夢のカルテ

  • 角川書店
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感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (274ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736497

感想・レビュー・書評

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  • 読友さんの感想に惹かれて。
    人の夢に入り込むって辛いことの方が多いんじゃないかな。
    恋人や極々身近な存在がそんな能力を有していたとしたらどうだろうか。
    その特異な能力を生かして人の心の奥深くに潜む抑圧や痛みを解き放していくというのは、カウンセラーとしてはある意味反則技だけれど、クライエントのどんな夢にも目を背けずに向き合う姿は好感が持てる。
    恋愛転移ではないかと思い悩んだりと、やはり能力者ならではの痛みも。
    ”傷つくことは、弱さではないと夢衣は思った。それは真摯に生きている証なのだ”というくだりが印象的。

  • 他人の夢の中へ入ることのできる心理カウンセラーの夢衣。クライアントとして訪れた刑事と恋仲になるが、それは転移感情ではないかと思い悩む。
    物語は特に心を揺さぶるようなものではないが、何気なく読み過ごしてしまいそうな文章に作者の価値観が感じられ、それは心に残った。

    たとえば30ページにある
    墓石は小さく見劣りがした。墓誌に刻まれた戒名は字数が少なかった。被害者の家庭の経済状況が偲ばれた。そして、そんなものがあからさまになる日本の葬祭の風習にやり切れなさを覚えた。

  • 人の夢をよめる心理学者が 愛した警察官とともに
    夢を読みながら事件を解決していくという話。

    ちょっとテレビドラマっぽい 話の起伏が少ない感じは
    あるものの、なかなか楽しめる。

    ちょっぴりファンタジー系。

    軽くて面白い。

  • 臨床心理の要素も入っていて面白かった

  • 図書館より。
    人の夢に入り込むことができる心理カウンセラーと刑事が活躍する話。

    似たような設定の話に筒井康隆さんの『パプリカ』がありますが、それと比べこちらは全体を通して落ち着いた感じで、話の展開や登場人物たちの雰囲気がやさしく、安心して読み進めることができます。

    結末もきれいな感じで締められていて非常に雰囲気のいい作品でしたが、話の世界がきれいすぎてインパクトには少し欠ける感じでした。ミステリ的に、もしくは人間ドラマとしてもっと深く書いてほしかったなあ、という思いも残りました。

  • 夢ネタなので、筒井康隆の「パプリカ」をちょっとイメージさせる。
    でもあちらのダークな感じとまた違い、装丁どおりさわやかなラブストーリーに仕上がっている。
    これもドラマ化したら良さそう。
    夢衣は蒼井優、麻生は、、、ちょっと思い浮かばない。最近の若手俳優だと線が細すぎる気がする。

  • ほとんど、一気に読み終えた。
    個人的には、初めの幸せ感、途中のハラハラ感、そしてラストと満足な1冊でした。
    うじうじ考えてやんと飛び込め!とも思ったけど(汗)

  • 高野和明氏の小説という事で期待したが、あまり面白くなかった。カウンセラーの夢衣の存在感があまり無く、感情の起伏を感じられなかった。

  • 夢は、その日の体験や古い記憶、無意識に潜む願望で、その人の内面を表す。
    と書いていたけど、本当に不思議なものだと思う。

  • 読み物としてよく出来ていて、単純に面白かった。

    「傷つくことは弱さではない。それは真摯に生きている証なのだ。」という言葉がじんわり響いた。

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著者プロフィール

1964年生まれ。2001年に『13階段』で第47回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー。著書に『幽霊人命救助隊』、『夢のカルテ』(阪上仁志との共著)など。2011年、『ジェノサイド』で第2回山田風太郎賞を受賞。自著のドラマ化『6時間後に君は死ぬ』では脚本・監督も務めた。

「2012年 『グレイヴディッガー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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