域を出ないと感じてしまい、「この程度かよ」と思ったことも事実でした。あそこまで類型化した萌え系登場人物の面々でないと、読者は食いついてこないのだろうか?とか、なんだかいろいろヤングアダルト的にお約束な展開で、本来の「ページターナー」とは違った意味でがんがん進み、瞬殺的に読了…。

    まあ、いろいろ書きましたが、これはただ単に、私も「ティーン小説」などというシロモノで通ってきた道にもかかわらず、年月を経てしまったせいで、今持っている好みとこの本がずれていたということですので、そこはごめんなさい。でも扉絵の、人物なしの風景はよかったですよ。

  • 鎌倉の古書堂での本にまつわるミステリーなんて
    大好きが詰まりすぎてて、設定だけでもうっとりだったけど
    夏目漱石や太宰治など、物語、作家、そして本自体への
    愛情の詰まったお話ですごくおもしろく、また新しい興味も
    湧いてくるステキな1冊でした[*Ü*]

    「最後から二番目の恋」に出てくるのも鎌倉だったので
    あの雰囲気に想いを馳せながら、自分の空想の鎌倉を
    ゆらゆらと漂うように物語の風景が浮かびつつ
    その情景と細かく書かれた季節ごとの描写に
    実際の季節を置いて、ココロの中でいろんな季節を
    巡っては、時には懐かしい自分の中の思い出の風景や
    情景と重なって、ノスタルジックで楽しい時間を過ごせました。


    ビブリア古書堂に生まれたふんわりとした輪のそれぞれの行先と
    これからどんな本にまつわるお話が出てくるのか、続きが楽しみ!

  • 表紙絵でスルーしていたのですが、評判が良さげなのでポチッと。確かに「表紙だけでスルーしてごめんなさい」という気持ちはわかる。
    古書にまつわり、いろんなイベントと人の思いを絡めて、なかなか面白深い展開に。ミステリーというか推理小説に分類されるのかしらね?
    ガツンとくる骨太さ、読み応えみたいなものはないのですが、じわじわと感じてきます。坂口夫妻にホッとしたり、後半の栞子さんの怜悧さみたいなものを垣間見たり、なんて展開は面白かったです。
    古書の内容に被った話を作ってくるなんてすごい発想だと思いますよ。
    読みやすくて、でも謎掛けがちょいちょいあって、古書に関する知的好奇心もくすぐられる。作者の本に対する愛情を感じるし。全体がほんわりと優しい。まあ、展開がやや強引な気もしなくはないですがね(笑)

    ちなみに私は古書ダメ派。なんとなく、人が触ったものではなく新品希望。なので、古本屋に行くことはない。なので、古書に『人の手から手へ渡った本そのものに、物語があると思うんです』という「その本を所有していた人の物語を感じる」ことは、自分にはない面白い視点だと思った。
    実写化・アニメ化しそうだなあ。でも動きが少ないかな?読んでいませんが、氷菓の原作もこんな感じ?と想像。なんとなくイメージがダブるんですよね。

  • 超ベストセラーらしいけど、若者向けだろうと勝手に決めつけて敬遠してテレビドラマも観てなかった。
    図書館の文庫本棚でたまたま見つけて、いったいどこがそんなに話題になるのか?気になって借りてみた。
    さまざまな古書を巡る人間模様と謎解き。
    読みやすく書かれているし、小難しそうな古書にも親しみが沸き、なんだか身近なものに感じさせてくれる。
    古書店を舞台にした作品といえば、小路幸也氏の「東京バンドワゴン」も思い出す。温かい人間味に触れてみたいならバンドワゴン。古書の独特の匂いを感じたいならビブリア古書堂。と自分で勝手にそうイメージしている(笑)

  • ネット上の親友が愛読していて紹介してくれました。

    ヒロインの栞子さんが魅力的で、本に対する薀蓄が
    豊かに披瀝されることがこの物語の魅力ですね。

    また、舞台が北鎌倉で、読書という静かで内省的な
    行為に似つかわしい雰囲気を持っていること。

    古書が作品中の事件の謎解きのヒントになる
    のですが、古書の持つ古びたセピアな感じや
    人にまつわる歴史を感じさせるのが
    鎌倉という古都に似合っているのも
    この作品の魅力を増しています。

    惜しむらくは栞子さんが、文学少女シリーズや
    氷菓のヒロインと印象が被ってしまうこと。

    古典部シリーズのヒロインより、栞子さんの
    方がよほど上品で素敵ですし、地の文も
    しっかりしているので好きですが

    「ああ、またこういう感じの女性ね。」

    と思ってしまうのがちょっと惜しいです。

    対してサブキャラは、苦労人や世間で光の当たらない
    ところにいる人達がいい味出してて好きですね。

    これがなかったらただのライトノベルですが
    登場人物に苦味や苦労、寂しさがあるのが珍しい。

    本を読むっていうことは、どんな人にも享受される
    内心の自由の行為なのですね。

    中身が好き嫌いじゃなく、あの雰囲気に浸りたい
    と思った時に続きを読みたいシリーズです。
    続きも読むつもり、です。

  • 取り上げられた本は4冊。それぞれの古書にまつわる物語であるが、
    1夏目漱石、それから、は事件と書籍の内容が一致していることを暗示する。
    2小山清、落穂拾い、も物語との一致が多い。共感した2人の出会いがある。
    3論理学入門。この本が取り上げられた意味がわからない。更生する事を考えるなら、人生訓の方が適切であるとおもうのだが。
    3つともいずれも事件推理(読解)が短く語られすぎている。ベースとなっているのが本の物語とうところか?
    4太宰治、晩年、は前までの物語が伏線となっているが、気が抜ける程に以外だが感じない。最後まで続く。
    古書と、その流通についての調査は良くできているのだろう。手の届くところの古書(文庫)であった。

