刺繍する少女 (KADOKAWA新文芸)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 32
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  • Amazon.co.jp ・本 (239ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048729437

感想・レビュー・書評

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  • 森の奥で燃えるものが良かった。

  • 10の短編集。

    ふと偶然出会った人との、些細な、けれど強烈に印象に残る出来事。

    素直にきれいに終わる話もあり、
    ドキリとするような結末もあり。

    妻を持つ男と関係を持った人妻は、男を待つ間、図書館で寄生虫の図鑑を見て過ごした。
    何の未練もなく、宿主にくっついていられるなら、目玉なんて必要ない。

    結末に、思わずえーっ!wだた。
    「図鑑」

    夜明けの緑をさ迷う人々、とよく似てる)^o^(

  • 生と死、狂気と現実、互いに反するように見えることの境界線が曖昧になって、小説の中で絶妙に溶け合っているような感じ。

  • 不思議なことに、誰も死なない穏やかな夜に限って、死を思い浮かべてしまう。
    (P.29)

  • 短編10作。1作が短いです。その分、ぞくっとくる美しさの描写より、グロテスクな部分が目立ってしまっているような気がします。表題作の「刺繍する少女」と「森の奥で燃えるもの」がよかったかな。全体的には、他に読んだ著者の作品に比べると今ひとつです。

  • なぜだかわからないけど、村上春樹の文章と共通点を感じた。
    小川洋子を読んでいてそんなことを思ったのははじめて。

  •  不気味だが怖いもの見たさに、ページを捲る手が止まらない。寄生虫図鑑の話が怖すぎて忘れられない。

  • <a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048729438/yorimichikan-22" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/4048729438.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" class="booklog-imgsrc" style="border:0px; width:100px"></a>
    <br clear="left">
     <b>寄生虫図鑑を前に、
     棄てたドレスの中に、
     ホスピスの一室に、
     もう一人の私が立っている。
     記憶の奥深くにささった小さな棘から始まる
     ふるえるほどに美しい愛の物語</b>              (帯より)


    短編集。
    表題作のほか、森の奥で燃えるもの・美少女コンテスト・ケーキのかけら・
    図鑑・アリア・キリンの解剖・ハウス・クリーニングの世界・
    トランジット・第三火曜日の発作。

    日常の喧騒の延長線上にありながら、たしかに隔てられている場所の物語たちである。
    どの物語でも主人公は≪死≫の身近におり、何らかの形でそれを受け容れている。
    喧騒の届かないガラスに隔てられたような印象を抱かせるのは、その場所が主人公の心のプリズムを透って映し出された場所だからなのかもしれない。

  • 「森の奥で燃えるもの」がよかったかな。他の短編もよかったけど。小川洋子さんの本ってシュールな感じと登場人物のちょっとかいま見れる暗い気持ちとかがよいのかも。

著者プロフィール

1962年、岡山市生まれ。88年、「揚羽蝶が壊れる時」により海燕新人文学賞、91年、「妊娠カレンダー」により芥川賞を受賞。『博士の愛した数式』で読売文学賞及び本屋大賞、『ブラフマンの埋葬』で泉鏡花文学賞、『ミーナの行進』で谷崎潤一郎賞、『ことり』で芸術選奨文部科学大臣賞受賞。その他の小説作品に『猫を抱いて象と泳ぐ』『琥珀のまたたき』『約束された移動』などがある。

「2023年 『川端康成の話をしようじゃないか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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