失はれる物語

著者 :
  • KADOKAWA
3.71
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本棚登録 : 4340
感想 : 617
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  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735001

感想・レビュー・書評

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  • 失はれる、…別れなどがテーマになっている短編集。
    とっても良かったです!!
    乙一さんが、書く主人公は人付き合いが苦手な孤独で内向的な人が多くて…、その描写もとても上手いと凄く感じた。切ない辛いお話が多いのだが、それだけではなくて人に対する優しさも感じられて終わるところが凄く好きだなぁと思った。

    『Calling you』
    女子高生の妄想の携帯電話がつながるという…ちょっと時間SF的な…お話。切なさと優しさを感じられる作品。
    作中に出てくる携帯電話の着信メロディが、映画『バクダット·カフェ』のテーマ曲『Calling you』。聴いてみたらズーンと心に沁みて素敵な曲だった。一度聴いたら忘れられない曲だと感じた。

    『失なはれる物語』表題作
    主人公の男性が交通事故にあい、植物状態となってしまう。意志の疎通が出来るのは右腕だけの皮膚感覚と、人差し指を少し動かすだけ。そんな夫を献身的に支える妻との切ない愛の物語。これも、ラストが苦しく悲しく辛い……。そしてとても深い内容だと感じた。

    『しあわせは子猫のかたち』
    自分の住んでる家の前の住人の○○○○も、一緒に過ごしていることを受け入れて……。ある謎を解いていく…という不思議な作品。以前に読んだ『暗いところで待ち合わせ』という作品を思い出させるような世界観は、やはり好み。

    『傷』
    負った傷や痣などに手を触れるとその傷は自分に移るという特殊能力を持つ小学生のアサト。その友達である主人公のオレとの友情物語。身体だけではない心の傷を負う二人の友情に感動した。

    『ウソカノ』
    ついつい彼女がいるとウソをついてしまったことから始まる……お話

    『手を握る泥棒の物語』
    泥棒に入り姿を見せずに、手だけを掴まれてしまった女性とのやり取りがコミカルで可愛いと思った。  

    『マリアの指』
    不気味な、怖さもあるちょっと後味の悪い作品だと思った。でも主人公の僕の優しさを感じて救われるように感じて読んだ。

    『ボクの賢いパンツくん』
    同じタイトルでこちらは長崎訓子さんの絵本でも出ている。イラストも素敵でそちらもオススメ!(笑)

    ずっと読もうと思っていた積読本の一冊でした。ちょうど、乙一バトンのレビューも目にしたのでこの機会に読めて良かったです!!
    あゆみりんさん、バトンの皆様 
    ありがとうございました。
    この乙一バトンが、また、どなたかに渡りますように………

    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      なおなおさん~、(*´▽`*)
      バトンは受け取った方は…白バトンです!!( ・`д・´)

      (( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
      よ...
      なおなおさん~、(*´▽`*)
      バトンは受け取った方は…白バトンです!!( ・`д・´)

      (( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
      よろしくお願いいたします (笑)
      2023/03/05
    • あゆみりんさん
      チーニャさん、おはようございます(ˊ˘ˋ*)♡
      出遅れちゃったけど、コメント失礼します。
      ウソカノとパンツも読んだんですね、いいなぁ羨ましい...
      チーニャさん、おはようございます(ˊ˘ˋ*)♡
      出遅れちゃったけど、コメント失礼します。
      ウソカノとパンツも読んだんですね、いいなぁ羨ましいです。
      とても良い1冊でしたよね(っ´ω`c)
      2023/03/06
    • チーニャ、ピーナッツが好きさん
      あゆみりんさん…おはようございます~(^^)ありがとうございます!!

      すぐにレビューしたこと、コメントしませんでしたからね……
      こちらこそ...
      あゆみりんさん…おはようございます~(^^)ありがとうございます!!

      すぐにレビューしたこと、コメントしませんでしたからね……
      こちらこそ… m(._.)m スミマセン。

      私は文庫本持っていたので八編入っていましたね。どちらも凄く短い作品なんですよ。すぐに読めてしまいますよー(^^)
      あゆみりんさん、『Calling you』私も聴きましたよ。心を掴まれました♪私はこの曲のテーマになった映画は、観てないので、あゆみりんさんが羨ましいです!!
      良い一冊でしたね~(*´▽`*)
      2023/03/06
  • 短編集。
    表題作が結構有名で高評価だが、「しあわせは子猫のかたち」が心に沁みた。
    やっぱりこの作家さんは良い!

  • 積読の中から今日はこれを。
    以前、装丁の綺麗な本でおすすめしていただき、文庫よりも是非単行本でとの事だったので購入した。
    私の好きな装丁の綺麗な本Best3に入るくらい本当に綺麗で気に入っている。表紙は水に濡れたようになっていて、雫は立体的に浮き出ている。この表紙の紙がトレーシングペーパーの少し厚いような素材だが、表紙を外して裏を見ると楽譜が印刷されており、表から見るとその楽譜が透けて見えるといった感じ。栞紐の鮮やかなブルーも素敵だ。私の拙い説明よりも、是非本屋さんで手に取ってみてください。

    前置きが長くなったが、内容は少し切ない話の詰まった短編集。元々はライトノベルとして書かれた物だそうで、軽く読め一編一編が単発ドラマを見ているような感じ。また、少しの時間ができた時にさらっと読みたくなるだろう。

  • 短編集でありながら、それぞれの物語が「切なさ」できちんとつなげられている。どの作品も誰かのお気に入りに成りえる要素を孕んでいて、それぞれファクターが異なっているのが秀逸。これはみんなが好きだろう、が一つあるというより、それぞれ好きな作品が分かれてほしい、と思って書いているのではないかと思ってしまう。

  • 心拍数が上がって、それが心地よいまま読み終えられました。

  • 社会に溶け込めないジレンマ、言葉を使わない優しさが上手く描かれた作品集です。

  • 「calling you」や「傷」、「幸せの子猫のかたち」が特に好き。不器用で交流が苦手な主人公らが人と関わることで変わっていく姿にうるっとする。感動した。切ないけれど、乙一さんの他の作品と比べると、まだ救いのある方だと思う。
    「失はれる物語」は怖くてなんだか苦手。五感を失い、自殺もできない状況なんて計り知れない絶望だと思う。感動というよりもホラー作品だなあと感じた。
    乙一さんってどんな人なんだろうとふとおもった。

  • 乙一の短編集。どれも切なくて、不思議な作品だった。乙一の文章から、景色や人々の表情を頭で想像するのは楽しい。学生の頃に読んだと思うけど、内容をすっかり忘れていたので新鮮な気持ちで読めた。

  • 6篇の短編集
    乙一さんはやっぱり面白い
    安心して読める
    ただ失はれる物語は悲しすぎる

    Calling Youは映画で見て内容は分かっていても
    切なくて面白かった

  • 過去とつながるケータイの話が一番泣けた、

著者プロフィール

1996年、『夏と花火と私の死体』で第6回ジャンプ小説・ノンフィクション大賞を受賞しデビュー。2002年『GOTH リストカット事件』で第3回本格ミステリ大賞を受賞。他著に『失はれる物語』など。

「2022年 『さよならに反する現象』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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