- Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
- / ISBN・EAN: 9784048736671
感想・レビュー・書評
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きゅんったなったり、胸が痛くなったり。クリスマスイブのいろんな出逢いと別れが描かれている。
だれかに恋をして、ともにときを過ごして、どこにでもある理由で別れる。高校生だったらなんでもないかもしれないそれら一連のことが、決定的な重みを持って私の心にはりつき、これからも消えることはないだろう、そのことがかなしかった。
初めて自分の弱さを知る。自分が弱いのではなくて、もしかしたら別れというものがそれほどに恐ろしいものなのかもしれない。関係のあったたった二人の人間と人間が。ただ無関係になってしまうだけのことなのに。訓練が足りないのだとも思う。
世の中の女性は、ではこの苦しみをどうやって乗り越えていったのだろう。ただ朝となく夜となく泣き続け、ベットの上をのたうち回りながら自分からそうでないものへの脱皮を果たしていったのだろうか。鳴るはずもない携帯電話を握り締め、体中に絡みついた思い出という皮膚をどのように脱ぎ捨てていったのだろうか。
そういう、しても始まらない心配ごとを「杞憂」っていうんだ。時間の無駄遣い以外の何物でもないんだけれど、腹立たしいことに、おれはその杞憂というのに日に何時間も時間を取られているんだよ。
この季節、いまのぼくには良かったな。現実から逃避して、まるで他人事のように楽しめる。本って、いいな。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
クリスマスだからといって甘いエピソードばかりではなくて、たまたま会いに行く日が、たまたま今日がクリスマスだったというものが多かった気がする。もちろん、クリスマスのエピソードを語る話も。たまたま離婚する日がクリスマスイブだったという角田さんのお話はなんかよかったな。遠距離関係の恋人の二人の話もよかった。
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人気作家がクリスマスをテーマに綴った珠玉の六つの物語。
セブンティーン 奥田英朗
クラスメイト 角田光代
私が私であるための 大崎善生
雪の夜に帰る 島本理生
ふたりのルール 盛田隆二
ハッピー・クリスマス、ヨーコ 蓮見圭一
蓮見さんの本は読んだことがなかったけれど、「ハッピー・クリスマス、ヨーコ」が私は一番良いなと思った。
夫婦喧嘩中の話なのに、読んでいく内にほのぼのと温かい気持ちになれるお話でした。 -
一時間軽く何か読みたいときに最適。
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この時期にぴったりの作品集。
『セブンティーン』という作品はわたしにも覚えがあることなので、自分の母親に「もし、この作品のような状況になったらどうする?」と聞いてみたくなった。 -
クリスマスにまつわる短編6編。装丁と違ってキラキラ話ではなかった。
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2017年12月15日
<Christmas Stories>
装丁/高柳雅人(角川書店装丁室) -
もう少しクリスマスっぽさを期待していた。