夜市

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (179ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736510

感想・レビュー・書評

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  • やはり苦手なホラーだったが、酷い描写は少なく読みやすい作品ではあった。

  • 覚悟を決めて、生き延びたいと思った弟が強く生き延びられて、生を諦めた兄が消滅するという、人間讃歌に満ちた話しだった。人間讃歌は勇気の讃歌。「覚悟」とは、暗闇の荒野に、進むべき道を切り開く事だ、というジョジョの台詞を思い出した。

  • 「夜市(よいち)」と「風の古道(こどう)」の中編2本を収録した1冊。
    「夜市」は2005年の日本ホラー小説大賞受賞作です。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「夜市」
    同級生だったいずみを誘い、夜市を訪れた裕司。
    裕司が夜市に足を踏み入れたのは、実は2回目で、ある目的のために裕司は再び、夜市を訪れたのだった…。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    明かされた裕司の真意と、その後の予想外の展開には驚かされました。

    しかし、どうして裕司が誘ったのがいずれだったのだろうか?というところが、最後まで腑に落ちなかったところが残念です。
    いずみは、同級生だったころも裕司とろくに話したこともなく、恋人同士でもなく、たまたま最近再開しただけの仲です。
    裕司になにか起こっても、なんとも思わないような人を選んだということ?などなど、裕司の真意を考えてみましたが、どれもピンときませんでした。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「風の古道」
    7歳の頃、道に迷ってしまった「私」は、偶然出会ったおばさんから、奇妙な道を示され歩いて帰ってきた。

    あまりに不思議な出来事だったため、長らくその奇妙な道の詳しい話はせずにいたが、12歳になったとき「私」は、親友のカズキにその話を打ち明ける。

    そしてカズキがその道に興味を示したことで、カズキとともに、再びその奇妙な道に足を踏み入れることになったのだが…。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「夜市」よりも「風の古道」のほうが、好きなお話でした。
    こちらも「夜市」とおなじく、後半は驚きの展開で、「そこがそうつながるの?!」という感じでした。

    どちらのお話もドロドロのスプラッタではなく、ホラーにミステリーを混ぜ合わせたような不思議なお話になっているため、スプラッタホラーが苦手なわたしでも、難なく読めました。

    昔の話になりますが、学研から出版されていた「LCミステリー」という月刊マンガ雑誌があり、愛読していました。
    「LCミステリー」はホラーマンガではなく、例えば少し不思議な力をもった主人公が、魔道の世界で活躍するようなお話が多かったので、そうした話が大好きだったわたしは見事にどハマりました。

    「夜市」も「風の古道」も、読んでいると「LCミステリー」の原作のような雰囲気を感じ、とても懐かしくなりました。

    教訓めいたものはあまり感じられず、純粋にお話を楽しむ小説といった感じです。
    「世にも奇妙な物語」が好きな方には、2作ともに雰囲気を味わいながら楽しめるお話ではないかなと思いました。

  • お祭りの夜って
    その場は明るくて賑やかだけど、一本裏の道に入ったら暗くていつもの夜で、その境い目が怖かったりする。
    そんな事を思い出した。
    ファンタジーに近いホラー。表題作よりも風の古道の方が怖かった。幻想的でその情景を思い浮かべながら一気に引き込まれる魅力的な作品。とても面白かったです。

  • 分類ではホラーになるみたいだけど、これはホラーではないです。
    絶対ダントツ☆5つ。この世界観(本として読むだけなら←この世界に行きたいわけではない)好き。

    表題「夜市」ワタシは泣けました。
    2度読みです。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「これはホラーではないです」
      表紙イラストに惹かれつつ、ホラーかぁ、、、と思って読もうかどうか迷っていたら、違うと聞いて購入しました。でもブ...
      「これはホラーではないです」
      表紙イラストに惹かれつつ、ホラーかぁ、、、と思って読もうかどうか迷っていたら、違うと聞いて購入しました。でもブルっとして風邪に罹ったら困るので、春までオアズケ。。。
      2013/01/18
  • 魔物のいる異世界へ迷い込むと、取引をしない限り夜市から帰れない。弟を売りある能力を手に入れた兄は、罪悪感から弟を買い戻すため夜市へ。売られた弟はどうなってしまうのか?意外な展開に圧倒される。

  • 個人的には過去最高のびっくり展開でした。
    この作品で恒川さんにハマって最新作まで買い続けてる日々です。
    人によっては好みが別れる作品だと思いますが、
    自分はおすすめ聞かれたらこれを推してます。

  • ホラーだと思って今まで読むのを敬遠していたのが悔やまれます。死や闇の匂いの濃い、暗めのファンタジーでとっても私好みでした!「夜市」と「風の古道」の2編。どちらの話も読み始めると一気に恒川さんの作り出す妖しい世界に連れて行かれます。様々な世界に繋がっている空間や、妖たちが歩く古道。そこには私たちの世界とは違うルールがあって、そのルールは決して主人公たちにとって優しくなくて。ハッピーエンドではないけれど、落ち着くところに落ち着くようなラストで良かったです。これからも何回か読むだろうな。買おうか迷います。

  • ホラー小説ですが、そんなに怖くなく不思議な世界の不思議なお話という感じでした。
    「夜市」も「風の古道」も悲しい話ですが情景が浮かんで映画やドラマなど映像を見ているようで一気に読んでしまいました。
    忘れた頃にまた読みたい1冊です。

  • 今までに読んだことがない話。
    ホラー小説なんだけどファンタジー小説。
    読み始めたらどんどん引き込まれてしまい、その日のうちに読んでしまった。子供の頃以来。
    悲しいんだけど、なんかほっこりきたな。

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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