コイノカオリ

  • KADOKAWA
3.33
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本棚登録 : 498
感想 : 89
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  • Amazon.co.jp ・本 (277ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735773

感想・レビュー・書評

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  • 色々な設定の恋の香りが味わえます。
    「水曜日の恋人」シャンプーの匂いの裏に隠れている恋はつらいのかな。
    「最後の教室」レモンの香りは淡い恋心かな。
    「泣きっつらにハニー」蜂蜜の香りは妖しい感じがするけど。
    「海のなかには夜」あまりかおりのイメージではなかったけれども、相反する気持ちがでている。
    「日をつなぐ」豆を煮る時の匂い。落ち着く感じはするけれど、主人公は大変そう。
    「犬と椎茸」椎茸を煮る匂いも印象に残る匂いではあるが、このように使われるとは。

  • 五感で感じたものは、それがどんなだったか、どんな状況だったか、何を思ったかは、時間とともに忘れていくものかもしれないけれど、時間が経ってふとした瞬間に同じ刺激要素を持ったものに出くわした時、当時の記憶や感覚が一気に溢れ出てきて、それを懐かしんだり、過去と今を比べて新しい発見をさせてくれる、着火剤的役割をしてくれるのかなと、読みながら思いました。

    食事中だったり、綺麗な景色を見ている時、誰かと一緒にいる時、家族と過ごしている時、、振り返ると、スマホ片手に、仕事の心配してたり、映え具合を気にしてたり、他人から見た自分を気にしてたり、、、一瞬一瞬自分の感覚から伝わって来ることに集中できてなかったなと、反省。

    今この瞬間を大切にできる人、そしてその瞬間に1秒でも引き戻ししてくれるようなものに再び出会ったときに、語れる人になりたいなと思わせてくれる本でした。

  • (2016/11/25読了)
    井上荒野さんの作品は好きでよく読んだ時期があった。私の中で読むのが辛い時期があり、乗り越えた訳ではないけど、ちょっと読んでみようかなと思い立って、アンソロジーを借りてみた。
    井上作品はやはり、ドンと胃の腑の奥深くに何かが落ちるような感覚で、私には群をぬいて心に残った。
    全体的に、薄い靄に包まらているようなのに、心に残る、不思議な作品たちだった。

    (内容)
    人は、一生のうちいくつの恋におちるのだろう。ゆるくつけた香水、彼のタバコや汗の匂い、好きな人に作った特別な料理―。柔らかく心に迫る恋の匂いをモチーフに繊細に、あるいは大胆に綴った6つのラブストーリー。

    (目次)
    角田光代 水曜日の恋人 … 女子高生と母の恋人
    島本理生 最後の教室 … 夜間高校での出会い
    栗田有起 泣きっつらにハニー … 女子高生とバイト先のマッサージ屋さん
    生田紗代 海の中には夜 … 大学の同じサークル
    宮下奈都 日をつなぐ … 母になったばかりの女性
    井上荒野 犬と椎茸 … 30年前の恋人と親友、夫と自分

  • ミニコメント
    人は一生のうち、いくつの恋に落ちるのだろう。ゆるくつけた香水、彼のタバコの匂い、好きな人に作った特別な料理_。柔らかく心に迫る恋の匂いをモチーフに6人の作家が綴る6つのラブストーリー。

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/book/413802

  • 2019年3月9日

    <The scent of Love>
      
    装丁/角川書店装丁室
    写真:MIYOKO KOMIME / A.collction / amana

  • 短い物語が集まってて、とても読みやすかった。実際にありそうな物語たちばかりで、感情も移入しやすかった

  • 香りをキーワードにした短編集。
    読みやすかったけど、その後の気になるものもいくつかあった。

  • 俺的に。
    映画でも書籍でも、嫌だな?と思った作品は、レビューしないのが普通だ。
    カッコつけるつもりでも無いけど、それがマイルールだ。

    でも?
    今回のはちょっと頂けない。

    年甲斐もなく?男なのに?俺は恋愛小説が大好きだ。
    そして。。。
    恋愛映画も恋愛小説もハッピーエンドがマストだとも盲信している。

    〜〜〜

    で。
    本題だが。

    そんな俺的に、これは無いな?と思った。


    譲って。
    ハッピーエンドだけが恋愛では無い!て理屈も許せるとしよう。・・その通りだ。
    だが?
    こう言うのが、いわゆる大人の恋愛だ!てテーゼは如何なものか?とは、強く思う。


    本アンソロジーのタイトルは?
    恋の薫り/恋の香りでなく、コイノカオリだ。
    だから?
    こう言う変化球(*しかもシンカーやナックル系)も分からなくも無い。

    でも。
    ちょっと違和感を覚えたなぁ。。。

  • 匂いは、遠い記憶を思い起こさせるものでもある

    栗田有起さんは初かな

    2016.05

  • 甘酸っぱいような苦いような、時に悲しくなる短編集だった。

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著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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