わくらば日記

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 430
感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784048736701

感想・レビュー・書評

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  • 過去を『見る』ことが出来る姉と好奇心旺盛な妹が様々な事件に遭遇していく連作集第一作。
    朱川さんお得意の昭和を舞台に、割りきれない人間という生き物、やりきれない事件を描く。
    度々出てくる姉の行く先の表現や、姉妹の置かれた複雑らしい家族関係などが、より現時点の慎ましく時に苦しくとも美しい日々であることが強調される。
    礼儀に厳しい母親の意外な特技があったり、悲しい過去を持つ友人の明るさがあったり、怖そうで優しい刑事がいたり、脇役も良い。
    久しぶりの再読だったが、続編もそのうちに読んでみたい。

  • 好き!
    本屋大賞の作品でがっかり続きだったので、読んでいる最中も、読後も心地よいこういう作品に出会えてほっとした。
    過去が見えてしまう不思議な力を持った姉との思い出を妹が語る。戦後から高度経済成長へと向かうあの頃の日本。
    事件簿でもあり、ミステリーでもあり、人間の切なさ愚かさ優しさ温かさも感じられて、読めてよかった。続きもあるので、それを読む楽しみができたのも嬉しい。
    私もお母さまに巴投げされたいと思った。

  • 姉が特殊な能力を持っていると知った妹が
    ちょっとしたお節介をしたばかりに繰り広げられる
    心温まる人間模様です。

    警察の捜査に協力した姉妹が知った犯人の心情に
    善と悪だけでは割り切れない人間の性というものを
    深く考えらされました。

    本当の優しさとは何なのかと、自問自答してしまいます。

    けなげで美人の姉と、ごく普通の妹との心温まる物語です。

  • 精神を集中すると人や物、場所の過去を「見る」ことができる少女とその妹が、
    その力を使っていろいろな事件の真相に迫っていく。
    連作短編集。

  • 記憶が薄れたので再読。何度読んでも不思議な世界にすっと入っていけるところが好き。朱川さんは人物の描写が上手なので登場人物たちが知り合いのように頭に浮かぶ。

  • 最近ハマっている作家さん。なかなか良いです。
    このお話もちょっと不思議でほのぼの感あり、物悲し感あり、読み易くて面白かった~!
    続編も有るので読もう(^^♪

  • ★Over the Moonさんで知った本。
    時代ミステリらしい。

  • 姉妹に対する
    命の試練が厳しい
    自分には耐えられそうもない

  • なんという事でしょう。
    他にもあるなら「過去を見る能力」の話が読みたいと思っている時におススメ頂いた本(泣ける話で)が偶然「過去が見える能力」を持った女性のお話とは。

    1話(虹の)を読んだ時はなんとなく重いし
    少女に殺人現場見せるとかどうなんだろうと思ったりで
    微妙だったのですが
    読み進めるうち当たり前の事の大切さ(礼儀)や成長するにつれて言われなくても分かって来る「他人は自分を映す鏡」的なストーリー、自分の世代では意識していないと忘れてしまいがちな過去の傷跡、その痛み、かつての日本にはその痛みと共に生きていた人々が大勢いたという事実。
    色々な事に思いを馳せる、そんな本でした。

    身内の自殺の痛みを思ってのあの行動に対しては余計なおせっかいなうえに多くの人に迷惑をかけた最低な行動にしか思えませんでしたが。(似た経験をした側の意見)
    自殺だったと知ったら後悔はするし苦しむけれど罰せられない分重く心に有り2度と間違いはおこすまい、と強く思える。知った後の自分ではない命に対する考えと行動は以前とはまるで違うものになりました。

    私にとって良い本とは「読後に考える本」なのでこの本はあたりでした。
    おすすめ下さった方に感謝です。

  • 見る不思議な力を持ったお姉さま。病弱だけど、心優しい、透き通るように肌が白くて、大好きなお姉さま。
    戦後の日本が時代背景。不思議な力を持った姉と姉思いの妹が体験する事件。ささやかな暮らし。二人が主人公でいくつかの事件を短編にした一冊。読み終わって、この姉妹に会えなくなるのがさみしい、続きが読みたい。わくらばファンになりました。

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著者プロフィール

朱川湊人
昭和38年1月7日生まれ。出版社勤務をへて著述業。平成14年「フクロウ男」でオール読物推理小説新人賞。15年「白い部屋で月の歌を」で日本ホラー小説大賞短編賞。17年大阪の少年を主人公にした短編集「花まんま」で直木賞を受賞。大阪出身。慶大卒。作品はほかに「都市伝説セピア」「さよならの空」「いっぺんさん」など多数。

「2021年 『時間色のリリィ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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