赤に捧げる殺意

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048735926

感想・レビュー・書評

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  •  ベテラン作家陣によるミステリー・アンソロジー。
    ・有栖川有栖「砕けた叫び」
     殺害された私立探偵が手にしていたのは、ムンクの「叫び」の人形。それは何を意味するのか?火村&アリスが謎に挑む。
    ・折原 一「トロイの密室」
     そこで眠ると死ぬと言われる、洋館の呪われた部屋。送り届けられた棺。万全な道具立ての中で起こった密室殺人は、呪いによるものか? 謎の渦中に葉山虹子と竹内刑事のコンビあり。
    ・太田忠司「神影荘奇談」
     山の中の洋館に迷い込んだ青年が体験した悪夢のような一夜は、夢か現か? 狩野俊介が謎を解く。
    ・赤川次郎「命の恩人」
     線路に落ちた娘を救ってくれたのは、大企業の専務だった。そんな恩人から、ある頼まれ事をされた母親は……。
    ・西澤保彦「時計じかけの小鳥」
     子供時代の思い出の書店で買った古い本。そこに挟まっていた奇妙なメモ。思いがけない真実を導き出す西澤ロジック。
    ・霞流 一「タワーに死す」
     怪獣映画の撮影現場で、セットの東京タワーに刺さった特撮監督の死体が発見された。足跡無き犯行の真相は?
    ・鯨 統一郎「Aは安楽椅子のA」
     天涯孤独のアンナは聴力までも失ってしまう。おまけに勤務先の探偵事務所もクビになりそう。そんな時、思いもよらない助力が……。アンナは首なし死体の謎を解き明かせるか?
    ・麻耶雄嵩「氷山の一角」
     芸能事務所のマネージャーが殺され、現場にはダイイング・メッセージが?! 血文字の謎と犯人を解き明かすべく、“名探偵メルカトル”が調査に乗り出す。

     図書館本。
     なんちゅーか、非常に不満の残る作品ばかりだった。
    「砕けた叫び」
     読者にそんなものわかるわけがない。しかも後出し。真相と最後の一文で笑うための話かな。頑張って推理しない方が吉。火村の反応がちょっと面白かったり、レギュラー陣は普段通りの安定感なので、ファンならどうぞという感じ。
    「トロイの密室」
     ん~、まあバカミス……でもないのかな。比較的マシな部類。マシなんだけど、面白いかというと、う~む。
    「神影荘奇談」
     真相は簡単に想像がつくんだけど、依頼人の設定がひどすぎる。電気もろくに通っていない村の出身って!? あんなことを真に受けるって!? そういうの、少年探偵団だけにしてもらえませんか……。
    「命の恩人」
     推理というよりサスペンスもの。しかし唯一まともな作品。結末も良かった。
    「時計じかけの小鳥」
     意外性を狙い過ぎて、むしろ不自然さが目立つ。変な教訓を入れずに、論理パズルで押し切れば良かったのでは。こういうのはイヤミスの上手い作家に任せましょう。
    「タワーに死す」
     科学とは何ぞや。もはやバカミスですらなく、オカルトの域。クツルーとラビドンの呪いじゃあ~!
    「Aは安楽椅子のA」
     色々なパロディが見受けられ、にぎやかではある。が、 主人公のかな~りおめでたい性格がキツイ。犯人じゃなく、よかったを探しててくれ……。ところで、これって推理なのか? AはアンチョコのA!(アンチョコとは違うんだけども)
    「氷山の一角」
     レギュラーキャラの人間性がアレだが、このアンソロジー内ではマシな内容。とはいえ快刀乱麻といったスッキリ感は無い。作者の仕掛けが透け透けなのもなあ……もしかして、わざとやってる?

     好きな作家も何人か入ってるけど、こりゃアカンわ。読んでる最中はまあ、楽しいっちゃ楽しいので、好きな作家の文章を読みたいならいいかも。

  • それぞれの作者さんの特徴みたいなものを感じた。んー…単なる違いだけかもしれないけど。わかるものなんだね。火村さんが好きだなあ。

  • カバー・表紙写真;GUY MARCHE/A.collection/amana
    装幀・アートディレクター/岡崎晃史
    装幀・プロデューサー/栗本知樹

  • 「時計じかけの小鳥」が一番好きかな。
    シリーズ探偵物が多かった気がする…。

  • 麻耶雄嵩「氷山の一角」
    メルカトル鮎、美袋三条シリーズの単行本未収録(20140922現在)。
    メルの提案で衣装を交換し、美袋が探偵として振る舞うこととなるが……

