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この作品に関連する談話室の質問
この作品からのみんなの引用
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ねぇ、私達はあの小憎らしい鸚鵡を、結局、随分愛したわねぇ……。鸚鵡と、鸚鵡の周りの私たちの笑い声を。
― 216ページ -
国とは、一体何なのだろう、と思う。
私は彼らに連なる者であり、彼らはまた、私に連なる者であった。彼らは、全ての主義主張を越え、民族をも越え、なお、遥かに、かけがえのない友垣であった。思いの集積が物に宿るとすれば、私たちの友情もまた、何かに籠り、国境を知らない大地のどこかに、密やかに眠っているのだろうか。そしていつか、目の覚めた後の世で、その思い出を語り始めるのであろうか。歴史に残ることもなく、誰も知る者のない、忘れ去られた悲喜こもごもを。
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―その善き貧しさを、保つことだな。西の豊かでらん(心に頼)惰(らんだ)な退廃の種を、君たちが持ち帰らないようにすることだ、村田。
豊かな退廃など、私は今の日本に想像すら出来なかった。祖国が少しでも豊かになって欲しいとの思いで必死、いつ来るか分からぬ危険な豊かさへの懸念など、まるで寄せ付けなかったのだ。それはほとんどの日本人に共通している思いであろう。
― 90ページ
みんなの感想・レビュー・書評
古い読書記録より。
「家守綺譚」のサイドストーリー的小説。
日本人考古学者がドイツやギリシャの学者たちと共同生活を営むトルコの家の描写には、
行ったことはないけれど、かの国の土ぼこりや乾いた日の匂いまでも感じます。
ラスト付近が本当にはかなくて、折角異国の人と結べた絆が戦争によってあっけなくひきちぎられていくさまは見ていることらの胸にも迫るものがありました。当時だと、おいそれと違う国に分かれ戦うもの同士が仲良くしたりできなかっただろうから、余計に・・・。
章の最後の一文がどれも素敵だった。余韻を掴もうとすると逃げてしまうけど、感じるものはたくさんあった。
神様の喧嘩と村田の文句にクスリと。
綿貫も出てきたし、素敵な作品です。高堂が少し謎だった。
トルコのアジアとヨーロッパの空気が混ざった雰囲気がとてもよくでていて、さながら自分が本当に旅行しているのではないかと思うくらいその場の空気を感じられた。
古代を想い、未来を紡ぐ、そんな考古学のエネルギーが軸にあり、個性的で神秘的な出来事が起こるのだが、まとまっており読みやすい作品だった。
ある時間を共に過ごした友の顛末は静かに胸を打ち、涙なくしては読めなかった。
トルコを舞台に日常を繰り広げる青年のトルコ滞在記。彼の周囲の様々な国の人々、出会った街の風景や事象、それらを通して青年が思考する様はあたたかく、時に物悲しく、そしてどうしようもなく愛おしい。文化、歴史、人々のかぎりない連鎖と出会いが、ささやかだが確かなものとして、ここには描かれている。
途中まで、実在した人の、本当の滞在記録だと思って読んでいました…。
それほど、街並みや人々の心理などが、とても描写豊かに書かれています。
最後はじんわりと涙が出ます。
211 すでにセピア色を帯びてきた写真の私は、なんと晴れやかで嬉しそうなのだろう。このときの高揚した気持ち、得意満面の、意気高く真っ直ぐな気分を思い出すと、今も胸が熱くなる。
219 思いの集積が物に宿るとすれば、私達の友情もまた、何かに籠り、国境を知らない大地のどこかに、密やかに眠っているのだろうか。そしていつか、目覚めた後の世で、その思い出を語り始めるのであろうか。歴史に残ることもなく、誰も知る者のない、忘れ去られた悲喜こもごもを。
220 私の スタンブール
私の 青春の日々
これは私の 芯なる物語
正直、最初はあまり面白いとは感じませんでした。
けれど、後半、みんなのそれぞれの最後がとてもせつなく感じました。
この本は一度読んでから、もう一度最初を読み直すと面白さがわかる本だと思いました。
ハードカバーのクリーム色と栞のターコイズブルーを見て、いいなあ、とそこで既に思いました。
これは、電子書籍にはないところですよね。
本自体への愛着を久しぶりに思い出した一冊。
文章を読んで、感じるのが言葉にはならないものだというのは不思議だなあと思う。個人的には『家守~』の後に読んで正解
『家守綺譚』が良かったので、そこにチラリと記述がと出てくる「村田」くんの物語かぁ~程度の軽い気持ちで読み始めましたが、久しぶりに本を読んで涙しました。
主人公の村田くんとその下宿先の仲間との交流が活き活きと描かれているだけに、後半にかけての彼を取り巻く状況が・・・。ズーンときました。
個人的には大学生にオススメしたい1冊です。
日本語の美しさを感じることもできます。
家守奇譚で、綿貫の友人が土耳古(トルコ)に行ったのですが、その友人の話です。こちらも少しばかりの不思議が混じったお話でした。でも、古の神様たちがなんとも人間臭くて愛らしく、登場人物も、みんな本当に個性的で・・・。最後は感慨深い悲しみでした。涙が止まら無いとかでは無く静かに考えさせられる・・・読んで良かったです。
友達がおもしろいと言っていたので読み始めてみた。
初めは何の話か分からなくて戸惑ったけど、トルコの賑わいや、当時の文化や時勢が織り込まれて、けっこう楽しく読めた。
百年前の日本人留学生村田君の土耳古(トルコ)滞在記。
世界大戦、友人達の死へと繋がっていくラストは悲しいけれど、異文化の中での穏やかな日常を描いた、ユーモアに包まれた作品。
古風な文体が読みづらくもあり、面白くもあり。
『f植物園の巣穴』のように摩訶不思議な世界に偏っていくのかと思いきや、むしろ逆の結末—現実に戻っていく感覚を辿る印象。
帰国した主人公が,大学の権力闘争に巻き込まれて「死ね程疲れ」ていくのが,切ない。あの遺跡の地に戻りたい,と思い詰めたトルコでは,戦争が勃発。輝くような日々は取り戻すことができません。
途中,あまりに淡々としていて,退屈しそうになりましたが,平凡に見える日がいかに得難いものか,最後に泣きました。
設定の年代が古いために最初は読みにくいなあという印象。途中で辞めようかと悩んだほど。それに慣れてくると楽に読めるようになった。
基本的に単調なのだけど、ラストの数十頁でドラマティックになり、読後感はとても良かった。
「エフェンディ」って名前かと思っていたら、学問を修めた人への敬称で「先生」のようなものらしい。
この本、しみじみと、とてもよいと思った。
オウムがとてもいい。絶妙なタイミングで、「失敗だ」「It's enough!(もういいだろう)」などと叫んでユーモアを添える。
なんだかんだ言いつつ、みんなに愛されたオウム。
ラストの村田とオウムとのやりとりは感動。
この本からもらった大事な言葉
「私は人間だ。およそ人間の関わることで私に無縁な事は一つもない・・」

『家森綺譚』がよかったのでこちらも読んでみた。
こちらもあっという間に読んでしまった。
下宿に暮らす人たちがお互いを敬う姿や、
壁に浮き出る牡牛や山犬、狐に火竜といった
不思議な存在が『家守綺...