  • 本書はTVで放送されましたし視聴もしているので、復習のつもりで読みました。
     勿論、僕も本が好きなので、古書の薀蓄は楽しめました。
    一応、推理小説の分類なんでしょうかね・・・どちらかと言うと、推理よりも恋愛系の要素が印象的でした。その点が、この小説が人気の要因だと思います。

     楽しく読ませていただきました。引続き、第二巻も読みます。

  • 出勤する日の朝、何気なく見てたテレビ(後に王様のブランチだということがわかった)の特集を見て興味を抱いたのが事の発端。古書に宿る、今まで所持していた人達の物語を数少ないヒントから察し、優しく触れていく…… 率直に言えば各エピソード全て面白かったですが、うん……いい意味でほんの少し切なさが余韻として残りました。 一番心に残ったのは栞子と大輔の「本」に対する価値観からきた信頼の有無による決別かな?私は本に対してではないけれど、あの栞子の「信頼しなきゃ……でも…」な気持ちの葛藤にすごく共感しました。

  • 面白かった!!
    すごいなぁ…
    一冊の本からこんなミステリー的な物語が生まれるなんてw
    早く続きが読みたいっ!!

  • 三巻まで。

    古書を取り巻く人間模様。
    謎あり事件あり。
    安楽椅子探偵さながらに栞子さんがズバズバ解決していく。

    どんな本が出てくるか、価値は、どんなドラマがあるか、。
    非常に面白いテーマだと思います。

    このようなサイトに感想UPしてるんですからそそらないはずがないですね笑

    栞子さんが美人、ドジッ娘、天然、本好き、ナイスバディと3倍満みたいな女性なんですが、ちょっとした裏があったりなかったり。

    そこは好みが分かれるところでもあり、この作品の評価に直結する場合もありますね。

    私は好きです。

    突拍子もなく話が進む場面もあるように感じましたが、
    短編としても楽しめますし一冊で一区切りついてて好印象です。


    ゴーリキさん主演ドラマで話題。
    えーと。なにがどうなれば栞子さんがゴーリキさんになるんでしょうか。

    ゴーリキさん本人は嫌いでもありませんがあまりにイメージとかけ離れてるかと、
    きちんとしたキャストたてて映画つくればよかったのにねー。と思いました。

    4/26
    2、3巻読了。
    読みやすい。本にまつわる薀蓄はやはり面白い。
    一巻では起伏をつけるために強引に話が展開するところがありますが、
    自然に物語が進むこちらのほうが好みです。
    栞子さんがますます可愛いです。そしてブラックな感じがますます出てきてそれに葛藤してる様子も。。
    ★3から★4に変更。

  • 先にドラマを見たので、あまりの設定の違いに唖然としたという。(^^;
    僕は圧倒的に小説の設定の方が好きですね。
    なんというか、栞子さんが入院している方が、全体の話の流れがより自然な感じがしました。
    ワトソン役の男の子の設定も、本当にあるかどうかは置いておいて、よく考えられていると思います。
    全体の話の落ち着き加減からちょっと浮いている最後の話については、一瞬違和感を受けないでもありませんが、瑕疵としてあげるまでのことではないかな。

  • 某M先輩に勧められて、思わず川崎の本屋で即買いした。全く知らなかったけど、テレビドラマもやっているし、流行っているらしい。読んでみると、さらっと読めて、まあ、面白い。とはいえ、さらっとしているので、まあ、面白いけど、読むのはこの一冊でいいかな、と、途中まで思っていた。が、最後まで読んで、意外に栞子と大輔のビミョウな関係がいい感じなので、なんとなく、続きも気になる。2冊目も買ってしまうかも。
    古本にまつわる、一種の推理小説、プラス、色恋ネタがスパイスの話。

  • 当たり前ですけどドラマより俄然いい。すでに見てしまったものも面白く読めたし最後の「晩年」がすごいよかった。
    ミステリーとしてももちろん楽しめるけれど、北鎌倉の雰囲気や栞子がとても魅力的でした。

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ビブリア古書堂の事件手帖―栞子さんと奇妙な客人たち (メディアワークス文庫)の作品紹介

鎌倉の片隅でひっそりと営業をしている古本屋「ビブリア古書堂」。そこの店主は古本屋のイメージに合わない、若くきれいな女性だ。だが、初対面の人間とは口もきけない人見知り。接客業を営む者として心配になる女性だった。

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