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夜市

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著者 : 恒川光太郎
  • 角川書店 (2005年10月26日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736510

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夜市の感想・レビュー・書評

  • ホラーということだが、私にはホラーとは思えなかった。不思議な、そして悲しい物語だった。
    面白いか面白くないかで言えば面白くはなかった。でも、独得の世界観があって、活字が絵として見えてくる。そして、どっぷりとその世界に引き込まれる。そんな小説だった。

  • ホラーだと思って今まで読むのを敬遠していたのが悔やまれます。死や闇の匂いの濃い、暗めのファンタジーでとっても私好みでした!「夜市」と「風の古道」の2編。どちらの話も読み始めると一気に恒川さんの作り出す妖しい世界に連れて行かれます。様々な世界に繋がっている空間や、妖たちが歩く古道。そこには私たちの世界とは違うルールがあって、そのルールは決して主人公たちにとって優しくなくて。ハッピーエンドではないけれど、落ち着くところに落ち着くようなラストで良かったです。これからも何回か読むだろうな。買おうか迷います。

  •  作品解説(帯より):大学生のいずみは、高校時代の同級生・裕司から「夜市にいかないか」と誘われた。裕司に連れられて出かけた岬の森では、妖怪たちがさまざまな品物を売る、この世ならぬ不思議な市場が開かれていた。 夜市では望むものが何でも手に入る。小学生のころに夜市に迷い込んだ裕司は、自分の幼い弟と引き換えに「野球の才能」を買ったのだという。野球部のヒーローとして成長し、甲子園にも出場した裕司だが、弟を売ったことにずっと罪悪感を抱いていた。 そして今夜、弟を買い戻すために夜市を訪れたというのだが――。 幻想的かつ端正な文体、そして読む者の魂を揺さぶる奇跡のエンディング。選考委員が驚嘆・畏怖した類い稀なる才能の登場! 全選考委員激賞! 日本ホラー小説大賞史上最高傑作
     第12回 日本ホラー小説大賞 大賞受賞作

     これは現(うつつ)か幻か、ある種妖しく独特な新鮮さに読者は惑う。七十数ページと物足りない感はあるが、美しい文章により一夜の夢物語の中に紛れ込んだかのような一体感を覚える。物語はホラーという一ジャンルにとらわれることなく、SF的かつファンタジックな要素を含みつつミステリアスな展開へと発展し、ラストには表現し難い清々しさが待ちうけている。
     恐怖としてのホラーを望む方には受けが悪いでしょうが、逆にホラーを苦手とする方にこそ読んでい欲しい一冊。「夜市」の他にも「風の古道」という作品が収録されており、こちらもかなり良い仕上がりになっています。一読あれ!

  • 日本ホラー小説大賞受賞作。日常生活の裏側にある異形の世界を描く幻想小説集。商品を買わないと帰れない妖の市場『夜市』、親とはぐれた子どもが迷い込んだ神わたりの道『風の古道』の2篇収録。
    2作目の『風の古道』が良かった。『蟲師』を髣髴とさせる、人でないモノの通り道。1作目『夜市』ではやや単調に思えた簡潔な文体が、逆に詩的に感じられた。『夜市』が謎解きを指向した物語である反面、『風の古道』が異世界紀行の体を成していたからかもしれない。

  • 第12回日本ホラー小説大賞受賞作(短編部門)。

    読者は主人公?の女子大生いずみの視点でこの物語を体験するのだが、彼女の背景や人物造形は全く書かれておらず、非常に無個性的なキャラクターである。だからこれは小説、とういうよりは怪談話に近い。怪談話も登場人物はA,B,C,Dと名前すら与えられなくてもいいくらいに徹底的に登場人物の個性が排除されている。それは簡潔にして聞き手を飽きさせないため、恐怖のストーリーのみを感じてもらうため、なのかと思うが、この小説もそんな物語に感じた。
    また、小説全体に漂う独特な雰囲気も良い。異形の者たちが夜市で店を開き不思議な売り文句と共にものを売る様は、単純に魅力的だ。同時収録されている『風の古道』には『夜市』内で登場する「永久放浪者」も売り手として出てくる(同一人物ではないだろうけれども)。『夜市』を読んだ時は不思議な世界を演出するための不思議な固有名詞でしかなかった「永久放浪者」が『風の古道』では意味のある、厚みを持った存在として甦る。ひょっとして、夜市でものを売っていた他の異形の者たちにも一人ひとり物語があるのではないかと想像を膨らませることができて、愉快な気持ちになった。
    また、二つの短編、それから先の「永久放浪者」にも関連すると思うが、この作者は思わせぶりなことを思わせぶりなまま終わらせず、つまり不思議な世界や変わった人間を演出するための思わせぶりはしないで、必ず種明かしをしてくれるところに特徴があると思った。

  • 夜市というタイトルに惹かれて読んだ。
    何かを売って何かを得るという話だったけど
    現実的に手に入れることのできない才能だったり
    それを別世界に住んでいる妖怪たちが売っている
    のがとても面白かった。弟を売って自分は野球の才能を手に入れた兄だったけど結局は罪の意識に囚われて現実世界からは消えてしまって少し悲しい結末だったなあと思う。女の子が言ってた、付き合ってた子がゴミだったからって、周りの人間もゴミだとは限らないって言ってたのはなんていうか希望が持てた。