    メインは++++のダイイングメッセージ。
    ダイイングメッセージという氷山の一角からだけでは銘探偵も犯人の予想はついても確実とは言えず、美袋を囮に犯人を確保する。作中で言及されてるように、ダイイングメッセージの不確実性が肝。
    『メルかく』とかだとメルの言ったように真実が転がされてる感あるけど、やはり神はまーやであって、作中にいるメルではないと。

    ところでメルが誘導してるところで「あれ?メルが美袋にやさしいぞ???」と思ったらそんなことはなかった。安定の鬼畜。
    そして美袋はスペアの制服着てるけど、メルは美袋が脱いだ服かっさらったの?サマージャケットの替えないよね?
    あとワトソン役のイメージw缶コーラw「ケプと下品な音を最後に遺して」じわじわするw

  • すべて単行本初収録。とびきりの謎、推理の極み。超豪華なラインナップで贈る戦慄のミステリー・アンソロジー。 (「BOOK」データベースより)

    火村英生&アリスコンビにメルカトル鮎、狩野俊介など国内の人気名探偵を始め、極上のミステリ作品が集結。いわくつきの洋館で、呪われた密室から見つかった死体のからくりに、東京タワーのてっぺんに突き刺さって死んでいた特撮監督の謎。新本に交ざって売られていた一冊の古本が導く、書店店主の意外な死の真相…。気鋭の作家たちが生み出す緻密かつ精密な論理の迷宮。豪華執筆陣による超絶ミステリ・アンソロジー。 (文庫版「BOOK」データベースより)

    「砕けた叫び」有栖川有栖
    「トロイの密室」折原一
    「神影荘奇談」太田忠司
    「命の恩人」赤川次郎
    「時計じかけの小鳥」西澤保彦
    「タワーに死す」霞流一
    「Aは安楽椅子のA」鯨統一郎
    「氷山の一角」麻耶雄嵩

    読み終わってから少し経ってしまったので、ぶっちゃけ、結構忘れちゃってます(苦笑)。
    「砕けた叫び」まあなんていうか、毎度のことながら有栖川氏の文章は肌に合うなあと思いました。
    まずいないとは思いますが、ムンクを知らなきゃピンと来ないでしょう。
    「トロイの密室」舞台はこてこての館ものといった風情でワクワクしていたのですが、もう一つ何か物足りなさを感じました。
    まあ短編なので仕方ないのかも。
    「神影荘奇談」最後まで全然わかりませんでした。
    私ニブイのかな?
    「時計じかけの小鳥」なんていうか、いまひとつ決定打にかけるというか、そんな結末でした。
    ミステリーランドの「いつか、ふたりは二匹」は好きな作品でした。
    「タワーに死す」そりゃ無理っしょ!と突っ込みたくなる感じ。
    「Aは安楽椅子のA」まあいいんですけどね、ただキャラ的に主人公は好きになれなかった。
    どうして電話くれないの?のオチは、読んでいてすぐにわかりましたけど。
    「氷山の一角」麻耶氏の作品は、結構えぐいことがあり、合う合わないがはっきり分かれるのですが、実際あまり読んだことがないので、メルカトル鮎という探偵さんとは初対面でした。

    赤とあったので、血とかそんな赤いテーマなのかと思っていたのですが、そうではありませんでした。
    アンソロジーならではの面白さをたっぷり楽しめました。

  • 良質ではあるが、可もなく不可もなく。「青に捧げる悪意」の方が断然面白かった。

    ・「砕けた叫び」有栖川有栖
    普通。
    ・「トロイの密室」折原一
    期待したが、やや無理があるか。
    ・「神影荘奇談」太田忠司
    ミステリーとしては、一番理にかなっていた。
    ・「命の恩人」赤川次郎
    一番面白かった。こういうアンソロジーになると、作風の違いも明らかで、良さが際立つ。
    ・「時計じかけの小鳥」西澤保彦
    西澤さんにしてはおとなしめ。犯人は予想通りだが面白かった。
    ・「タワーに死す」霞流一
    普通。
    ・「Aは安楽椅子のA」鯨統一郎
    さすが、鯨統一郎さん。ユニークで面白かった。特殊能力ものは好き。
    ・「氷山の一角」麻耶雄嵩
    初めてのメルカトル探偵もの。謎解きとはいえない。

  • 赤川さんはさすがに短編を綺麗に纏めるのがうまいですね。旦那さん凄いムカついた。殺。
    後はまぁ、それぞれのシリーズのファンの方なら読むべきだとは思います。なんというか…察して下さい。

  • アンソロジー

    特に可もなく不可もなくって感じかなあ・・・

  • 「氷山の一角」が読みたかったので読んだ。

    いつも以上にメルカトルが生き生きしている話だった。最後がなんだかむなしかった。

    他の作品もいくつか読んでみたが、どれも不自然な感じがして私にはあまり合わなかった。とりあえ全部じっくり読んでみようと思う。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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