サウス・バウンド

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (535ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736114

感想・レビュー・書評

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  • すんごいハチャメチャなお騒がせ父さんやけど
    こういう“自分”っていうのがしっかりある人ってかっこいいわ。
    最後の決戦の前に、二郎に父が自分の腹の虫について話すところは
    思わずホロッときてしまった。
    実はこの話の中で一番重要な人物は21歳のお姉ちゃんやったのかも。
    年齢的には大人やけど時には子ども側やったり、大人の世界と子どもの世界を繋ぐ存在やったんちゃうかな。
    お姉ちゃんの「食べさせてあげる」のひと言。かっこいいなぁ~。

  • 正直に言えば中程までは『なんだかなぁ。自分勝手だよ、人間一人で生きられるわけないし…』なんて色々思いつつ読んでたけど第二部に入ってから読み進めるうちにすっかり入り込んじゃった。
    あらら、家族まで巻き込んで子ども達は『普通に』暮らしたがってるのにお気の毒~なんて感想まで持ったのに(笑)

    息子『二郎』の目を通して進む話しなので子ども間の問題も盛りだくさん(笑)
    一昔前ならば『腕白でもいい、たくましく育ってほしい』ですむだろう話しも今の世の中も変わったなぁとしみじみしてみたり(笑)


    さてチト辛口感想

    自分には無理だろうと思う。
    ただ世の中のシステムに文句を言うだけで何かをしているかと言えば何もしてないねぇ…
    ご大層なことだけをのべる政治家様よりは一郎の行動のほうが好感はもてる。ただみんなが同じ行動をとれば国はどうなるのかちょっと怖い気もするけど(笑)
    何が正しいのか分からないけれど裏金がどうとか、年金問題、高齢者医療費とか適当を許しているこの世界は正しくはないんじゃないかと思ったね。

    ん~でも何もない所で自分の力からだけでどうぞと言われてもそれも困るんだけど。
    行動出来ない自分も情けない…



    ラスト当たりで一郎は二郎に言うセリフはこの本を読んできたからこそ胸に響いてくるんだと思う。

    『おまえはおとうさんを見習わなくていい。お前の考えで生きていけばいい。おとうさんの中にはな、自分ではどうしようもない腹の虫がいるんだ~』

    『~おとうさんを見習うな。~けれど卑怯な大人にだけはなるな。立場だけでで生きるような大人にはなるな。』

    『~違うと思ったらとことん戦え。負けてもいいから戦え。~理解者は必ずいる。』

    最初に言ったセリフなら『なにその理想論、子どもに偉そうなことを言わないで欲しい』なんて反感を持ったかも知れないけれど二郎と一緒に成長してきた読者にはこの気持ちが理解出来るんじゃないかな。
    同じような行動を取れるかは別として。

    方法は問題あれど自分の信念を曲げず一人ででもやりとげ、貫ける一郎には拍手を送りたい。
    今の大人に欠けている物を持ってるからこそこの本を読んだ人たちは一郎に惹かれていくんじゃないかな?

    これから読む方、途中で飽きてきてる方がいればぜひぜひ第一部の一郎だけでこの本を破断しないでと言いたい(笑)
    重量感ある本だけどあっという間に読めると思うよ。

  • 同じく、秋の連休に借りた本。
    こちらは面白かった!
    映画になった、と聞いたが、おそらく原作ファンは不満だったのでは?
    だってこの物語を2時間弱にはまとめられないでしょうよ。
    南の島へ移住してからだけの話、ではこの物語のほんとうの流れを無視してるわけだし。
    いったいどういう映画だったのか、ちょっと興味が沸いた。

  • あえて児童文学としたけれど。映画は豊川悦司、天海祐希、北川景子、田辺修斗、松本梨菜。

  • 型破りな父に翻弄される家族を、小学6年生の息子「二郎」の視点で描いた作品。会話のテンポも良く、少年が可愛い。家族もどんどん魅力的になってきて絆を感じさせる終わりが爽やかだった。

  • 親としてはかなりぶっ飛んでいると思うけれど
    子供を含め本人たちが幸せなのが1番だなと思う。

    東京ではどうしようもない父を、二郎や桃子が見直していく様子がよかった。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00353634

    僕の父さんは元過激派とかいうやつで、いつも家にいて小説を書いている。学校なんか行く必要ないとか言うのだけれだけれど……。少年の視点を通して、変わり者の父に翻弄される家族を描く、長編大傑作!(出版社HPより)

  • 読み始めてすぐに、この本は大好きだ!と思い、最後まで読んだらやはり素晴らしかった。
    まず11歳の少年から見た世の中の描写が素晴らしい。この作者はどうしてこんなにいろいろな人になれるんだろう。

  • 後半映画見てるような圧倒的な展開だと思ったら、やはり映画になっていた。なにげにすごいキャスト、西表編は見たい。

  • 「2006本屋大賞 2位」
    九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/588915

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著者プロフィール

おくだ・ひでお
1959年岐阜県生まれ。プランナー、コピーライターなどを経て1997年『ウランバーナの森』でデビュー。2002年『邪魔』で大藪春彦賞受賞。2004年『空中ブランコ』で直木賞、2007年『家日和』で柴田錬三郎賞、2009年『オリンピックの身代金』で吉川英治文学賞を受賞。著書に『最悪』、『イン・ザ・プール』、『マドンナ』、『ガール』、『サウスバウンド』、『無理』、『噂の女』、『我が家のヒミツ』、『ナオミとカナコ』、『向田理髪店』など。映像化作品も多数あり、コミカルな短篇から社会派長編までさまざまな作風で人気を博している。近著に『罪の轍』。

「2021年 『邪魔(下) 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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