- Amazon.co.jp ・本 (169ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048736435
感想・レビュー・書評
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58点。現代人の孤独と寂寥、人間関係の揺らぎを完璧な文体で描いた傑作短篇集。とはいうもののいつもの文体です。いろんなニートとかダメんずが出てきます。ちょっと狙ってる感がイヤ。
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作品解説(帯より):キミは来る日も部屋に閉じこもって、借金の取り立てと光熱費の取り立てに脅えながら暮らしていた。食事は一週間に三食。一食は具の入っていないインスタントラーメンで、あとの二食は調味料だけで作るチャーハンだった。……キミが死んでしまうと思ったのは少し大袈裟かもしれないが、なんでこんなになるまで私に黙っていたのか、と勝手な思い込みをしていたら泣けてきた。それでここ数日というもの、恋するようにキミのことを思った。キミの今の生活、今よりもう少しマシな生活のことを思った。
表題「ニート」とその続編「2+1」を含む五篇の作品集。
(5作品の最後「愛なんかいらねー」で一気に評価を下げました。詳細を記す気にもなれませんので無かったものとします。)
さすが数多くの文学賞を受賞しているだけあり、飾らない内容の中に詩的な美しさを兼ね備えています。読む前には想像もつかない切り口で、ニートを非難もせず、擁護もせず、中庸の存在として扱っている点がおもしろい。
作者がどのように取材等をしたのかは不明ですが、かなりニートの生活状況、心情を理解されているように見受けられます。 -
H28/2/29
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タイトルと想像してた内容違った…不思議な感じだけど。もう一味たりないような
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最後の話が強烈だったという記憶しかない。
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短編集。
ものによっては好きですが、最後の話はどうにも気持ち悪くて…駄目でした。 -
「ニート」、「ベル・エポック」、「2+1」、「へたれ」、「愛なんかいらねー」の5編が収録された作品集。
実は、恥ずかしながら、「ニート」ってどういう人のことを言うのかよくわかっていなかった。本書中の記述によると、ニートとは、
<あらゆる権利の外にいて、健康だが働いていないし働く気もない。>
という人のことだ。
小説家の「私」は、久しぶりにのぞいた「キミ」のブログで、「キミ」の生活が困窮していることを知る。メールで連絡を取り、会うことになり、「私」は金銭的に援助をする。
そして続編の「2+1」になると、ルームシェアしているが冷戦中の女友達に手紙でことわりながら、「キミ」を自分の部屋に住まわせるようになる。
「愛していない」などと書かれているが、結局「私」は「キミ」を愛していたのだろうと思う。そうでなきゃここまでできないだろう。
他の3編では、「愛なんかいらねー」がかなり衝撃的(いわゆる変態プレイを好む男との話)で、ちと気分が悪くなったりもしたが、基本的にはどの作品にも絲山さんらしさが漂っている。つまりどの登場人物も、孤独と寂しさを抱えているのだ。
ただ、絲山作品の最初にこれを読むのはお勧めしない。これまでの絲山作品を読んだり、どこかで絲山さんのインタビュー記事を読んだりしてからの方が、この孤独感を受信しやすいのではないかと思う。(2005.12.29) -
絲山さんの作品には結構SEXシーンが出てくるけど
今回のはちょっとついていけんかった -
ダメな男を養う女。とりあえず男を「キミ」と呼ぶ時点でアウトだ。