- Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048734875
作品紹介・あらすじ
あいつを殺したい。でも、私には殺せない。人間の心の闇に潜む殺人衝動。その深層をえぐり出す、衝撃の問題作。
感想・レビュー・書評
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・大きな事件はなにも起きない。常に1人称自分語り。ただただ自分の辛い人生を語る。それだけなのに面白い。なんで?っていうのが正直な感想です。東野圭吾すごい
・倉持は主人公の中で、常に悪者であり憎むべき対象だった。ただ一方で、客観的にみるとどうしても彼が悪人に見えない部分もある。
・1人称の物語は常に、語り手のバイアスがかかる。誰かの視点から物事を見る難しさを感じる場面である。ある意味、噂話などもこのようなバイアスで道がそれて行くのだろう詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
その『門』は
どうやら人の心を見抜いている様だ。
ほんの少しでも
迷いがあったり
理性や良心の欠片が残っている者の意志には
決して従わない。
でも
人が人じゃなくなる瞬間、
何か
境界線の様な細い紐が
ぷちん、と切れた時。
あるいは
(生き延びねば)という本能に従って
他者の喉を噛み切る動物と同様の境地に立たされた、
その瞬間
『門』は不気味にキキ…と、開く。
他者の存在を消滅させねば
自分が生きられぬ。
その拳が血で真っ赤に染まるほど
叩き続けた『殺人の門』がいよいよ開いた、としても
その先に
彼が平穏に生きられる地は本当にあるのだろうか。 -
暗い・・・。
働き始めるまでは、もう転落しっぱなし。
生きる気力なんかも削がれることだろう。
もう読むのが辛いのなんのって。
数ヶ月のインターバル置きましたから。
その後は、ちょっと平穏、転落、転落。
小康状態、転落、転落。
少しブレイクタイムがあるので「面白い」と思えたけど。 -
いやこれ、このタイトルちゃうやん。
「お人好し田島と詐欺師 倉持の奇妙な関係」
これやん。
おどろおどろしいタイトルで
いつどんな凄い事件が起きるのかと
ワクワクしながら読んだけど・・・
なんていうか、途中から
「これってひょっとしたらコメディ?」
って思えてきた 笑
何回も倉持にそそのかされて
そのたびに人生の歯車が狂う田島。
途中からその騙され具合がツボに。
ミステリーとコメディは紙一重かも。
そんな感想を初めて持った
ある意味貴重な作品でした。
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倉持みたいな、ずる賢くて要領のいい人って世の中結構いるんだろうな。
こんな人が自分の人生に入ってきたら、と思うとぞっとする。
容赦のない残酷さがいかにも東野圭吾だった。 -
「殺意のトリセツ」みたいなブラックユーモア短編があったけど、そのシリアス版でしょうか。個人的にはかなりハマりました。