GOTH―リストカット事件

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著者 : 乙一
  • 角川書店 (2002年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048733908

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GOTH―リストカット事件の感想・レビュー・書評

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  • この作品が世に出て
    もう10年経つのか…


    当時ライトノベルの旗手だった筆者が
    満を持して
    本格的なミステリーを意識して書いた作品だけに、

    読みやすさはそのままに
    読む者をミスリードさせる巧みな構成と
    散りばめられた伏線と回収、
    ラストにかけてのどんでん返しが
    とにかく見事!



    陶器のような白い肌を
    黒を基調とした服装でくるみ、
    群れることを嫌い
    常に人を避けて行動する女子高生、
    森野夜。


    人間が持つ暗黒な部分に惹かれる根っこは森野と同じでも、
    普段は普通の高校生を装う僕。


    二人に恋愛感情はなく
    お互いの趣味趣向が一致しただけの
    ただの話し相手というスタンスで
    物語は進んでいきます。


    この小説が後に後続に
    多大なる影響を与えたのワケは、
    何よりこの
    変わり者の高校生カップルの
    行動や理論が斬新だったこと。


    二人は猟奇的殺人を解明していく
    探偵役を担いながらも、

    殺人者を見つけても
    証拠品を拾っても
    決して警察を呼んだり
    犯人を捕まえて
    手柄をあげようとはしないんですね(笑)


    あくまでも
    自分たちの興味を満たすためだけに動き
    楽しみ、
    殺人者の心理を読み、

    時には
    あえて犯人たちの罠にかかったり、
    僕などはワザと
    ヒロインを
    危ない目に遭わせたりするのです。



    異常な世界にどんどん惹かれ
    犯罪者の心理と同化していく僕と、

    暗黒なものに惹かれながらも
    常に被害者側に立つ思考を持った森野夜。


    この微妙なズレを考えながら読むと
    本当は切ない物語なんですよね…


    この二人の関係が
    このラストの後
    どうなるのかは想像するしかないんやけど、

    生きににくい世界に絶望し
    中学時代に自殺を試みた経験のある森野夜が、

    物語の最後に
    人間性を取り戻し
    こっちの世界に戻ってきた
    駅の改札の場面は
    エモーショナルに胸を打ったし、


    僕への報われない想いに気づいた
    本当に名シーンであったと思います。


    あとミステリーは
    騙されてなんぼです。


    見破ってやろうなんて
    ヤボなこと考えずに(笑)

    物語を楽しむのが一番!


    ライトノベルを
    一躍一般人にも分かるように提示した功績や、

    後続のミステリーや漫画作品に
    多大なる影響を与えたという意味でも
    自信持ってオススメできる一冊です(^_^)v

  • 人間の持つ『暗黒面』といわれる内容
    人を殺したいと言う願望と
    自分を殺したいと言う願望。
    殺人者に対して、共感を示し、なぜと心理分析する。
    殺人者のパートナー(シンパシー)的存在。
    高校生の僕は、人を殺したいと言う願望があり、
    猟奇殺人に、興味を持っている。
    しかし、普通は 目立たない高校生を演じている。
    僕のまわりで、おこる殺人に 駆けつける。
    僕の同級生、森野夜は、長い黒髪と白い肌をもつ美少女。
    表情を表に出すことなく、話しかけ憎い性格をもっているが、
    僕とは、打ち解けて話すことができ、森野夜は過去の事件を
    背負っていて、それを打ち明けることができる友達を
    求めていた。手首にはリストカットの傷があり、
    不眠症で、首を絞めるひもがあると、眠れると言う。
    しかし、なかなかぴったりした ひもがなかった。
    高校生の僕が、それを探し当てることに。

    身体を細かく裁断して殺す。
    手だけを切り落とす。手フェチ。
    犬の誘拐事件から発生した殺人事件。
    生きたまま棺桶に入れて、溺死させる。
    お姉さんが、殺される時のメッセージを受けとる妹。
    そこに、生まれている殺人の心の深層をあばこうとする。

    なぜか、『ゾクリ』とする表現が、ある。

  • ようやく読み終わった…!
    年末から読み始め、グロイ!エグイ!この感性わかんない!
    となかなか読み進められず、ずっと読んでいたくないからと奮起して読み終えた。
    個人的に、今まで読んだ乙一さんの本の中では一番合わなかった。
    でも、面白いかどうかと聞かれればと面白いと答えるし、乙一さんだから書ける一冊でもあり。乙一さん得意の叙述トリックには全部あっさり騙され続けましたからね。合う人は合うだろうな。

    高校のクラスの同級生である「僕」と黒髪の美しい「森野夜」は、猟奇的な殺人事件や殺人者、死体に対して異常なまでの興味を持ち、互いに共通の嗜好を持つ者として接近する。
    「僕」は、ミステリーにおける探偵の役割でありながら、正義のために動くのではなく、自分の興味や欲望を満たすためだけに動く。ミステリーとしては異色すぎる。

    一番無理があるということで印象に残ったのは『犬』。
    叙述トリックとしては見事だと思うけれど(映像化とか難しいけど漫画ではどうしてるんだろう)、びっくりもしたけれど、ちょっと想像してみると、いやいやそれ変やろと(笑)。

    全部怖かったけど、犯人の異常性では『土』かなぁ。
    普段は責任ある社会人として、周囲からの信頼を得ている男だが、人を土に生き埋めにしたいという抗いがたい欲求を抱えていた。
    男は、自分に懐いていた男の子を生き埋めにし、さらに数年後、女子高生を拉致し手製の棺桶に入れて自宅の庭に埋める。
    ふつうの良識を備えている男の、自分ではどうしようもない強い「埋めたい」という欲求が生々しくて不気味すぎた。

