王朝序曲 上: 誰か言う千家花ならぬはなしと

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048727709

感想・レビュー・書評

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  • 懐かしい〜。
    ン十年ぶりに読みました。
    もう一度読みたいと思いつつ、題名がわからなかったんですよね。
    私の歴史観は、ほぼ永井先生です。

  • 先日、藤原氏始祖鎌足の時代から道長あたりまでの藤原氏の研究本を読みました。
    その際、百川の陰謀の話などが出てきて懐かしくなり、久々に本書を再読してみました。

    上巻では、桓武天皇の独裁政治が空回りし、さらに息子との確執を深めていくという、天皇の孤独と苦悩が描かれています。
    本当にね、妃が次々に死に、大水害があって、人々が怨霊のしわざだと噂し、祟られてると本人も恐怖する姿は痛々しくて。
    更に蝦夷征伐が失敗し、せっかく意気揚々勇み足で行った長岡京遷都から日を置かず平安京遷都を余儀なくされていく様は切ないばかり。
    最高権力者がこの仕打ちだもの。当時の怨霊の力は絶大だなーと思わずにはいられません(涙)

    下巻ではいよいよ、藤原氏北家の礎を築いた冬嗣が活躍していきます。
    展開は知ってるけど楽しみ♪

  • 状況や心理描写を淡々と綴っているのはいいにしても、使われている言葉が現代的なのがどうにも引っかかった。そのため「歴史小説」としては読めず、この時代を復習する参考書と考えて何とか読み切った。期待していただけに、下巻を手に取る気持ちになれず終わったのが残念だ。

  • これは桓武天皇と平城天皇の時代の歴史小説。藤原冬嗣とその兄真夏を中心に桓武と平城の親子の確執、藤原四家のそれぞれの興亡が繰り広げられる。ここまで時代も遡ると当時を想像するものも少なく作家も大変な作業だったと思う。奈良や京都といった地域に住んでいる人にはまだ少しはその時代の名残を感じることもあるかもしれないが。解らないだけにロマンがある。歴史上名高い悪女「藤原薬子」も登場するが、平城天皇が薬子にのめりこんで行った背景を父からも母からも愛を与えられなかったからと解釈している。父桓武は帝という立場と多くの女の下に通い親子という関係が希薄であり、母親は15歳で出産するとその後乳母の手で育てられた息子にとって母親以上の禁断の憧れとなり、31歳で早くになくなってしまった。愛に餓えた平城にとって妃の母親であった薬子は母の面影が重なる愛の対象となった。とある。これは源氏物語と同じじゃないか。最もこちらをモデルにしたのかもしれないが・・・薬子は魅力的で娘婿の平城ともそんな関係ながら夫もいるし、平城の部下ともそんな関係。それを桓武に怒られちゃったことから起こる争い。いったい薬子はいくつぐらいだったのだろう。30くらいかな・・・大体古代には余り近親相姦的なことへのモラルは少ない。腹違いの兄弟で結婚したり、天智天皇なんか実の兄弟でそうだったり・・・らしいが。夫がいても天皇の子供を生んだり、何人もの女の下に通ったり、派手だけど、それって今の若い子の(一部だろうけど)四股五股みたいなものかな。こんな風にいろいろ想像したりできる。本当に昔日本史なんてどうしても暗記できなくてどの天皇が何したとかどの天皇のときにどんな法令が出たとか覚えられなかったけど、もっと真剣に勉強しておけばよかった。結構このどろどろの人間関係にはまったかも。2005・12・12

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著者プロフィール

(ながい・みちこ)1925~。東京生まれ。東京女子大学国語専攻部卒業。小学館勤務を経て文筆業に入る。1964年、『炎環』で第52回直木賞受賞。1982年、『氷輪』で第21回女流文学賞受賞。1984年、第32回菊池寛賞受賞。1988年、『雲と風と』で第22回吉川英治文学賞受賞。1996年、「永井路子歴史小説全集」が完結。作品は、NHK大河ドラマ「草燃える」、「毛利元就」に原作として使用されている。著書に、『北条政子』、『王者の妻』、『朱なる十字架』、『乱紋』、『流星』、『歴史をさわがせた女たち』、『噂の皇子』、『裸足の皇女』、『異議あり日本史』、『山霧』、『王朝序曲』などがある。

「2021年 『小説集 北条義時』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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