水の繭

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著者 : 大島真寿美
  • 角川書店 (2002年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (210ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733786

水の繭の感想・レビュー・書評

  • 家族ってずっとそばにいて、当たり前の存在として受け止めているけど、実はそうじゃない。
    離れてたり、違い視点から見たとき、初めていろんなことが分かるけど、なかなか気づくきっかけがないまま、ズルズル行ってしまったりもする。
    でも、当たり前のようにそばにいてくれる人こそ、じっくりと大切に存在を感じていきたいものだと思ったりもする。

  • この作家さんは、心のどこかに傷を持った女の子の表現が上手いなぁと読むたび思う。主人公とその双子の兄、従姉妹の瑠璃子の会話がとても心地好く読めた。

  •  大島さん作品3作目。「かなしみの~」よりはこっちの方が好き。「絶対楽しいなんてむちゃを言ったらそりゃだめだよ。ちょっとでも楽しいっていうのをいちいち確かめるんだよ」「こっちの方がいいな、こっちの方がましだな。そうやって移動していけ」「選択肢って、そんなふうに、頭で考えている以上にいろいろあるんだと思うの。だから、あんまり、限定して狭く考えない方がいいと思うのよね」。
     幼い頃両親が離婚し、双子だった陸と母は出て行き、父と自分と祖母だけになった。祖母も田舎へ帰り、しばらく経ったある朝、父が死んでいた。そのことにずっと負い目を感じていた、とうこ。すべてにおいて動けなくて止まったままのとうこの家に、破天荒な瑠璃という従姉妹がやってくる。そんなお話。やっぱり静かっていえば静かだけれど、人物描写がずっとしっかりしていたし、なかなか面白かった。

  • 本屋さんで表紙に惹かれて購入。確か中学生の時。好きすぎて何度も読み返しています。

  • ガラス越しの情景、のイメージ。
    表紙の雰囲気が、そのまま小説の空気のようで、素敵だなあ。

    瑠璃(最終的にはとうこも)が作り出す勢いで、登場人物自身を包む繭がぶつかったり寄り添ったりして、気持ちを通じ合わせていく、緩やかに、なにかが変わっていく物語でした。
    でも、流れを作った当の瑠璃が、あまり満たされていない気がする…。

  • 図書館で装丁の綺麗さに惹かれて手に取った本です。
    これは「アタリ」でした。
    こういう出会いがあるから図書館も本屋も大好きです。

    複雑な家庭事情を抱えている、淡々とした、けれど内側では激しく葛藤するとうこ。
    しょっちゅう家出を繰り返すパワーの塊、従妹の瑠璃。

    久し振りに訪れた瑠璃のエネルギーに後押しされ(というか、引きずられて?)、
    また、遊子さんや茂さんやセージくんとの出会いを通し、今まで避けて通ってきた
    様々なことにとうこが向き合っていく物語です。

    瑠璃のオーラがとうこに染みてきて、けれどとうこはとうこらしさを失わないのが
    好ましかったです。

  • 主人公とうこには、離婚して出て行った母親とりくがいる。父親は死んでしまった。そして1年経ったころ、小さい頃から家出の常習犯だった従兄弟の瑠璃がやってくる。
    近所の遊子さんと茂さん、幼くして死んでしまったとうこと同い年の遊子さんの息子、10年ぶりに再会したりく。
    いろんな人の、いろんな気持ちが私の心に響いた。
    一番心に残ったのは、「とうこが救えるのはとうこだけなんだ」という言葉。だけど、自分を救うことによって、だれかを部分的に救うことはできる。私は人を救うことなんて絶対にできないと思っていた。だけど、誰かを部分的になら救うことはできるのかもしれないと思うと、なんだか少し、うれしかった。

  • 大島真寿美さん読むの2作目。
    前回読んだ「ほどけるとける」とはだいぶ感じが違いました。

    夜のシーンが多くて、陸ととうこが部屋と家の外ごし(?)に会うところが好き。

    濃密で、いつもとは違う世界に足を踏み入れた感じで。
    すこしだけギクッとする。

    なつかしさを感じました。


    ★きになったぶぶん。

    瑠璃「楽しいことは、自分でさがす。楽しいところへ自力で移動する。あたしは、あの時から、そうすることに決めたんだ」

    父「絶対楽しいなんてむちゃを言ったらそりゃだめだよ。ちょっとでも楽しいっていうのをいちいち確かめるんだよ」



    セージ「とうこが救えるのは、とうこだけ。とうこが救われると、彼女や彼も救われる。部分的に。人はたまに、自分が完璧に誰かを救ったと勘違いするみたいだけど、救うっていうのはせいぜい部分的にってことなんだ。」



    ゆるやかな風のように、ある日、私は、ここに下宿しはじめ、やがてまた、ある日、ゆるやかな風のようにここを出ていく。そこには、いつも風が流れていて、新鮮な空気がふんだんにある。
    だから、そこに暮らす人々の呼吸は楽だ。うんと、楽だ。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    母と兄、そして父までも、わたしをおいていなくなった。もう家族じゃない―。とめどない孤独をぬぐいきれず、気だるい日常を送っていたとうこのもとに、ある日ひょっこり転がりこんできた従妹の瑠璃。心にぽっかり穴を抱えながらも、とらわれない豊かな個性をもった人たちとのめぐりあい、つながりあいを通じて、かじかんだ気持ちがしだいにほころんでいく、少女とひと夏の物語。

