夜光虫

著者 :
  • KADOKAWA
3.35
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本棚登録 : 274
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048731218

作品紹介・あらすじ

かつては神宮のヒーロー-鳴り物入りで入団したプロ野球の世界では、2年目にノーヒットノーランを達成。加倉は栄光に彩られた野球人生を全うするはずだった。肩の故障、引退、事業失敗、そして残った莫大な借金。それでも加倉は野球を諦めきれずに麗しの島・台湾へ渡った…。

感想・レビュー・書評

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  • 騙し合い·····裏切り·····騙し合い·····殺し合い。
    台湾の暑さと、人間の欲望に息苦しくなった。
    馳さんの優しい作品も大好きだけど、この手の作品も夢中になってしまう。

    野球の話??って期待してなかったら、全然違う(笑)
    加倉をはじめ、みんな、みんな狂ってる。
    生き残りを賭けて騙し合い殺し合い、凄く面白かった!!
    誰もが愛に飢え、欲望を満たし·····そして殺されていく。

    結局、手を汚して心を壊して手に入れたものの、何一つと残らなかった加倉が、どうなるのか??

    続けて「暗手」読もう!!

  • 主人公加倉に自分を投影しながら読んだ。
    自分とは真逆の性格加倉の犯罪に共感し、金をかせげ!女をものにせよ!腹が立ったら殺せ!
    終盤まで加倉と同じように腹を立て、窮地から這い出そうとしてた。
    しかし、複雑な人間関係や絡み合う嘘に台湾人は信用がまったく出来ない方たちと思った。そんな連中に挑んで勝ち目はなさそうだが、人をうまく利用することも覚えなんとか切り抜けていく。
    最後の方は、何人死んだか解らなくなった。最初の方で殺された人物のことは忘れてしまった。

    背景になっている台湾プロ野球における1990年代の八百長事件はその後も尾を引いたようなので続編だって作れそう。

  • 日本人の加倉は台湾のプロ野球チームに所属する投手だが、黒社会が仕切る八百長に手を染めている。
    八百長の露見を恐れて、次々と罪を犯し、閉塞状況へと追い込まれていく主人公。
    怖い世界、気が晴れなれないままに読んだ。
    (図書館)

  • 先日著者最新作の「暗手」を読んだ後に本作の存在を知った。さて読んでみて、やはり時代の流れを感じた。最近はこうしたハードなノワールものは少なくなってきたような気がする。最近のものは、ちょっと笑える部分などが加味されてしまっている。

    そんな中で、本作は今だと作りすぎ、と言われそうな複雑な人間関係と相手の腹の探り合いがきつい。女性に対する扱いもひどい。女をバカにしている。腹が立つ。主人公、加倉は文字通りの鬼である。そんな最低な人間をここまで濃密に書き上げる作者の手腕は、怒りを通り越してすごいと思う。「暗手」の前に読みたかった。

    加倉の唯一のウィークポイントが「愛する女性」である点が、唯一笑えるところでもあった。

    ところで私は「暗手」の感想で勝手に映像作品のキャスティングをしたが、今それを後悔している。こんな人間を誰かに演じてもらう必要はないのである。文字を追うのでたくさんだ。

  • 暗い。。。
    悲しい気分になってしまいます。

  • 作者独特の世界観が力強く伝わってくる。主人公や登場人物に自分を重ね合わせることはないが、かといって異次元や別世界と割り切れない何かがある。結末も少しグッとくる。

  • ラストに至までの重厚な内容はまさに、馳ワールド。ラストが特に最高だった。

  • さらさらとわかりやすい文章。
    うおおおと盛り上がる事もなく淡々と終わってしまった。
    きっとそれが手法なんでしょうが、まあおもしろかったです。

    ただ主人公に始終、ハァ?って思ってたので、三ツ星で。

  • 独特の、やはり独特の馳星周。
    どこにもいかない感がある。
    やはり「GO」が傑作だったような。

  • 『直木賞』第120回(1998年下半期)候補

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著者プロフィール

1965年北海道生まれ。横浜市立大学卒業。出版社勤務を経てフリーライターになる。96年『不夜城』で小説家としてデビュー。翌年に同作品で第18回吉川英治文学新人賞、98年に『鎮魂歌(レクイエム)不夜城2』で第51回日本推理作家協会賞、99年に『漂流街』で第1回大藪春彦賞を受賞。2020年、『少年と犬』で第163回直木賞受賞した。著者多数。

「2022年 『煉獄の使徒 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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