    最初は森野さんのわかりやすい異様さにぞくっとしたけれど、読み進めるごとに、常に猟奇的な殺人を冷静に観察し、ときに奨励さえする「僕」の、空っぽな笑顔が怖いと思った。

  • 自己満足的な内容。混乱させる意図しか読み取れない。
    幾重にも真相を覆っても、そのカサの重圧に耐え切れているようには思えない。
    どこまでも現実離れしている世界は、魅了する範囲を超えて、逆に魅力を失わせている。
    登場人物は趣味ばかりが窺え、似た価値観の人間ばかりで構築された此の本の世界は如何も受け付けない。

    読みやす過ぎる程の内容で、短時間で読み終えた。文章も短絡的。
    すっきりしたか否かを問う以前に、内側を中で語り過ぎている部分があるようにも思う。

    具現化してみると面白いトーンではあると思う。

  • 独特な雰囲気いいですね〜

    中二病みたいなところすきです

  • トリックにひたすら酔う。

    乙一さんはこういう小説も書くのかと驚いたことを覚えてる。
    「切なさの達人」と呼ばれているのを知っていたので、何となくライトノベル系というか、泣かせることを狙った話を書いている人なのかと…誤解でした。すみません。
    第三者の目で、どこまでも淡々と冷静に物語は進んでいく。
    器用で筆力のある人だ。まぐれでこんな本を書くことはできない。
    小説家としては、ぜひこちらの路線で行ってほしいと思う。
    ラストの「声」が一番好きです。

  • 乙一『GOTH』読了。GOTHはGOTHIC。人を殺してみたい主人公と、殺されたい同級生。この2人が遭遇する猟奇的な事件の数々。グロテスクな描写はあるものの割とさらりと読めてしまうのは、作者の筆力とよく練られた筋のせいか。読後感もそれ程悪くない。てかこれ前にもここに書いた気がw

  • 2011/09/06読了

    GOTHの前書き(?)から、てっきりゴシックロリータか何かの話かと思っていたら、とんでもない物語でした。分類としてはミステリーか、それにしても黒い。
    恐怖をも感じる。これは、先日あった一斗缶事件を彷彿とさせるような、猟奇的殺人。まさにあんな感じ。
    狂っていく人の狂っていく様とは、まさにこういうものなのかと。
    乙一さんはこれを一体どういう気持ちで書いたのだろうか。予想できない。ミステリーとしてみると面白いし、なにより主人公の正体が面白い。伏線を張りつつ、ミスリードに促され、彼が何者かを知ったときの驚きは素直にすごいと思った。
    しかし、人の死に対するドライな感覚と視線。
    そして被害者となった「人」であった存在を、こういう風に書くのはいかがなものかと…。
    いやまあ、私が単にホラーとか、人の「死」を扱ったものが苦手なだけですが、まぁリアルも含めて、そういう暗黒面を好きだという人も少ないとは思うし、それが正常だろうけれども。だがそういう傾向を好む、安堵する、癒しを受ける、という人も、少なからず存在するわけで…。それがこのGOTHに登場する人々―もとい、主人公―なのだろうから。

    人はシンプルであり、かつ、ごちゃごちゃしている生き物だから、「理性」があるから、人でいられる。
    人が鬼、人の形をした人ではない残虐なものになるときも、だからこそあり得るのだろう。
    「声」での犯人の言うことが鬼であり人である存在の心理であるともとれる。

    これまでの「殺人」をした人間の心理―考えたくは無いが、考えるべきものなのかもしれない。「憎い」だとか「邪魔」だとかですむドラマティカルな動機の持ち主が多いだろうが、それだけで人を殺すというのはさも稚拙ではないか。ならあなたが命を絶てば、他者を排除したところでどうこうというものではなかろうに。
    (殺人を肯定しているわけではない。動機とか、加害者の環境がどうこうということもない。ただ、殺人の価値を問う場合、どう狂い、どういう心理で行為に及んだかが気になるだけである。
    殺人はあってはならないことだ。その概念こそ醜いものだ。あくまで、物語の一環として、殺人を見ているということを了承願いたい。)

    狂人にしか分からないことを、他者が分かるはずもないんだよ。

    さてまぁ、森野さんが可愛かったり(意外と気が利くとか、ツンデレさんだったとか)わんこもなついてきたりと、恐怖ばかりかと思う本作でも可愛いところがあってよかったな
    あと、「僕」が、所々格好いいのである。
    しかし私はこれを単行本で読んだのだが、カバーを外すべきではなかったと酷く後悔してしまった。

    外すなよ!絶対に外すんじゃないぞ!

  • あまり好きになれない作品。病んでいるというか自分に酔っている主人公とヒロイン、どちらにもまったく感情移入できない。主人公たちのやりとりよりも事件の背景をもう少し詳しく描いて欲しいと思った。

  • まわりには猫かぶってふつうの高校生に見せているけど実はいつも死のことばかり考えてる高校生の「僕」
    まわりに殺人事件がおこり犯人をつきとめるが自首をすすめるでもなく警察に通報するでもなくまわりから見てるだけで悦に入る

    ラストがあーそういうことだったのかーっていうよりふーんあっそって感じであんまり驚かなかった

    一応話のヒロインだと思われる森野を全編通して痛めたりおとしいれたり下に見たりしてる感じがなんか気に入らない

    乙一の本読んだの初めて
    話題になってるから読んでみただいぶ遅いけど
    自分の中で乙一は池袋のジュンク堂の「外反母趾は痛い」というなんか狙いすぎて軽くすべってる色紙のサイン

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