  • 図書館の2階のほうにあった。同じ作家さんなのになー。

    題名がとても中身と合っている。

  • 「なあ、君は、僕のずるさに気付いているんだろう?」が切なくて・・・。

  • すこし不思議なお話。遊子さんと茂さんの暮らし方がとても素敵だ。そんな人になりたいと思う。兄弟姉妹とか居ないし親戚とか、血の近しい人とそんなに親密ではなかったので…多分私の方が興味無かったんだと思うけど。なんか不思議だなあと。

  • <font color="#666666"><table style="width:75%;border:0;" border="0"><tr><td style="border:0;" valign="top" align="center"><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048733788/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"><img src="http://images.amazon.com/images/P/4048733788.09._SCMZZZZZZZ_.jpg" border="0" alt="水の繭"></a></td><td style="padding:0 0.4em;border:0;" valign="top"><a href="http://blog.fc2.com/item/4048733788/yorimichikan-22" target="_blank"> 水の繭</a><br>大島 真寿美 (2002/07)<br>角川書店<br><br><a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4048733788/yorimichikan-22/ref=nosim/" target="_blank"> この商品の詳細を見る</a></td></tr></table>
    <blockquote><p><strong>人間は、こんなにもひとりぽっちでこんなにもやわらかい
    ちぢこまった心が優しく息を吹き返す――
    かつてなくみずみずしい物語の語り手が誕生した!!

    母と兄、そして父までも、わたしをおいていなくなった。 もう家族じゃない――。
    とめどない孤独をぬぐいきれず、気だるい日常を送っていたとうこのもとに、ある日ひょこり転がりこんできた従妹の瑠璃。 心にぽっかり穴を抱えながらも、とらわれない豊かな個性をもった人たちとのめぐりあい、つながりあいを通じて、かじかんだ気持ちがしだいにほころんでいく、少女とひと夏の物語。</strong>  ――帯より</p></blockquote>
    子どもの頃 両親が離婚し、母は 双子の兄・りくだけを連れて出て行った。 それから10年、父もあっけなく亡くなり、とうこはただただ茫然とするほか何もできずに日々を送っているのだった。 そんなとき、元々家出癖があり、行方知れずだった従妹の瑠璃が現われ、とうこの暮らしに騒々しいが活き活きとした風が送り込まれる。 
    自分だけをおいてみんなどこかへ行ってしまう、というたまらない孤独感に閉じ篭められていたとうこだったが、ひとつひとつ事を起こしていくうちに、長年 冷たく凝り固まっていたものが少しずつほどけていくのを感じるのだった。

    とうこと瑠璃、そして りく。 みんながひどく孤独で、でもその孤独感の現わし方がそれぞれ異なっている。 一見、たのしげな瑠璃が、もしかするといちばん孤独なのかもしれない、とも思える。 手を伸ばせばお互いの手に触れられる距離にいながら、手を伸ばすことを怖れ 躊躇っていては いつまでもひとりぽっちなのだろう。</font>

  • 結局なんだったの?と思わされなくも無いお話でした。
    無理やり二つの話をひとつにまとめたような感じがあって、どっちも中途半端。
    でも、主人公といとこ、双子の弟のやりとりはあったかくて素敵でした。

  • 不思議ワールド、的というような印象を受けました。大島さんの話は、大島さんにしか出せない空気を纏ってる。

  • 世の中には色んな家族の形があると思う。あると思うけど、やっぱり家族っていうのは基本でしょ?人間関係の最小単位。その最小単位がおかしいということは、やっぱりその人にとっては、一生心のハンディになって付きまとうと思う。何故そんな事を急に考えてしまったかというと、ここに出てくる人達みんなね、何かまともな愛情が注がれてないのよ!(笑)駄目だよ。極端だよ。あのねー表紙はすごい魅力的だったのですが、内容はイマイチでした(む・・)それにしても終始、遊子さんの存在が謎だったんですけど・・(´Д`;)

  • 両親の離婚によって、双子の兄弟と離れ離れになって暮らしていたとうこ。従姉妹の瑠璃があう日自分の家に「家出」してきたことによって、離れて暮らしている自分の片割れに会おうとする・・・。ほんの少しずつ傷ついた人たちが、ゆるやかにゆるやかに癒されていく、そんな気がした。

  • 相対的と絶対的。他人と比べてばかりいるのは辛いけれど、かといって絶対的な基準を持てと言われても、なんか嘘っぽいです。真に絶対的、なんてありえないと思うんですね。そうじゃなくて自分の中でこっちの方が楽しそうって感じて動くのはとてもしなやかな感じがします。自由で逞しい瑠璃の姿が眩しい。選択肢を広げられるというのは才能ですね。人との関わりはさらに選択肢を広げてくれる。例えありえないような発想でも、想像して楽しくなってそこに救いが見出される。それが動機に変わっていったりするのかな、なんて思いました。

  • 離れ離れになった母と双子の兄の事を何も告げずに逝った父。
    それを受け入れる事から新たに始まる何か。

  • とうことセージのやりとりの場面がとても印象に残っています。「自分が救えるのは自分だけ。自分が救われると、彼女や彼も救われる。人はたまに、自分が完璧に誰かを救ったと勘違いするみたいだけど、救うってのはせいぜい部分的にってことなんだ。部分的にというのは案外大きいからね。ある種の連鎖、ある種の交錯が起きている時にはとくにね。」幸せは連鎖する。まず自分が何か少し行動する事で、誰かを少し幸せにも出来るのでしょう。

  • 初めて手にした大島作品。読んでみて、私はえらいと思った本です。すごくステキ!

  • わりと好きだった。さくっと読めた。

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