    風の古道は自分が幼い頃迷い込んだような
    気持ちになった。どこか懐かしいような感じ。
    実際に街を歩いてて別世界に繋がる道は
    あるような気がする。男の子が生き返れなかった
    のは残念だったけど、きっと人生なんて
    そんなもんだ。一つの道をいけば
    もう一つの道をみることはできない
    それが人生なんだと。
    誰もが際限のない迷路のただ中にいるのだ。と
    とても深い話だった。

  • 表題作はSFではおなじみの設定かつ論理的に落とすでもなくやけに情緒で終わる。帯ほめすぎだって。ストーリー構成やプロットの妙は二編目の「風の古道」のほうが腑に落ちた。いずれも登場人物の出自がプロットの肝になっていて、かつ閉鎖された異世界での物語。似た読後感を覚え考えてみると横溝正史ものに酷似していると気づく。夜市や古道はそのまま八つ墓村や犬神家で、出自血縁自体がトリックになっているのであった。

  • 「夜市」
    あらゆるものが揃っているけれど、一度迷い込めば何かを買わなければ出ることのできない“夜市”。
    途中までの流れは予想通りだったけど、まさかの結末。

    「風の古道」
    何処までも通じていながら、何処にも存在しない“古道”。
    そこに迷い込んでしまった少年二人。
    失ってしまったモノを取り戻すには、それ相応の対価と覚悟が必要。
    レンの母親はどんな気持ちで決断したんだろう。(ホシカワは?)
    (レンが主人公だったら?)

    “夜市”も“古道”も様々な場所に通じているのに、一握りの人の前にしか姿を現さない特殊で危険な場所。そんな場所での出会いと別れは切なくて哀しい。

  • ・夜市
    始まりから自分の好きな感じでワクワクしながら読んでいたが
    まさか後半からこんな展開になるとは思わなかった。
    夜市で売っているものや夜市のルールが好きだった

    ・風の古道
    読んでいて、古道の雰囲気が伝わってゾッとした。
    レンがひたすらいい人。主人公の凛々しさ。

    どちらも読み終わった後に切なさがのこる

    夜市も古道も実際にあるような気がしたし、あってほしいと思った

  • 第12回日本ホラー大賞の作品。図書館で借りた本だが凄く良かった。情景を浮かび出させる文章、ファンタジー要素があるホラー短編。夜市は切なさを感じるラスト、風の古道は都会の直ぐ傍に熊野古道があるような想いを感じさせる描写、2編ともオカルト世界の中でも、優しさや切なさが溢れ出る人間模様の話で、あっと言う間に読了した。

  • ホラーというよりは少し怖いファンタジーのような。独特の世界へ一緒に引きずり込まれるような感覚で読み終えました。この世ではない世界の物語。買わなければ出られない夜市、歪みから踏み込んでしまった古道。怖さはあまり感じませんでしたが、不思議と不気味を感じました。「スタープレイヤー」は私には入り込めない中途半端なゲームの世界に感じてしまったのですが、こちらは断然面白かったです。

  • 怪しげで、それでいて好奇心をかき立てられる描写。

  • 15/10/08
    2005年の日本ホラー大賞。
    どんだけ怖いんだろうと恐る恐る読みましたが、怖くない!痛くない!やさしいホラーでした。夜市絶賛されているわりにはそこまででもなかったというのが正直な感想。冒頭の “今宵は夜市が開かれる。” でサンドイッチされた文章好きだ。

  • ホラーものはなんとなく敬遠していたが、ホラー大賞受賞作というので、興味を持って読んでみた。装丁からは今の季節にピッタリな涼しげな印象を感じさせるが、怖い話だろうというイメージを持って読みすすめた。「夜市」、「風の古道」どちらの話も不思議な世界観を感じさせるどこか別次元の世界へ入り込んでしまったような感じがする。物語の世界では様々な事象が繰り広げられ、怖いよりも不気味さを感じる。全体的にはホラー色よりも悲しみに包まれた切なさを残す読後感。ファンタジーが強めな印象でホラーが苦手な人にも読みやすいと思う。

  • 表題作より一緒に収録された作品の方が好きかな。
    どちらの作品も、ここではない、すぐ隣にあるのかもしれない異世界に迷いこんでしまった物語。
    突然怪しげな世界に放り込まれるというのは怖いのだけど、この作者さんは幻想的な描き方をしていて、ホラーというより幻想小説を読んだような気分になりました。

  • うう・・切ねぇ
    でもちゃんとホラーなんだな・・・
    すごく良かったぁ

  • 子供の頃迷い込んだ夜市で、夜市から脱出する為、弟を売ってしまう。大人になり弟を連れ戻す為、友人の女の子と共に再び夜市へ行く。

  • 完全に良作ですね!
    両編とも設定が◎
    再読ですが、やはりおもしろかったね!

  • 『夜市』『風の古道』の2編。恒川作品は『南の子供が〜』に続いてこれが2作目。雰囲気は似ているが後半の展開が予想外で驚いた。幻想的な世界であるとともにサスペンス要素がある。急展開に息をのみ、その後静かな悲しみが霧のようにたちこめてくる。非常に魅力的な作品。

  • たいへんおもしろかったです。
    幻想的なお話って、起承転結がはっきりしてなくて「結局どんな話だったっけ?」ってなりがちですが、この本はきちんと話が終わるところがよかったです。
    梨木香歩さんの家守奇譚やジブリの千と千尋の神隠しよりちょっとこわくて、じーんとしみる感じでした。

  • 幻想的でどこか物悲しい2つの短編。どちらも懐かしくて、切なくて、読み終えた後、しばらく余韻でぼんやりしてしまった。

  • 日本ホラー小説大賞作品。ホラーですが、読みやすいです。

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