罪深き緑の夏

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 58
感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048725156

作品紹介・あらすじ

十二年前の夏、"蔦屋敷"と呼ばれる熱海の洋館で僕は白いドレスの少女百合に出会った。そして今、僕の目の前に百合が居る。動かなくなった体を横たえ眠っている…。華麗な舞台装置、耽美な物語世界を独得な個性で描く、横溝賞受賞女流の受賞第1作長編ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 様々な罪が絡み合う古い屋敷。

    と、いうモチーフからしてウハウハ。
    絵が絡んでいるところ、兄弟の愛憎がさらにくすぐる。

    実はいろいろ起こっていることの「明確な説明」が提示されていない……?
    あの少女が、あの二人の娘だったということ、サラ―ッと流されておりましたが(予想していたとはいえ!!)、きっとこの屋敷の中ではさもありなんなのかな、と。

    とはいえ、モチーフが大好きなものばかりだったがゆえに、ちょっと肩すかし感……
    期待し過ぎた。
    著者の「この闇と光」が「おおおおお!」と叫ぶくらいよかったので……

    主人公が壁に絵を描く描写が一番好きだし、説得力がある。
    著者の経歴を見れば当然なのかもしれないが、あのくだりが一番生き生きとしていた。

  • 熱海の蔦屋敷。元家族の家柄。踊り子だった祖母。兄と娘、妹が住む。兄は作家。ジル・ド・レに心酔してる。
    茨姫、ラプンツェル、ジャンヌ・ダルク、ジル・ド・レ。お耽美ぎりぎり。
    で、その蔦屋敷にフラスコ画を描くことになったのが主人公の淳。兄の太郎、父も画家。放火事件、幼児失踪事件が起こり、誰が犯人なのか、は明らかにはされないけど。。。けど。
    この雰囲気が好きかどうか、だけな気がする。

  • 最初から最後まで、何が真実で何が嘘なのか分からなくなる。

  • 人って、満ち足りていたら、そこから生まれてくるものってあまりないと思う。
    足りないから探し求めて、欠けてるから補おうとして、現状を変えようと頑張る。
    自分を満足させるために奮闘するのが、人生の目的の一つかもしれない。

  • 服部まゆみさんの小説は私にはとても読みやすいです。
    主人公の心向きとかの描写が適度にねちっこくて気持ちいい。

    服部まゆみさんの小説を一八八八以降は発刊順に読んでます(たぶん)。
    どれも面白い。楽しかった順も今のところ読んだ順と同じで、一八八八→時のアラベスク→罪深き~の順かな。

  • 服部作品の中で一番好き。
    救いようのない話しではあるが。

    装丁が美しい。
    書影が出ないのが残念。

  • とあるお屋敷の兄妹と、画家の僕の夏のお話。

    優雅な雰囲気がとても好き。
    最後がなんだかすっきりしない終わりでそこが少し残念。
    もう少し色々説明してくれて良かったのに。
    ぼかされたとこがなんか気持ち悪い感じでした。

    少し前に文庫が出たので新しいのかと思っていたら、結構古い(それこそ発売当初生まれてないくらい)ので驚きました。

  • なんていうか、あまりのめり込めなかったかなぁ。そしてあの洋ちゃんとかいう子がどうなったのかわからなかった(どこかに記述があったのか?)

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著者プロフィール

1948年生まれ。版画家。日仏現代美術展でビブリオティック・デ・ザール賞受賞。『時のアラベスク』で横溝正史賞を受賞しデビュー。著書に『この闇と光』、『一八八八 切り裂きジャック』(角川文庫)など。

「2019年 『最後の楽園 服部まゆみ全短編集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

服部まゆみの作品

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